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就業規則、労務管理の行政書士&社会保険労務士 成瀬事務所

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愛知県豊田市の会社経営とくらしの法律相談所 成瀬事務所

個別労働紛争に関する事例紹介

  労働者個人と事業主との紛争にはいろいろなケースがあります。
  中には互いに法令の内容を知らないために泣き寝入りになってしまうケースもあります。
  どんな場合に何が考慮のポイントか、是非参考にしてください。

  また、問題解決には自分で処理できる場合、行政官庁に申告する場合、専門家にあっせん
  依頼する場合、弁護士に依頼して訴訟による解決を目指す場合など問題の内容により解決の
  方法も異なります。

 その辺も慎重に判断してください。

1. 人事考課の評価が低いことを理由に退職を勧奨された。不満ではあるものの、
  事業主側との
3回の話し合いの中で、一定の条件が提示された。退職勧奨を受け
  入れようと考えているが、事業主側は退職理由を自己都合にせよと言っている。  雇用保険受給の関係からも事業主都合になると思うが、どうしたらよいか。

  ⇒ 次の3点を事業主に申し入れるべき
 1.退職届の退職理由を「退職勧奨により」と記載する
 
2.雇用保険被保険者離職証明書の離職理由を「事業主からの働きかけによるもの」とする
 3.労働基準法に基づく「退職の事由を含む退職時等の証明」の交付を求め、その退職の事由を
  「退職勧奨」とする

2.  採用時に「3年間頑張れば正社員への道も考える」と言われ、6か月ごとに更新
  する契約社員となりすでに
3回契約が更新された。その後会社から「受注が減少
  し、配転先も探したがみつからなかったので今回の契約期間末で辞めてもらう」  と通告された。実質解雇だと思うので拒否したい。

 
      ⇒ 雇用期間設定の意味、雇用契約更新の事情、更新に関する合意の有無等を考慮
      すると、実質的解雇と考えられる。
      そうすると解雇権濫用法理の類推適用により諸般の事情を考慮すると
      当該実質的解雇は無効なる。
      →会社と合意退職をする条件として補償金を要求して解決を目指す


3.   月平均80時間を超える時間外勤務を余儀なくされているが、時間外手当が支払
   われないため本社に確認したところ、労働基準法上の管理監督者であるから、   時間外手当はない、と言われた。納得できないが、本当にそうなのか?


      ⇒ 管理監督者に該当するかどうかのポイント
          会社の規模、労務管理の状況、本人の職務権限、給与額などから
         @      労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある
         A      自己の出退勤について自由裁量権がある
         B      一定の範囲で労務管理上の指揮命令権を有している
         C     
報酬等を含めて地位にふさわしい待遇を得ている

     以上の点から、当該労働者は管理監督者に該当しないので、時間外手当不支給は
    労働基準法違反に該当

4.   私は(女性)全国に支店を有している医薬品会社の研究部門で働いているが、こ
   のたび名古屋から九州の研究所へ転勤することになった。現在は高蔵寺に
   住んでいるが、夫とも別居しなければならない。
   確かに就業規則には「業務上の必要があれば、転勤を命ずることができる」
   という規定があるがどうしたらよいか?

      ⇒    配転命令の行使要件
          @      労働契約による制限
                職種の限定があったか、勤務地の限定があったか
          A      権利濫用法理による制限
                業務上の必要性、業務命令とは別の不当な動機、目的があった
                労働者の職業上、生活上の不利益
        →判例は配転命令権を広く認める傾向にあるので、当該権利濫用を争う場合は         、異議を留めていったん配転に応じ、その後配転命令権を争うことが必要

5.  定年退職後、1年契約の嘱託として再雇用された。契約を何回か更新してゆく場合  、有給休暇はどのように付与されるのか?

       ⇒ 1年の期間の定めのある労働契約が毎年更新され、引き続き雇用関係が継続して
       いる場合には、
労働基準法39条の適用の上では「継続勤務」したもの      と解される
       また、未消化の年次有給休暇があれば、翌年度に繰り越しが可能。
     →したがって、定年退職後相当期間経過後再雇用されてから
6か月間継続勤務し、
      全労働日の
8割以上出勤した場合、10日付与となるが以降の付与日数は労働基準法          392項が適用される。
     *定年退職後すぐに再雇用された場合は、
6か月の経過を待たず、また定年までの
      勤務年数も含めて付与日数が決定される。

       
継続勤務については厚生労働省の通達あり
       (昭和
63314日基発150号)

6.   学校法人に法学担当の専任職員として採用された際、履歴書に前任の学校で
  「講師」であった旨記載したが、その後当該学校法人が短大設立時に採用された   際には「助教授」と記載した。
   平成
17年に教授昇任に係る審査において私の経歴詐称が問題とされ、就業規則   所定の「職務に必要な適格性を欠く」に該当するとして解雇された。


      ⇒ 不実記載を理由に適格性の有無を判断する考慮要素
        形式面の重要性、当該不実記載の内容、程度、実際の本人の職務遂行能力、素質、
      不実記載を行った経緯、当該不実記載により使用者が被った被害、
      
真実が告知されたら採用しなかったであろう重大な経歴詐称に当たるなど、
       → 今回の不実記載は、軽率のそしりを免れないが、その影響を考えると、被採用者       に特段悪意が認められず、その職務遂行能力に影響はなく、これにより学校法人       が採用すべきでない人を採用し、そのため被害をこうむった事情も一切認められ       ない。
       したがって、「職務の適格性を欠く」の理由はなく解雇は無効
       と考えられる。


7.   私は(女性)事務員として会社に勤めているが、私の上司が何度も身体を触った   り強引に食事に誘ったりして大変苦痛である。総務部長に相談をしたが取り合
   ってもらえず、上司にも止めてほしいと何度も言ったが相手にされなかった。   結局会社を自分から退職したが何らかの補償はしてもらえるのだろうか?


       ⇒ 事業主は、職場において行われる性的な言動に対し、その雇用する女性労働者の
       対応により、当該女性労働者が
    
1.その労働条件につき不利益を受け(対価型)、又は当該性的な言動により
      当該女性労働者の 
    
2
.就業環境が害される(環境型)、ことのないよう雇用管理上必要な配慮を
      しなければならない。

        *セクシャルハラスメントの判断は、
       「平均的な女性労働者の感じ方」を基準とする

          女性労働者が意に反していると意思表示しているにもかかわらず、さらに継続
       すれば、セクシャルハラスメントと判断される。

         →したがって、職場復帰の希望もまたは退職して和解金を要求することも可能と
        考える。

8.   年次有給休暇を会社の指定した3日前までに申請してとったが、給料日に明細を   見たら皆勤手当がカットされていた。就業規則通り年休を行使しただけで、他
   に遅刻、早退、欠勤などは全くないのにどうしてカットされるのか
   わからない。皆勤手当は支給されないのか?

      ⇒ 昭和634月に改正施行された労働基準法施行附則136
     「年次有給休暇取得に関し、不利益な取り扱いをしないように
     しなければならない
」旨が規定されている。
      したがって、賃金の減額(当該皆勤手当のカット等)、賞与の算定等について
      不利益な取扱いをすると労働基準法に違反することになる。
 
    →使用者はすぐに当該手当を支給しなければならない。




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