エコキュートを買う前に
エコキュートは本当に”経済的にお得”で、静かなのか
"科学的"知見の欺瞞 12/12
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2008/12/26
グダグダとエコキュートの騒音とか減価償却などという面倒な視点から述べていたのだが、もっと基本的な「工場出荷時の機器の設定」では従来型のガス機器に比較してほとんど省エネ効果が少ない無いと言うエコキュートにとっては、尤もエコなる点で詐欺に近いような問題があることが報道された。
建築ジャーナル5月号で“「エコ」と低周波音被害”が特集された。低周波音問題に係わって以来、建築雑誌に低周波音問題が掲載されたのは初めてのような気がする。少なくとも”エコキュートバンザイ”の中、エコキュートにマイナスな部分である低周波音問題が業界紙に採り上げられたのは初めてではなかろうか。
P.4.5にはエコキュート被害者の現場に数多く赴いて現地測定をしている低周波音症候群被害者の会臨時代表の窪田氏の活動が紹介されている。
エコキュートそのもの自体に問題があるのか、設置方法、場所に問題が有るのかとなると一概には断言はできないが、私が知る限りの被害の訴えでは、特定メーカーに片寄っているわけではないようなので、ひとまずは少なくとも、「設置場所に問題が有る」ように思われる。
こうした現状に対して、電力会社は、オール電化にしてくれれば、ガスからの移行が図れるわけで、個人の電力使用量などたかが知れたモノであるが、塵も積もれば山となるわけで、つまりは電力の販売が増えるので、ひとまずは宣伝の旗頭とならざるを得ない。しかし、実際の業務は、業者に「全てお任せ」で、「具体的には知ーらない」を通していることは、これまでも解っていたのだが、電力各社へのアンケートにより明白となった。
一方、メーカーに対して、10社にアンケートを送付したモノの、回答があったのは三菱電機、ダイキン工業の2社なのだが、三菱は「因果関係は確認できていない」、ダイキンは「暗騒音に対して、大きな音圧レベル差は認められません」と低周波音問題に於ける”お決まりの如き回答”をしている。
詰まるところ、エコキュートの低周波音問題に関して、メーカーにはそれなりの情報は有るようだが、そういったモノが一切出てこないところをみると、どうも、単なる、「一部”苦情者”の戯言」として、メーカー内で完全に握りつぶされているような気がする。それは、電力会社はいずれも「健康被害について報告はない」としているが、環境省の”自治体からの低周波音問題の報告は無い”と同じようなモノであろう。
で、エコキュート被害者は、無駄に終わるかも知れないが、電力会社に「報告はない」などと言わせないためには、何はともあれ、ひとまずは電力会社にも「エコキュートで健康被害がある」と言うことを報告しておくことが必要であると切に思う今日この頃である。しかし、握りつぶすであろうから、自治体にも言っておくことが必要であろう。
企業的には、いや行政的にも、「(事業者に言い、行政にも伝えて、”領収書”でも取っておく様な)クレームが無ければ、問題は無い」と言うことなのである。
2010/04/05
日経新聞のに”省エネ給湯器トラブル多発、「今日だけ割引」「工事代無料」、710万円契約事例も。”としてエコキュートの訪問販売に関する記事が載ったのだが、これは名古屋地方の夕刊だけだったようである。
本当に一時期電話での勧誘が週に1回は有った時期があった。これがなかなか手が込んでいて、最初はよく解らないような名前の会社を言うのでついつい答えしまうと、セールストークに乗せられてしまうことになる。その内、会社の名前を聞いただけで、最初からエコキュートかソーラーか解るようになるので、こっちから「エコキュート、ソーラー?」と聞いて「要らないよ」と答える様になると直ぐに終わる。しかし、どこかから名簿が回っているのか会社が変わって電話をしてくる。その内怒りが爆発するようになる。しかし、これで実際には多くの人が泣かされていることが記事で解る。
それにしても、記事には「エコキュート」と出てくるのだが、見出しには、「省エネ給湯器」とか「ヒートポンプ給湯器」などと「エコキュート」と言う名前を出さないのは特定の商品名?と言うことなの。それとも国の補助金制度対象の”エコキュート自体”は悪者でなくあくまで業者が悪者と言うことなのかな。
この仕組みは風車も補助金を出す国も、時とすれば事業者も今のところ誰も悪くない風車問題と同じ様に思うのだが。
2010/09/12 ウトウトしていたら7時のNHKニュースで「効率の良い湯沸かし器…」との声で目が覚めた。後半は見たが前半は寝ていたようだ。岡田さんがコメントをしていた。
しかし、これからすると、業界も環境省も「エコキュートの被害など聞いていない」とこれまで言っていたが、それはまるっとウソだったの? まー、まるっきり遅きに失したが、ひとまずはよい方向に向かったと言うことだ。それにしても、現在設置されて、実際に問題になっている分はどうなるのだ。これは風車騒音問題についても言えることだが。以下はネットのNHKの記事から。
湯沸かし器の音に苦情 対策へ 2010/09/12 19時25分 NHKニュース
「エコキュート」などの名前で普及が進んでいるエネルギー効率の高い湯沸かし器をめぐり、設置した家の隣に住む人から「機械の音が夜通し聞こえて眠れない」といった苦情が相次いでいることがわかり、業界団体は設置方法に関するガイドラインを作って対策に乗り出すことになりました。
「エコキュート」などの名前で販売されている電気を使った湯沸かし器は、エネルギー効率が高いことから、地球温暖化対策の一環として国が補助金を出し、これまでに240万台以上が普及しています。一方で、エアコンの室外機に似た空気を圧縮する機械が夜も稼働するため、設置した家の隣に住む人などから「低い音が聞こえて眠れない」といった苦情が相次いでいました。業界団体が国の要請を受けて実験をしたところ、隣の家との距離が近く、左右が囲われたような場所に設置した場合は、隣の家の中でも騒音レベルが32デシベルと、人によってはうるさいと感じる程度になることがわかりました。これを受けて、業界団体は、騒音被害が生じないよう、▽設置場所を事前によく検討するほか、▽振動が起きないようコンクリートの上に据え付けるなどとするガイドラインを来年春をめどに設けることを決めました。エコキュートなどをめぐっては、人には聞こえにくい低周波音による被害もあるという指摘があり、環境省が低周波音の人への影響について今年度から調査を始めることにしています。
エコキュートについては「経済性と低騒音」が売り物で、これについては既に拙文「"科学的"知見の欺瞞 静音化、低騒音そして参照値 エコキュートは本当に経済的で静かなのか」で述べたように、長期的に見れば決して経済的ではないし、低騒音=静音についてもその問題点について指摘したので詳しくはここでは述べない。なお、08/12 当初の設定を変えないとエコキュートは経済的でないことが報道されている。
昨今、エコキュートとソーラーの電話や訪問販売などの営業が当地では激しい。訪問販売の中には「”ウニャウニャ”ですが、電気設備の調査、点検でお話ししたい(orご説明したいor調査したい)ので、玄関まで出ていただきたい」などと言うような、とにかく直接会いたがる営業が増えている。
一方、我が家はCATVなのだが、「今度そちらの地域ではアナログからデジタルに切り替わることになりました。つきましてはブースターを交換したいのですが、ご都合の良い日を…」などと、有無を言わさずアナログからデジタルに切り替えさせようとする様な営業をする。これは多分、”外部の業者に出来高制で依頼”しているのだろうが、このようにして、「国策」は進められていくのであろう。(確かにデジタルの画面は綺麗で慣れてしまうともう二度とアナログには戻れない。)
原発事故以後エコキュートの宣伝はパッタリと止んでしまったが、実はそれ以前から「エコキュートは床暖房ができない」というリッチ世帯にとっては決定的な弱点が有ることが知られていたらしい。確かに当日の夕方から夜間の温水最大必要時の為に温水を溜め置く様なコンセプトは、暖房必要時に常時温水を給湯するような床暖房の様なコンセプトは対応が難しい事になろう。
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最後まで読んでくれてありがとう。
関連ページ
141219消費者事故調は「エコキュートの騒音(=低周波音)は人間の健康に被害を与える「可能性」が有る」との報告書をだしました。