風力発電騒音とエコキュート騒音 7/7
新しい低周波音被害
9.(超)低周波被害者に救いはあるか
苦しみの中から、自らの生活を守るために、複数の被害者が、××××と言われるかも知れない危険を冒し、なおかつ、多大な労力を費やし、苦しみを訴えている現実を究極的に言えば、
@被害者の訴えは単なる「ウソ」か気のせいとするか、A「参照値が間違っている」かのいずれかとなる。
結論としては、新たなる風車やエコキュートの”騒音”は、そもそもが”聞こえないはずの音”の部分が多いので、聴覚閾値を基とする「聞こえる、聞こえない」判断を基とするこれまでの騒音や低周波音被害の理論(=参照値)(図3)を当てはめることはできない、と考える。仮に当てはめたとしても、まずほとんどにおいて「騒音源を撤去すべき」というような被害原因となるようなことはないであろう。
低周波音の苦しみの実体を知る私としては、「参照値」が間違っていることは明白で、風車やエコキュートの”騒音”は、「機器の設置と同時に被害が出る」と言う被害者の話しからすれば、それはこれまでの低周波被害を大幅に超える、「圧倒的な圧迫感を与える低周波・超低周波のエネルギーが発生されると推測する。即ち、「聞こえない部分(=ひとまずこれを低周波空気振動エネルギーとする)が圧倒的に大きいはずだ。
改めて低周波音問題を考えると、既に何度も述べているように、国が低周波音被害の問題究明・研究を理工学研究者、具体的に言えば「日本騒音制御工学会」と言う、専門分野に固執してしか物事が考えられず、尚かつ自らが導いた結論に拘泥する御用学会に一任してしまった事に全ての間違いが有る。まー、それが実に都合が良かっただけのことであろうが。
しかも、国はもちろん未だに低周波音問題を何ら解明することもなく、延々と”知見の収集と検討”を続けると公言しながらも、他の専門分野(例えば、医学界など)に何ら検証、検討などの委託(金をくれなければ学者はだれも研究しない。ましてや国の方針を害するような事を)をしていない事を考えれば、恐らくこうした状況を意図的に継続しているとしか考えざるを得ない。低周波音問題を行政的にあくまで黙殺し続けることが意図なのであろう。
※09/01/18の朝日新聞記事では「環境省は、…、風車と体調不良の関係をめぐる海外情報の収集を開始。風車の一部で低周波音の測定を始める」などしているがその担い手は恐らく「日本騒音制御工学会」所属の御用学者であるはずだから、現実の被害を認めるに繋がるような海外情報も測定結果が出てくるのを被害者が期待するのは糠喜びであろう。
※09/03/12、環境省サイトに「諸外国における風力発電施設から発生する騒音・低周波音に係る基準等の状況について(暫定版)」として、報道発表資料発表された。因に、ここで、国は”風車からの低周波音は人間の健康を害するほどでは無い”と結論している。
こういった考えからすれば低周波音問題は、極めて当初は別として、かなり当初から、技術工学的に解決が非常に困難であると科学的に予見された時点から、科学の問題ではなく、政治的、経済的な問題として扱われるようになり、仮に”正しい科学的知見”が有ったとしても、それらは黙殺され、正当に評価・認知されることは決して無いであろうと考えるべきであろう。
もし、万が一、低周波音問題に進展があるかもしれない、唯一可能性の有る悪魔的方法は「静かな騒音」である風力発電の風車による被害やエコキュートに代表される静音化された機器による被害者の「大いなる数的増加」と言う、「科学的理論ではない被害者の数の理論」で行政に訴えていくしか道はないであろう。
もちろん不幸にと言うべきであるが、風車による被害はこれまでの低周波音被害としては”全く例外”的に、一地域に被害者が複数人存在するようである。この事実からして、これまでの低周波音被害者に対して、「そんなことを言っているのはあなただけですよ」とか「あなたは低周波音過敏性」とか「老人性低周波耳鳴り」とかの個人の特異体質的=個人差として処理しうる問題では最早無くなり、行政=国家による低周波音被害者に対する口先だけの言いくるめや騙しは通用しない状況になっている。
そして、何よりも、「一定レベルの低周波空気振動エネルギーが有れば、それが例え、暗騒音(定在波)と音圧が同じ、or低くても、その波形(音色)が暗騒音(定在波)と異なるモノであれば、それを単なる物理的音圧としてでなく「異なる音色である音として聞き分ける能力がある人には被害が発生する可能性がある」と考えるべきである。
しかし、現今のように、聴覚閾値に基づく「参照値」が”公的に専横を振るう状態では、低周波音被害を訴える際には、決して、『低周波音で』苦しんでいる 1と言う事は言ってはいけない。その言葉はなまじっかの"専門家"に「参照値」による”足きり”でなく”首切りを”を容易に誘導させ、「聞こえない音で被害はない。あなたの気のせい」と言う、敵の術中嵌ることになるからである。
即ち、「参照値」が低周波音被害を黙殺する”ツール”であるならば、被害者としては如何にしてそのツールを使わせないかを考えるべきで、その手段の一つは「参照値」を低周波音被害者が事に当たり”黙殺”する方策である。
決して、”「参照値」に照らして問題無い”などと行政や"専門家"に言わせないためには、「低周波音による被害」等と言う言葉は決して口にしてはいけない。何故なら、”彼らの理論”では、”現実に存在するような低周波音では人間に被害は生じないはず”であり、”私”のこの低周波音症候群的苦しみは、決して風車やエコキュートの低周波音が原因ではなく、必ず他に何か原因があるはずで、それをむしろ"専門家"達に探させるべきなのである。(※「100Hz以上の可聴域騒音に問題が有る」という論を述べ始めている専門家もいるが、それなら風車の改良で直るはずである。)
とにかく、専門家に低周波音被害の原因を低周波音以外に見つけていただき、それを除く方策を考えていただくまで、被害者は単に、我が身に生じている厳たる事実である健康被害を綿々と訴えるべきである。もちろん医学的検査では確たるモノは判明しないはずであるが…。とにかく、無駄金となるかも知れないがひとまずは、あなたの健康被害を綿々と書き連ねた複数の医師や病院の診断書を積み上げて置くしかない。
もちろんあなたの健康被害の訴えは歴然たる事実であるから何ら臆するところはない。そうすることにより、それらを集団的詐病とするか、あるいは、ヒョッとして、これまで全く無関心であった医学界から医師の一人くらい、興味を持って、奇病としてくれるかも知れないし、もちろん理工学者の一人くらい低周波音ではない”身代わりの犯人”を見つけてくれるかもしれない。もちろん、それも一歩前進である。
なお、「低周波音」等と言う「音」と言う言葉を使う事自体のネーミングに騙され、「音なら何か聞こえるはず」と言う印象を一般的に与え、短絡的に「聞こえる、聞こえない問題」とされ、「参照値」のように「聞こえない音では音の被害は無い!」等と言う極めて安易な非科学的な理論に騙されてしまう。
従って、当サイトでは、低周波騒音被害の犯人は単に聞こえる音(騒音)ではなく、”犯人グループ”は、聞こえる(=可聴域音=騒音)、聞こえない(=「参照値」以下)は関係ない、それらの総体である空気振動の総エネルギー量と考える。
当サイトでは、今後、昭和六十年度に出された「低周波空気振動防止対策事例集」等で言うように、(実はこれを境に「低周波空気振動」という言葉は「公的には消え」、低周波音と言う言葉にとって替わられるのだが)、これまでの、低周波音被害は本来的には「(超)低周波空気振動被害」という言葉の方が本来の姿を表していると考え、これまで低周波音として一括りにして述べてきたが、今後これらの言葉は(超)低周波空気振動として述べていきたい。
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