私の『東北の旅行記』では省略していたのですが、宮古から北上高地を横断して盛岡へ辿り着くまでと、盛岡から東北自動車道に入って仙台に至る途中、何度も『やませ』に襲われ、霧や小雨が発生して視界を遮られていました。たまたまバスにての移動中だったので、実害はありませんでした。
急に車内が冷え込み、窓際の客が天井から吹き出す冷気の方向を窓側へ変え始めました。わがままな爺さんが『ガイドさん、運転手に冷房を切らせてよ』と叫びました。8月22日というのに気温が突然数度も低下し、肌寒い思いがしました。
その時、バスガイドは話題が出来たとばかりに『やませ』の解説を始めました。『やませとは、太平洋からの風が北上高地を乗り越えて、内陸部に吹きおりてくる冷たい風。その結果、内陸部の空気が冷やされ、霧が発生しやすく、場合によっては小雨となり、日光を遮断し冷害を誘発する嫌な風です』
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