風車問題は誰が責任を取るのか7

NEDO&産総研

月明のいづくか悪事なしをらむ  岸風三楼

7-1. 行政刷新会議の事業仕分けの結果、NEDO、産総研は同じ穴のムジナ

 繰り返しになるが、この章しか見ていない人のために、昨年の政権交代による行政刷新会議により、09/11/27事業仕分けの結果、幾つかの独立行政法人がやり玉に挙がったと言うより、素人的には、「へーそんなのがあるの、で、それがどうした?」と言った感じが素直なところで、実のところ、そうした組織が、一体全体具体的にどういったレベルの予算を使い、どういった内容の仕事をしているかなどと言うことは殆ど知らなかった。

そんな中で、低周波音や風力発電問題をウオッチしている者にとって以下の報道にはピクッと来た。

【独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、産業技術総合研究所の運営費交付金】要求額計1941億円に対し「見直し」と判定。仕分け人は、人件費や事務管理費が高いことを問題視。効率化のため両機関について組織統合を含めた検討をするよう求めた。NEDOには「天下りと、産業技術総合研究所への(研究費の)横流しの構造がある」との声も上がった。省エネ・リサイクル支援法債務保証基金については「見直し」とし、不要額全額の国庫への返納を要求した。

2009/11/27 21:50【共同通信】

詳しくは、行政刷新会議「事業仕分け」「第2WGの各評価者のコメント 事業番号2-72 独立行政法人B
(1)(独)産業技術総合研究所運営費交付金
(2)(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)運営費交付金
(3)NEDO省エネ・リサイクル法債務保証基金

 こう言ったことは“この業界“では、洗い直しさえすれば、直ぐに俎上に乗るような”常識“であったようだ。何も知らないのは一般人だけで、とは言え私もこれらの組織名は知っていても具体的な仕事の内容やましてやそれらの関係については何も知らないと言ってもよい。と言うよりこれらの組織の全仕事内容などは、そもそもそれぞれの専門性に於いて理解し得ないのが通常でもでもあろうが。それにしても名前を知っている組織が俎上に上げられていると知って改めて調べてみた。

 「独立行政法人 産業技術総合研究所」=産総研、低周波音問題的には、そもそも、「参照値」を創り出した本家本元であり、拙サイトでも低周波音問題をグダグダ述べていた頃から、“低周波音は聞こえない。聞こえないモノは人間に被害を与えないから大丈夫”などと言うろくでもない“参照値理論”を造り、それをタテに被害者は行政からも門前払いを喰い、一層非道い目に遭わされている」としばしば矛先を向けて来たところである。だが、実際はデータ収集の人体実験をしただけの理論か集団で、理論化したのは、日本騒音制御工学会であるようで、それを政治的に意図として利用しようとしたのは環境省であるといういつもの構図である。

最近では「参照値」見直し試験に風車騒音被害者が聴感テストに出向いた場所でもあるが、こことNEDO“同じ穴のムジナ”であると言うのは言われてみれば業務内容的には確かにそうだわ!と解ることなのかもしれないが、事を知る関係者からすれば、今更何を当たり前の事を、…、と言った程度の事なのだろう。が、素人にはそうそうは解ることではなく、今回の報道で、やっと、“産総研にはNEDOの予算が横流しされていた”らしいと言うことを知ったはずだ。従って、NEDOが招いた風車騒音問題に産総研が協力・協働するのは当たり前なのであろう。

 一方、NEDOは「風車は350m離せば大丈夫!等と言う、ろくでもないガイドブックを造ったところ」であり、挙げ句に、風車建設に政府から出る1/3の交付金の申請・交付窓口も兼ねていたとあっては、風車被害者からすれば、新エネルギー問題の国の元締めであるエネ庁、事業者、NEDOは「風車三悪人」で有るわけだ。

本来NEDOは、「日本の産業技術とエネルギー・環境技術及びその普及を推進する日本最大規模の中核的な研究実施機関」として存在しているのであり、そもそもが、下々の風車苦情者の苦情等を一々受け付ける窓口などではないのである。

しかし、新エネルギーの交付金事業をエネ庁から“請け負うと言うか委嘱”されており、NEDOの総事業において金額的に占める割合は大きいが、事業内容的にはホンのささやかな部分であり、正直、見かけの予算の多さだけで何時までも“風車苦情者の文句”に付き合っては居られないとばかりに、補助金の窓口は2009/9から「一般社団法人 新エネルギー導入促進協議会」(名前が実に長い。NEDOの人間も何度も言いよどんでいた。以降「新エネ協」)なる組織にスッパリと替わった。

と言うことからすると、新エネ協は恐らく風車交付金の完全に単なる受付窓口に過ぎず、風車被害者の苦情も単に受け付けるだけは受け付けるだけで、何の対処もとらない典型的な窓口業務だけで、いわゆる“蛙の面に…“ではなかろうかと思われる。


7-2 独立行政法人、社団・財団法人

そもそも「独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO」、「独立行政法人 産業技術総合研究所」、財団法人 新エネルギー財団(nef」、「一般社団法人 新エネルギー導入促進協議会」など高級官僚の天下り先となっているこれらの独立行政法人、社団、財団とはどう言ったモノなのだろうか。何となく知っているような気もするが少し整理してみよう。

独立行政法人(どくりつぎょうせいほうじん)とは、法人のうち、日本の独立行政法人通則法2条第1項に規定される「国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律及び個別法の定めるところにより設立される法人」をいう。

日本の行政機関である省庁から独立した法人組織であって、かつ行政の一端を担い公共の見地から事務や国家の事業を実施し、国民生活の安定と社会および経済の健全な発展に役立つもの[1]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%AC%E7%AB%8B%E8%A1%8C%E6%94%BF%E6%B3%95%E4%BA%BA

社団法人(しゃだんほうじん)とは、一定の目的で構成員(社員)が結合した団体(社団)のうち、法律により法人格が認められ権利義務の主体となるもの(法人)をいう。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E5%9B%A3%E6%B3%95%E4%BA%BA

財団法人(ざいだんほうじん)とは、ある特定の個人(大手企業の創業者や皇族が多い)や企業などの法人から拠出された財産(基本財産)で設立され、これによる運用益である金利などを主要な事業原資として運営する法人である。法人格を付与された財団のこと。簡略表記は(財)

200811までは公益目的の財団法人のみであったが、公益法人制度改革に伴い、200812より公益目的でなくとも非営利目的であれば一般財団法人を設立できるようになった。また以前の財団法人も所管機関での手続きを経て一般財団法人へと移行できることとなった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%A1%E5%9B%A3%E6%B3%95%E4%BA%BA

公益法人制度改革により、一般社団・財団法人法が2008121日に施行され、財団、社団は似たようなモノになってしまったような気がするが、こうすることにより法人側には何かメリットが有るのかもしれないが…。 

 と言うことで、一番大きな違いは、独立行政法人は国の息がかかっているが、「…団法人」は一応国の息はかかってはいない、と言うことでは無かろうか。即ち、「…団法人」はあくまで一応民間の組織と言うことであろう。


7-3 天下り

 独立行政法人と言うと今や昔の「国立大学」なんかを連想するが、そうそう問題になる事はなく、問題なのは各省が所管する、以前、国立「…所」「…機構」「…センター」とか、言われたところであろう、等と暢気なことを考えていたら、これが大間違いで、Wikipediaの「国立大学の法人化の問題点」に依れば、

国立大学の法人化に際して国からの支援が縮小されることや、運営に国の干渉が強まることが懸念されていたが、現在問題になっている点は次の通りである。

研究費調達は各大学の自助努力が求められるようになったため、寄付を募るなど運営が私立大学に近いものになってきている。

毎年政府から交付される運営費交付金は、毎年、前年度比1%削減という効率化係数が適用されて、漸減することとなっている。したがって、必要な人数の教員や職員を確保できない事態が発生している

これは、国立大学の特徴である少人数教育を年々困難にしつつある(例えば教職・学芸員科目以外における非常勤講師の一斉採用停止など)。このため大学によっては、特に文科系において教員が抜けた場合に補充が行われないという事態が起こり、大学カリキュラムに歪みが発生している。これに伴い、一部では専攻閉鎖等も危ぶまれている。

法人化により一斉に新設された「理事」に、ほぼ例外なく文部科学省の職員が出向している。したがって、法人化は文科官僚のポジション増設になっているとの批判があるうえ、国立大学の理事から理事へとわたりが行なわれていることも指摘されている。また、中期目標の作成、評価制度の施行により、むしろ文部科学省による各大学への関与は増大しているとの見方もある。すなわち、国立と民間の悪いところ取りをした制度との見方もある。

と言うことで、とかく、改正、改革で改善されることは少ないようである。

一般の独立行政法人での「長」は天下りであれば、それが文系、理系に関わらず所詮元公務員である訳で、所管官庁からそこへの移転は、天下りと言うより、民間で言えば単に「子会社の社長・役員としての転出」くらいに考えれば、良くある話しで、ああだこうだ言う筋合いのモノではないはずだが、問題なのは、それが普通の公務員としては定年を迎えたはずの人物が、単に高級官僚と言うだけで、もちろんこれは決定的な事ではあるが、スッポリと「理事長」になっているとか、その「理事長」を短い期間で終え、次々と「理事長」を渡り歩き、その度にガッポリ退職金をもらったりしているから問題なのであろう。

しかし、所管官庁がある限り、各独立行政法人は所管官庁との連携は必須であり、ましてやついこの間までそこの“親分”だった人間が所管官庁との折衝に当たれば、独立行政法人としてはこの上なく都合が良いはずなのだが、所管官庁の長としては、折角、外へ行ってからも親分風を吹かされたらい、挙げ句に何人も親分がいては堪ったモノではないのかも知れない。

しかし、“天下り長“は例え、行政的な“親分”としての地位は失っても、それなりに子分も居て、元居たところにも影響力が有るのだから、一般人としては、一つぐらい理事長をやったら、もう大人しくすればいいのでは等と思うのはやはり下々の考えで、それなりの地位に天下れるような高級官僚は「あの役人として過ごした40年間を、民間で過ごしていれば豪邸の一つや二つは造れ、遙かに裕福な生活が出来たに違いない」と、それまで振り回してきた権力の満喫さを忘れて、単純に裕福さに思いが行くモノらしく、その裕福さを公務員退職後の数年間で民間との帳尻を合わせようとするらしい高級官僚が多いと昔聞いた。となれば、渡りの一つや二つやったところで当たり前なのであろう。

 

例えば、現在NEDO理事長の村田成二氏の経歴を見れば、素人目にも、「ごもっともあなたこそ“ミスター.エネルギー”と思ってしまう。と言うことはこの人の歩んできた道を考えればNEDOの理事長への天下りは通産官僚の花道の一つなのであろう。もちろん、経産省所管の独立行政法人は11有るが、その中で、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が一番の花道なのかどうかは知らないが、因みに前理事長も「元通商産業事務次官」であるところを見ると一番の花道なのかも知れない。

それにしてもNEDOには退職公務員等の状況などと言うページがあるのだから流石天下りの殿堂、堂々としたモノだ。


7-4 NEDOの“勝手具合”

09/11の行政刷新会議の事業仕分けの中で、運営費交付金要求額計1,941億円”に対し、人件費や事務管理費が高いこと、天下りと、産業技術総合研究所への(研究費の)横流しの構造があることを問題視し、「見直し」と判定した。“

因みにNEDOの収入で大きな割合を占めるのは平成20年度では、運営費交付金収入154,825,773,000(1,548)と、補助金等収入54,745,053,831(547)なのだが、言うまでもなくこれらは全て国からNEDOに交付されるモノである。

補助金等収入は、民間事業等への補助金(風車への補助金もこれにはいるのかな)として出て行ってしまうので、通り過ぎるだけで、実際にNEDO内で消費されるのは運営費交付金収入なのだが、“このところ家計が苦しいので393億円上乗してちょうだい”と要求したのだが、「見直せ」と判定されたわけだ。

素人的には元々の金額が多いのか、今回の上乗せが多いのか判らないが、この“金縮“の時期に(1941-1548)÷1548=0.258…、実に25%強増しの上乗せ要求は難しかろう。もちろん削減されることを前提にしての増額申請なのかも知れないが…。

一応蛇足なのだが、NEDOの平成17年度と19年度のキャッシュフロー計算書、即ち、家計簿を比べてみると、ここ数年で、預金や債券を取り崩し、運営していることが明らかである。翌年への繰り越し金額がドンドン減って、等々1割に以下になっているのが解る。

まー、こういった時に為に預金等は有るのであろうが、そもそもこういった組織が多くの預金を持っていると言うことの方が不思議だが、それでも尚かつ、期末残高は黒字なんだから、ゼロ・ベイスで見ればまだまだ大丈夫のはず。しかし、こういった所の期末残高という言うのがいわゆる「埋蔵金」と言う奴なのかな。


7-5独立行政法人産業技術総合研究所(産総研 AIST)

「独立行政法人産業技術総合研究所」と独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)」は名前が長くて似ていて居る雰囲気で、始めの頃は同じモノかと思っていたのだが、全く別物であると知ったのは実は風力発電問題が出てきてからだ。でも、やはり、全く別物ではなく金銭的には横流しを受けるほどの中だったのだ。

産総研と言えば、「参照値」を創った張本人と言うことで、低周波音問題的には“悪役”扱いだが、まー、そもそもはデータの収集をしただけで、それをまとめたのは特定の個人で、尚かつそれを“法律”的に運用(利用)したのは環境省であるから、産総研の技術者には罪はないと言いたいところだが、「産総研Q&A」のおける私たちの暮らしと産総研を結びつけるものは何ですか?という問に対して、

誰にでも馴染み深いものを1つご紹介しましょう。私たちが普段使っている定規やはかりなどの計測機器は、産総研内にある特殊な装置や、“原器”と呼ばれる標準となる物質を基準に作られています。例えば重さは“キログラム原器”と呼ばれる円筒形の金属を1キログラムとし、その原器を基準にすべてのはかりが作られます。つまり、日本製の定規やはかりのルーツをたどっていくと、最後は産総研に行き当たるのです。

 とある。そうなんですね。つまり、「日本製の(科学技術的なモノ)…のルーツをたどっていくと、最後は産総研に行き当たるのです」と自らが自白してしまっているのである。そして、産総研の制作物の最大の問題は、そもそもがあくまでテクノロジー的なモノであり、人間を生き物の人間として見なし、取り扱うのでなく、あくまで、「人間工学的に評価」するのである。と言うことで、「参照値」も詰まるところは産総研の産物と言うことになってしまう。その「定規」の使い方に問題があるなら、産総研自らが「そうした”参照値”の使用法は間違っている」と、もっと早めに必要に応じて一々クレームを出すべきで出逢ったのではないか。

因みに「参照値」作成者の一人とされる方は現在このような研究をされているようだ。


7-7 取引業者の皆様へ 適切な取引のためのご協力のお願いについて

 平成20年9月26日付けで独立行政法人産業技術総合研究所 副理事長 小野晃「「取引業者の皆様」という文書が出されている。原文は参照していただくとして、中々に奇妙な文だ。それを奇妙と思わないところが、こうした組織の人間は、ある意味鳩山兄と似ている。と言うことで、さほど長くない文だから掲載するが、

 

平成20年9月26日

取引業者の皆様

独立行政法人産業技術総合研究所

副理事長 小野 晃

適切な取引のためのご協力のお願いについて

拝啓 貴社におかれましては益々御清栄のこととお慶び申し上げます。

産総研は平成20年4月18日に公表しました「産総研における不適切な手続きによる支出等について」を踏まえ、同様の不適切な手続による支出がないか全職員及び主要な関係取引業者の方々に調査を行った結果を平成20年7月4日に公表し、関係した研究者及びこれらの者を管理監督すべき立場にあった者の処分を行うとともに、取引業者に対しても指名停止措置を行いました。

具体的な「不適切な手続」とは、

@研究用消耗品等の納入後に発注等の手続きを実施

A発注とは異なる研究用消耗品等の納入

B契約変更等の手続きを行わず年度を越えて研究用消耗品等を納入

というものです。

研究費の適正な管理及び使用が求められている中で、産総研ではその確保に向けた取り組みを進め、職員等への周知徹底を図ってきたところですが、このような事態を招きましたことは大変残念であり、再発防止のために必要な対応を行う所存です。

取引業者の皆様におかれましては、上記のような不適切な手続きによる取引が生じると懸念される場合には、同封いたしました調達担当部署へ速やかにご連絡を頂きますよう、適切な取引の実施へのご協力をお願いいたします。

敬具

 念のため、終わりの文の下線は原文の通り。かいつまむまでもないが、要は、職員の中にも「不適切な手続」をした者が居たし、これからも居るかもしれないが、その時には、“取引業者の皆様、当研究所の職員の「不適切な手続」を、どうかチクッてください”、と言う内容なのだ。

そもそもがこうした場合の「不適切な手続」と言うのはどちらが言い出しっぺにしろ一方だけで成立するモノではない。あくまで、合意の元に依るモノである。どちらかと言えば、「取引業者の皆様」の方が、言い出しっぺのような気がすると言うのが一般人の考えだが、ここは“そう”ではないのかも知れない。


7-8 AISTの“勝手具合”

 “NEDOからの研究費の横流しの構造がある”とされるAISTが中々にせこせこと研究者がしなくてはならないのかは、単にカネが欲しいのではなく矢張り研究費が少ないのではないかと、AISTの平成17年度と19年度のキャッシュフローを比較してみると、研究業務支出は31,686,687,114円から26,939,446,646円と47億円18%ほど減っているが、その間の人件費は44,319,459,278円から46,416,616,324円は20億円5%ほど増えているに過ぎない。これを定昇分と見なせば、すなわち、これは研究費がケチられているという証拠では無かろうか。
 ここで、NEDOAISTの収支のメインの部分を平成20年度分で比較してみるとおもしろいことが解る。業務形態や内容が違うであろうから単純に比較することに意味はないのかも知れないが、
@NEDOAIST10倍のカネをばらまく。A人件費を見るとAISTの職員数はNEDO3倍であるに過ぎないが給料はNEDO7倍。卑しく、因みに一人当たりを計算してみるとNEDO780万円、AIST1540万円である※。一概には言えないが、AISTNEDOの凡そ2倍の年俸をもらっていると言うことになろう。これは研究員が多いからであろうか。
BそれにしてもNEDO2662億円と言うAISTの約10倍のカネをばらまくのである。なんやかんやと有象無象が寄ってくるのも当然である。こうしたことは長い間他人のカネ(=税金)をばらまいていた人でなくは出来るモノではない。依って監督官庁の長たる様な人が理事長として最適で、また同時に最終責任を取る適任者のはずなのだが、万が一問題が生じた時のために、問題の発生時点を特定できないように、また、それ故に責任を取らなくて済むようにドンドン“渡り”をしていくのであろう。因みに、AISTの理事長は“金額“が小さい(=権力が小さい)のか、民間人である。

NEDO

AIST

原材料、商品又はサービスの購入による支出

-266,241,042,789

研究業務支出

26,939,446,646

人件費支出

-7,801,229,061

人件費支出

46,416,616,324

運営費交付金収入

154,825,773,000

運営費交付金収入

65,682,368,000

補助金等収入

54,745,053,831

補助金等収入

69,477,620

職員数

約 1000人

職員数

※約3000人

一人当たり年俸(※人件費支出÷職員数)

7,801,229

一人当たり年俸

15,472,205

7-9 NEDO、AISTの行方

 いずれにしても、行政刷新会議「事業仕分け」「第2WGの各評価者のコメントでは、
● 管理人件費の引き下げによる経費削減を行うべき。企業負担・知的所有権の活用による収入増など、収入確保を図る必要がある。
● 役員報酬の抑制。減資が必要(1 年以内)。これまでの事業仕分けの結果を反映して交付金を削減すべき。
● 人件費5%削減。余剰資産は国庫返納。
● 役員報酬の引き下げ。関連公益法人との取引の更なる透明化。
● 1,300 億円もの予算が要求されているのに明確な実現目標が示されていない。

 などと誠にごもっともで、勿論、業界や国や学術的には多いに役立っているのであろうが、一般人的には殆ど繋がりはなく、頼みに頼み込むと低周波騒音被害の調査に来てくれるらしいが、一般的に何か眼に見えて役に立つ様なことをしている気配がない。少なくとも少なくはない税金を使っているのだから、最先端の技術の恩恵を、例えば、研究中の低周波音の人体へ健康への影響くらいについては、風車被害者の現場に出向いて測定は出来ないモノなのか。

●威張っている方の「NEDOを通じた技術開発は抜本的に見直すべき」で、将来的に「産総研に統合する」としている。

 しかし、これらのことはそれらの現場に居る人たちからは「政府による予算編成作業や独法の抜本的見直しが行われることとなるが、科学技術予算や運営費交付金の削減を目的とする機械的な見直しや職場の実態、役割等を無視した組織・業務の抜本見直しには強く反対する。」と言うことになるのであろう。


 いずれにしても、「行政刷新会議「事業仕分け」第2WG 評価コメントのとりまとめコメント」において、

((独)産業技術総合研究所運営費交付金)、((独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)運営費交付金)の二つの独法については、両法人のあり方、役割、そもそも二つある必要があるのかということまで含めて組織のあり方を抜本的に見直していただきたい。特に、人件費、間接部門、事務部門の費用が多すぎるのではないかという問題があるので、業務のあり方を抜本的に見直すことによってより良い研究ができるようにしていただきたい。

と結論されてしまった。




風車問題はだれが責任を取るのか8
新エネルギー導入促進協議会&新エネルギー財団(nef)&国策


最後まで読んでくれて有難う

100320


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