風車問題は誰が責任を取るのか8

新エネルギー導入促進協議会&新エネルギー財団(nef)&国策

8-1.一般社団法人 新エネルギー導入促進協議会

NEDOのHPに依れば、本来の業務は、「新エネルギー技術分野」に関してのみであるのだが、その普及にはやはり技術と金がセットで有る必要がり、補助金交付の“お世話”もしたのであろう。従って、その後、就中、NEDOの助成で造られた風車による苦情などのお相手をしているのは本来のお仕事ではなく、風車騒音被害者の苦情などいつまでも一々聞いてはいられないとばかりに、風車に限らず新エネルギー導入の補助金申請・交付の窓口は2009/9から「一般社団法人 新エネルギー導入促進協議会」(以降「新エネ協」と言う)、実に名前の長い組織にスッパリと移った。

一般社団法人 新エネルギー導入促進協議会のHPを見てみると主な事業は以下のようである。

新エネルギー等の導入普及にかかる普及啓発及び情報提供
新エネルギー等の導入普及にかかる指導、助言その他の支援
新エネルギー等の導入促進のための調査研究
以上の事業に付帯又は関連する事業

以上から解るように新エネルギーの「導入普及」即ち、「造らせるor造っていただく」までが事業であり、交付金を支給した後のこと、例えば、風車による被害の苦情処理の様なことは「業務」とはしていないのである。そして、さらに、以下に見るようにここには5人の役員はいるが、独自の専属の社員はどうもこの組織には居ない様である。

役員 (平成2181日現在)

代表理事

石谷 久

 

 

理事

秋田 徹

社団法人 日本電機工業会 常務理事

明電舎 バイオマス

理事

石坂 清

社団法人 日本機械工業連合会 常務理事

 

理事

高見 佳宏

電気事業連合会 技術開発部長

中国電力

理事

山田 明彦

財団法人 新エネルギー財団 常務理事

 

監事

佐藤 憲一

財団法人 エネルギー総合工学研究所 常務理事

 

社員名簿 (平成2181日現在)

財団法人 エネルギー総合工学研究所
財団法人 新エネルギー財団、社団法人
ソーラーシステム振興協会、
電気事業連合会、社団法人
日本機械工業連合会、
社団法人 日本電機工業会

理事の方々が電話番やコピー取りをするはずもない単なる「肩書き」なのだろうから、想像するに、「社員」は全て「名簿」にみる“その筋の業界”の組織の「社員」が派遣されるか、兼務しているのではなかろうか。即ち、新エネルギー(風力、太陽光、太陽熱、バイオマス、雪氷熱利用、水力、地熱、更には燃料電池等)関係の担当者はそれぞれの「法人」のどこかに所属しており、電話でも来たらそのどこかの担当者に電話を回すか、面倒なら、「担当者は居ない」とか、直に用事があるなら「新エネ協に担当者が来るときに来い」と言うことになっているのではなかろうか。

とすれば、「新エネ協」は補助金受付、交付時だけのための単なる「受付窓口」に過ぎず、仮に風車被害者が苦情を言ってみても「はい、はい、担当者が居ませんので、居るときに電話してください」等と言うことで、何の対処もとらない、いわゆる“蛙の面に…“ではなかろうか。

と言ったようなことを思いながら眺めていたら、なんと、一般人でも解りそうに如何に風車が儲かるか!を宣伝しまくっている”別のガイドブック“が見つかった!


8-2.財団法人 新エネルギー財団(nef

そのガイドブックというのは、財団法人 新エネルギー財団(nef新エネルギー産業会議 風力委員会」によって作られている、風力発電に関するQ&A集」(以降「Q&A集」)と言うモノである

ザッと見て、まー、簡単に言えば、NEDOのガイドブックが技術的」とすれば、nefのQ&A集は経営的」側面から見ている。ズバリまとめて言えば、「風車は如何に経済的で有るにも拘わらず日本では普及していない。儲けたいなら風車を建てなさい。」と言うことが素人さんにもとても解りやすく述べられている。一番のウリは、ズバリ、

3.9 風力発電の採算性

Q.風車は儲かるのですか?

A.事業性がある場合に建設するのが前提です。事前にいろんな手順を踏んで事業性を判断し、事業性があると判断できれば事業計画を進めますが、大まかに言って次のような調査をします。安定して強い風が吹いている場所を選んで建てれば、風力発電は経済的に成り立つ事業です。

と述べている。即ち、当たり前のことだろうが、「風力発電は事業性(儲ける)と言うことが前提で、それには“安定して強い風が吹いている場所を選んで建てる”と言うことが必須で、このパンフレットには、「風車のセット・バックはもちろん、騒音問題の現実とかはまー、造った後のことだから知ったこっちゃ無い事何のだろうが、一応、如何に自治体からハンコを得るかとか、如何に住民を丸め込むかとか、風車を建てた後での苦情をどのように処理するか、…」等と言うような現実的に当面するであろう様な面倒なことも、もちろん一切述べられていない。まー、こうしたことは所謂”風力コンサルタント”にお任せするのであろう。

そして、これを調べて居る時点で、これまた、実にタイミング良く、10/03/10の以下の報道に「新エネルギー財団」なるモノがあったのだが、それは、


官僚OB、107人天下り 仕分け候補の50公益法人 2010310 1640

 政府の行政刷新会議が「事業仕分け」第2弾の対象候補として公表した50の公益法人中、46法人の常勤役員に、官僚OB107人が天下っていることが10日、各法人や省庁への取材で分かった。50法人は過去に国会で無駄遣いが指摘されるなどした法人だが、公益法人が官僚の天下り先となっている実態があらためて浮き彫りとなった。
 半数以上の29法人はトップが官僚OBで、いずれも所管官庁の出身者だった。トップのうち10人は非常勤だが、別の法人の役員を兼務するなどしていた。

 非常勤も含めた役員全体では、全50法人に天下りの国家公務員OBがおり、総数は200人。報酬を受け取れる常勤役員107人のうち、9割以上の99人が所管官庁のOBだった。

 法人トップには、農林水産省や国土交通省、旧通商産業省、旧経済企画庁の事務次官OBも1人ずつおり、ほかは旧食糧庁長官OBや林野庁長官OB、各省の元局長、審議官らだった。

<枝野担当相>事業仕分け第2弾対象選定開始 50法人公表

201039 1115

 枝野幸男行政刷新担当相は9日午前、「事業仕分け第2弾」の対象とする公益法人の選定のため、法人を所管する官庁へのヒアリングを内閣府で始めた。「天下りを受け入れている」など七つの基準に該当した3852法人のうち、複数に該当した290法人について事業内容などを聴取する。また、枝野氏は閣議後会見で290法人のうち、過去の国会審議や会計検査院の指摘で問題視された50法人の名前を公表した。

 ヒアリングは非公開で行われ、枝野氏に加え、民主党の蓮舫参院議員、寺田学衆院議員ら昨年の仕分け第1弾に参加した国会議員の「仕分け人」が2班に分かれた。部屋の前には省庁の職員が列をなしてヒアリングを待った。約1週間、1法人につき10〜15分程度かけて説明を受け、仕分け対象を絞り込む。

 ヒアリングに先立ち枝野氏は仕分け人を前に「個別(の法人)を問題にするにとどまらず、公益法人と政府との関係そのものを本質的に変えていく出発点、切り口として第2弾を進めていきたい」とあいさつした。

 対象は(1)公費支出が収入の半分以上で天下りを受け入れ、財産額が10億円超の「国依存型」(国丸抱え法人)(2)法令で権限を付与され、天下りを受け入れ、財産が10億円超の「権限付与型」(独占法人)−−など(※)の四つの類型を基準として選ばれた。

 枝野氏は閣議後会見で、実名を公表した50法人は「原則として(仕分け対象になる)可能性は高い」と述べた。50法人の中には、公共工事の調査業務で談合したとして02年に立ち入り検査を受けた「経済調査会」(内閣府と国土交通省が共管)や、道路特定財源から事業収益を得た上で、計約2100万円の職員旅行費を負担していた「公共用地補償機構」(国交省所管)などが挙がっている。【影山哲也】

 枝野氏は閣議後会見で、実名を公表した50法人は「原則として(仕分け対象になる)可能性は高い」と述べた。…【影山哲也】

※(3)地方自治体の会費などで成立している

(4)仕事の大半を委託し実態がない、

などを基準にさらに絞り込む方針。枝野氏は9日の閣議後の記者会見で、「予算が付いているから努力しない、変える必要はないと思っているところはバッサリやる」と述べた。

http://www.asahi.com/politics/update/0309/TKY201003090461.html

 ◇9日発表した50の公益法人
▽内閣府所管=経済調査会
▽警察庁=日本交通管理技術協会
▽金融庁=全国信用保証協会連合会
▽総務省=行政情報システム研究所、電波産業会、テレコム先端技術研究支援センター、テレコムエンジニアリングセンター、地方自治情報センター、日本情報処理開発協会、日本データ通信協会、自治体衛星通信機構
▽法務省=民事法務協会▽外務省=国際農林業協働協会、日本国際協力センター▽文部科学省=大日本蚕糸会
▽厚生労働省=日本食品衛生協会、全国社会保険協会連合会、医療機器センター、安全衛生技術試験協会
▽農林水産省=全国農地保有合理化協会、畜産技術協会、配合飼料供給安定機構、日本森林技術協会、海外林業コンサルタンツ協会、マリノフォーラム21、都市農山漁村交流活性化機構、中央果実生産出荷安定基金協会、日本穀物検定協会
▽経済産業省=日本建設機械化協会、新エネルギー財団、河川環境管理財団、建材試験センター
▽国土交通省=全日本トラック協会、航空保安施設信頼性センター、国土技術研究センター、先端建設技術センター、公共用地補償機構、公園緑地管理財団、ダム水源地環境整備センター、道路新産業開発機構、道路環境研究所、道路空間高度化機構、ベターリビング、住宅保証機構、住宅管理協会、道路システム高度化推進機構、民間都市開発推進機構
▽環境省=自然環境研究センター、産業廃棄物処理事業振興財団、日本環境整備教育センター
▽経産省の外局 源エネルギー庁原子力安全保安院特許庁中小企業庁各地方経済産業局

の様な報道が有る。


そして、ここの役員・理事の顔ぶれを見ると旧エネルギー、新エネルギー関係の錚々たる顔ぶれの社長、会長連中の集まりで有ることが解る。こんな顔ぶれが一体全体何のためかは置いても、いつ集まるのかなどと思うと凄い、大変などと思うが、実際には理事会は年度に3回しか開かれないようで、本当に本人が出席しているかどうかも解ったモノではない。何故なら、議事はお決まりの承認行為のようなモノだけであるからだ。

 更に、実施された事業を見てみると理事に「こんな顔ぶれ」を揃える必要などは全くないことが解る。非常に不思議な組織で無ければ無くても良いジャンと素人でも思いたくなるような組織であると、“当人達”も思っていたのか、第一弾の事業仕分けの後、第二弾の事業仕分けで名指しされる前の平成21年1月30日 「財団法人 新エネルギー財団」名で、

“「国と特に密接な関係がある」特例民法法人への該当性について(公表)”において、“…、…、(幾つかの法律)に該当しないので、その旨公表いたします。”

とわざわざ打診された訳でもなかろうに早々と“天下り組織ではない”旨を公表していたが、矢張り“天下り組織”として仕分けの対象として取り上げられてしまった。


8-3. 新エネルギー財団は勿論天下り先

因みに財団法人新エネルギー財団の理事長近藤隆彦氏の経歴を見てみると、

「平成111996)年3月の国会では「通商産業省生活 産業局長 」として、答弁し、

199996日)特許庁長官になり、その後は三菱電機副社長となり、

平成217月の名簿には、財団法人 新エネルギー財団の会長として載っている。

 これが民間をクッションにした新手の天下りなのかな

それにしてもとっても怪しい存在の組織である。想像を巡らせば、ここで、日本の新エネルギーの民間レベルの問題が全て決済されてもおかしくない。因みに、

新エネ協お問い合せ先は、東京都豊島区東池袋三丁目132号 住友不動産東池袋ビル であり、

新エネルギー財団 の事務所東京都豊島区東池袋3丁目132号 住友不動産東池袋ビル2階 である。

 そもそも、この2つの組織は、「新エネ財」は新エネルギーへの参入の宣伝を、「新エネ協」は新エネルギー交付金の受付・交付という、何れも国のカネをあてにした、当然ながら天下り機関の2つの事務所が同じビルに有ると言うことが、たまたま、今回の交付金手続先が新エネ協に移転したことにより明らかとなった。

こうしたことは、ひいては、元々怪しいと思われている、更に、新エネルギーの“開発の仕方”そのものは、現場一つ一つはそれほど、政治的には美味しくはないが、それは地元業者や議員にくれてやって、国政レベルではこうした組織からの上納金があるのではなかろうか。いずれにしても、とっても怪しい存在であると確信を持つに到った。


8-4. 低周波音問題を”牛耳る”?

これは当にその昔2003年秋、拙著「黙殺の音」執筆中に、“低周波音問題は全く科学的問題などではなく、あくまで政治、経済的問題であると気づいた”(P.24)

 日本騒音制御工学会は理研=リオンのような明確な一体関係は謳ってはいない。従って、それぞれのホーム・ページを別個に見ていた時は全然気付かなかった。しかし、何となく、三者の連絡先と所在地が良く似ていることに気付き、改めて比較してみた。以下のようである。

(社)日本騒音制御工学会 事務局 〒185   東京都国分寺市東元町3-20-41

(財)小林理学研究所の所在地。   〒185-0022 東京都国分寺市東元町3-20-41 

リオン株式会社の本社所在地    〒185-8533 東京都国分寺市東元町3-20-41 

 少なくとも場所に関しては、「三位一体」というより、「一位三体」いや「一体三位」と見る方が適切なのかもしれない。

「われわれは弁解の余地のない間違いによってしか学ばない」 アラン『教育論』

 の状況と非常に似ている。

 これらの組織は、低周波音問題を知る人なら既にご存じのはずだが、そうでない人のためにこの三者の関係に少し説明を加えると、

日本騒音制御工学会

騒音・振動の制御と環境の保全」を専門とする環境省の下請け産学団体。産業的にはどうか解らないが、低周波騒音被害者としては常に環境省のご都合主義を科学的・学問的に裏付けようとしている実務専門家団体。因みに、低周波音分科会の2008年度委員のトップは(財)小林理学研究所の落合博明氏である。その他、産総研の参加者多し。現在事務局は東京都千代田区麹町3-12-6麹町グリーンビル2Fに移転。

小林理学研究所

殆ど表に出ては来ないが、騒音・振動の理論付けを行っている団体。歴代の理事長は騒音関係の国の外郭団体に天上がりしている。イヤホーン、騒音などの測定機器のリオンの実質的オーナー

リオン株式会社

補聴器はシェアトップ。系列販売店に強み持つ。医用検査機器や騒音・微粒子計測器にも展開。低周波音用レベル計NA18Aは、ここが「参照値」活用のために、当時無かった低周波音用の測定器として、環境省の依頼で開発・製作・販売した。

 基本的にはこの三者と環境省が日本の低周波音問題を“良いよう”にしていると言えよう。


8-5. 風力発電施設の苦情はどこへ

 風力発電施設等の建設の補助金窓口になった「新エネ協」では有るが、風力発電被害者がこの組織に直に苦情を訴えても、恐らく、“暖簾に腕押し、蛙の面に…”で、何も期待はできないであろう。

 では、理事の顔ぶれが凄い「新エネルギー財団」になら文句を言えるかというと、どう考えてもここには新エネルギー施策に関しての実質的機能はなく、あくまで単なる新エネルギーに対する啓発、広報、普及センターでしかないような気がすると思ったのだが、因みに、新エネルギー財団では「新エネルギー人材育成研修会」なるモノを各エネルギー毎に開催しているようだ。例えば、「風力コース」では、

風力コース(東京開催)の開催について(ご案内)

新エネルギー財団では、経済産業省の補助を受けて、新エネルギー分野での事業化を志す人を対象に、平成17年度〜平成19年度にかけて教材・カリキュラムの開発を行い、あわせて各地でモデル的な研修会を実施した結果、本研修会に延べ約1100 人の方にご参加いただき、短期間で新エネルギーの現状や課題がわかると好評でした。これらの成果を踏まえて、新エネルギー財団では引き続いて本研修会を本格的に実施することとしました。

今年度の本事業では3つの研修コースをご用意しておりますが、中でも本コースは、風力発電システムに関する下記の専門的な内容

・風力発電をとりまく状況
・風力発電システムの概要
・風力発電の建設・運転・保守方法
・風力発電の導入・企画方法
・風力発電の事業性評価方法

などを学ぶことにより、風力発電とはどのようなものであるかを理解するとともに、事業化を検討する能力を養成するものとなっております。
風力発電に興味をお持ちの方はもとより、風力発電での事業化を検討される方にも必ずやお役に立つものと確信いたしますので、ぜひご参加をお待ちしております。

1.主 催 (財)新エネルギー財団
2.開催日 平成22年2月16日(火)〜2月17日(水)
3.開催場所 ()新エネルギー財団 1階 第1会議室
4.研修会内容 別紙 風力コース研修内容参照
5.定 員 30名
6.参加費用・資料代 一般 45,000円、一般早期申込割引 40,000円、賛助会員 40,000円(交通費、宿泊費は受講者にてご負担下さい。
また一般早期申込割引は研修会の3週間前(1/26()まで)に申し込まれた方に適用されます。)
7.申込方法 別紙の申込書に記入後、ファックスにてお申込下さい。
8.申込期限 平成22年2月12日(金)

問合せ先 ()新エネルギー財団 計画本部 新エネルギー人材育成研修会担当

〒170-0013 東京都豊島区東池袋3 丁目13 番2 号(住友不動産東池袋ビル2F)
電話:0368100362 ファックス:0339825101

風力コース研修内容

研修のねらい

風力発電分野での事業化・導入の企画推進を行う能力の習得
(本コースは基礎的な情報提供を目的としていません。基礎知識を有する方を対象とした、風力発電分野で事業化を志す方のための専門知識習得コースです)

開 催 日

平成22年 2月16日(火)〜17日()

会 場

()新エネルギー財団 1階 第1会議室
東京都豊島区東池袋3−12−2 (住友不動産東池袋ビル2 階)
(別紙会場案内参照)

 

[1日目]
9:5010:00 開会挨拶、オリエンテーション
10:0011:00 風力発電に関する新エネルギー政策動向
11:0012:00 風力発電の現状と課題

イー・アンド・イー・ソリューションズ(株)
社長付 中尾 徹 氏

13:0015:00 風力発電システム

(株)日立エンジニアリング・アンド・サービス
副本部長鈴 木 和夫 氏

[2日目]
9:3012:30 風力発電の導入・企画

(有)ネクストエナジー
代表取締役 東野 政則 氏

13:3016:30 風力発電の事業性ケーススタディー
16:3016:40 修了証授与

(株)ユーラスエネジージャパン
事業開発第二部 部長高畠 哲 氏

当に新エネルギー財団が開催する「新エネルギー人材育成研修会」で講師の一人を務めるユーラスエナジーHPに依れば、

NEF (財団法人 新エネルギー財団)
新エネルギーの開発・導入のための基礎的な調査・研究や、普及のための各種支援事業や広報活動。また、新エネルギー政策についての国への提言などを行う。

NEDO (独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)
新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)など

 と言うことであって、NEFは単に、国策に乗って、新エネルギーで一旗揚げようとする有象無象の“お先棒担ぎ”で、当に経済産業省後援と言うより手先の業界団体に近いモノなのであろう。

従って、既に造られてしまった風車の問題に関して“苦情”を「NEF」や「新エネ協」にウダウダ言ったところで、彼らは痛くも痒くも無いはずで、やはり、これまで通り“苦情”はNEDO、エネ庁、環境省への矛先を変えてはならない

そして、もう一つ、既に、“平成18年3月 経済産業省資源エネルギー庁新エネルギー対策課の-新エネルギー事業者支援対策費補助金を応募される事業者のための「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」第8条に基づく利用計画の認定について(経済産業大臣の認定申請手続き)”に以下のように記されている。

(2)地元調整

関係する地元住民への説明会を別添○のとおりの日程で、主な質疑、質問に対する回答等を行ってきており、最終的には了解が得られている。さらに、別添○のとおり関係する地元住民の総意を代表する組織である○○自治会及び○○行政区の同意が得られていることから、地元住民からの反対運動等の発生の懸念もなく、地元との合意形成が得られていることから、何ら問題もなく確実に事業を実施できる。

※留意点:@法令等により地元住民への説明の必要が義務付けられていない場合においても、必ず新エネルギーの設備を設置することに関し、地元住民へ説明・周知等を行うこと。

A新エネルギーの利用等に関し地元住民の了解が得られたことを確認できる資料(地元市町村、地元自治会等の承諾書)を必ず添付すること。

なお、太陽光発電、太陽熱利用、温度差エネルギー利用、天然ガスコージェネレーション及び燃料電池のように、新エネルギーの利用等が周辺住民等に影響を与えないと思われるものについては、導入することを前提とした協定書、覚書、議事録等の写し若しくは事業者の確約書を添付することにより、地元の承諾書に代えることができる。

B廃棄物の輸送を伴う場合、輸送する道路周辺についても考慮する必要がある。
C地元住民の反対運動などにより事業が円滑に進捗しなくなることはないことを明記すること。
D風力発電の場合、設置地点と周辺民家等との最短離隔距離を添付資料に記載すること。

 即ち、「地元住民が風車が出来ることを知らなかった」と言うことは、事業者の“詐欺的行為”が有ろうが無かろうが、本来有り得ない話しであり、添付された資料=承諾書に「ハン」を突いた地元市町村長、地元自治会等の長は、それが己の無知であろうとささやかな金欲であろうとなんであろうと、その責を免れることは出来ない。何時か風力発電被害者から、損害賠償が請求されるときには必ずや連座させられるであろうことをしっかりと記憶しておかなくてはならないであろう。

 敢えて言えば、地元の承諾書に地元組長が判さえ押さなければ間違いなく風車は出来ることはなく、近隣住民に騒音被害が出現しなかったことは明白なのであるから。


8-6. 原発14基を新増設エネルギー基本計画原案

風力発電にああだこうだと文句を言って、では「お前は一体エネルギー問題全体をどう考えるのだ」と、問われたことがあった。私は風力発電そのものに反対なわけではない。単に、風車が無謀に造られ、低周波音被害者を出しているから反対なのだ。従って、残念ながら私は上記の質問に答えるような知識、能力、そして、何より意識がない。従って、お国の皆さんが示した方向へ行くしかない。幸い、国からの基本的方向性が示されたばかりだが、それが正しいかどうかは、こうした人たちが既に考えて居ることである。

2010/3/20総合資源エネルギー調査会総合部会基本計画委員会(第2回会合)-配付資料 資料3今後の資源エネルギー政策の基本的方向について 〜「エネルギー基本計画」見直しの骨子(案)〜、に基づいた記事が各紙に載った。ネタ元が同じなのだから各紙とも似たようなモノだが、読売新聞は以下のように報じている。

2030年までの国のエネルギー政策の指針を定める経済産業省の「エネルギー基本計画」の原案が19日、明らかになった。

 原子力発電を「低炭素電源の中核」と位置づけ、30年までに少なくとも14基を新増設し、現在60%台の稼働率を90%に引き上げることなどが柱だ。新車販売はすべて次世代自動車とする目標を掲げるなど、これまでの原油の安定供給確保から、温暖化対策を重視したのが特徴で、政府が検討している地球温暖化対策基本法案の具体化に向けた行程表(ロードマップ)への反映を目指す。

 エネルギー基本計画は、エネルギー政策基本法に基づき03年に策定され、3年に1度改定される。24日の総合資源エネルギー調査会基本計画委員会に提示する。

 原案では、環境と成長の両立を最重要テーマに掲げ、「地球温暖化問題への対応」や「経済成長の促進」などを基本方針とした。

 原発については、「安全の確保を大前提に、新増設の着実な推進と稼働率の向上を図る」と明記した。

 家庭での温暖化対策としては、高効率の給湯器を全世帯の9割に普及させるほか、照明器具は発光ダイオード(LED)や有機ELなどの高効率照明にすべて置き換える。運輸分野では、自動車の燃費基準を1リットル当たり40キロ・メートル程度に引き上げることで、電気自動車やハイブリッド車など次世代自動車の普及を促進させる。

 また、エネルギー消費量のうち自国でまかなえる割合を示すエネルギー自給率も、海外権益分も含め現在の38%から70%に大幅に改善させる。

 2030年の主な目標(かっこ内は現状)

 すべての新車を次世代自動車に。燃費基準を1リットルあたり約40キロに引き上げ
 LEDなど高効率照明の普及率を100%に(1%未満)
 原子力発電は14基を新増設。稼働率を90%に向上(64・7%)
 太陽光発電の発電量を2005年の40倍にあたる5300万キロ・ワットに

20103200303  読売新聞

 記事の元となった、「エネルギー基本計画」見直しの骨子を見ると

3.エネルギー供給構造〜電源のベストミックスと原子力

B 今後の原子力推進に向けて、供給計画を踏まえつつ、以下のような意欲的な目標を掲げるべきではないか。

_ 2020年までに、8基の原子力発電所の増設(設備利用率約85%)

_ 2030年までに、更なる原子力発電の増設(世界最高水準の設備利用率)

と言う項がある。日本のエネルギーの行く道は原子力しかないようである。これには勿論原発反対派からは猛烈な抗議がある事であろう。もし、原発の近くで低周波音被害者が出ているようであったらそれはそれで考えてみるであろう。しかし、今はそうした話しは聞かない。原発反対派は私などが言うまでもなく以下に投稿されるであろう。

資料4 エネルギー基本計画見直しに関する御意見の受付について


8-7. 中電「原子力最優先に」

中部電力は、「平成22年3月度定例記者会見」に於いて、24日、水野明久副社長(56)が社長に昇格するトップ人事を決めた。三田敏雄社長(63)は会長に就く。6月の株主総会後の取締役会で正式決定する。

 懸案だった浜岡原発(静岡県御前崎市)4号機のプルサーマル計画や、1、2号機を廃炉して6号機を新設するリプレース(置き換え)計画に見通しが立ったことから、若い水野氏へのバトンタッチが適切と判断した。…。

なお、平成24年度に、愛知県豊橋市から静岡県湖西市にかけて計画しておりました、風力開発(2,000kW×13基)につきましては、現時点で地元の皆さまに開発を受け容れていただく見通しが立たないことから、計画を中断し、供給計画から取り下げることといたしました。

 当サイトとしては、社長交代はひとまず置いて、地元紙「東日新聞」の「風力発電、地元賛意得られずによれば、

…、計画では12年度操業開始を目指していたが、事実上、困難になった。見直しを迫られ、この日の会見で、10年間を展望する電源設備計画から削除したことを明らかにするとともに、地元の不安を払しょくできず、賛成を得られないことから、中断すると発表した。地元の賛成が得られなければ、監督官庁である経済産業省の補助金が得られず、事業として遂行できないためだ。
 中電は中断の方針としているものの、関係者の話などから「撤退に近い中断」との見方が有力だ。(山崎祐一)

と有るように、「地元の賛成が得られなければ、監督官庁である経済産業省の補助金が得られず、事業として遂行できない」と言うことで、そうした意味では中電は極めて「まともな」風力発電開発をしていることになる。しかし、このまともさが、他の風力発電専業事業者の詐欺にも近いやり方からすれば、返って異様だ。単に中電が紳士的であるとは思えない。

電力会社の使命はあくまで電力の安定供給と国策、と言ってもそのものを国が独自で勝手に机上で策定できるわけではなく、事業者との話し合いで決まるわけですから、中電はあくまで国策に迎合したまでの事かも知れない。しかし、「原子力最優先に」にと言っても、それはそれで、結構やばいようでもある。

別の国策は現在、中電地域が風力発電専業事業者の“草刈り場”となっていることからも推察できよう。そうして、国策的に、も電力会社がどうしても風力発電施設を持たなければならないとすれば、それらを買収すれば済むことなのであるから。

月いづく鐘は沈める海の底 芭蕉


最後まで読んでくれて有難う

100327


10/03/29 環境省から「風力発電施設から発生する騒音・低周波音の調査結果(平成21年度)について」発表されました。


10/04/17 提供:しんぶん赤旗

風力発電など促進補助金/300億円 民間丸投げ/経産省「どこに、いくら」闇の中/質問主意書 紙議員ただす

 風力発電などの「新エネルギー」を導入する民間事業者への政府の補助金が2009年度から「外部委託補助金」として社団法人「新エネルギー導入促進協議会」(NEPC、東京都豊島区)に丸投げされていたことが16日、明らかになりました。申請件数や補助金額も非公表になっていましたが、日本共産党の紙智子参院議員の質問主意書にたいする答弁書で、政府(経済産業省)は同協議会に適切な情報開示を行うよう指導することを明らかにしました。続き


 風力発電など促進補助金の使途は、これで、完全に闇の中のモノとなるのでしょう。


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