姫がきた!
前日 | 2週間前の「陣痛騒ぎ」の翌日から続けている朝晩の散歩。 毎朝、不思議と通常より30分早く目が覚める。 たまこが起こしてくれているのか? 散歩のお供は携帯電話。万博で買ったビーズで作ったホルダーに入れて。いつ何がおこってもいいように。 とはいえ、いつも何もおこらないのだけど。 散歩をしながら、実家に「今日も普通に朝が来ちゃった。」などメールしたり。 すぐに返事がくるので、母も今か今かと待っているんだなと思う。 そういえば、「土岐のアウトレットでバーゲンやっとるで行きたい」と言っていたな。 ためしに「今日行かない?そのくらい無茶なことすれば産まれて来るかも」と打ってみた。 .・・・断られた。 予定日の二日前だ。 普通の親なら断るだろう。 「行こう!行こう!」 と言われたら、どうしようかと思った。ちょっとほっとした。 夜の散歩のお供は子どもたち。 それからおつきさま。 2週間前散歩を始めた頃は新月で、細くて冷たそうなおつきさまが、 だんだんおいしそうなホットケーキみたいに太ってきた。 2人ともおつきさまが好き。 「おつきさま、こんばんは!」 「ホットケーキ、今日はぼく食べてないからまんまるだね」 そろそろ満月。 「おつきさま、たまこを連れてきてください・・・」 とかあちゃんは心の中でお願いしてたんだ。 |
その日 6:30 |
いつもと同じ時間に目が覚める。 散歩に行こうと起き上がると、「じわっ」と感じた。 「あらら・・・ちびっちゃったわ」 いよいよ尿漏れするようになっちゃったかーと思う。 だけど、「もしかして?」と言う気もちもあったので、 おしっこをするためにトイレに入ったとき、お腹が邪魔して見にくいんだけど、一生懸命でてくるところを見ていたら、 おしっこが終わってもまだ「ちょろろろろ・・・・」と出ている。 トイレットペーパーでふいてもふいてもぬれている。 「ややっ!これは・・・」 とパソコンの前に座る。 「破水」と検索。 破水ってパシャ!とか、ジャー!とかバスタオルをあてても間に合わないくらいのお水が出るんじゃなかったっけ?? ・・・どうやら、尿もれとわからないくらいの破水もあるらしい。 でも、陣痛というほどのお腹の張りはあまりない。 とうちゃんが起きてくる。 「もしかして破水してるかもー」 と言うと、案外落ち着いてて、 「だったら、病院いかないかんね」 と言う。 とりあえず産院に電話してみる。 来てくださいといわれ、寝ている二人の子をお義母さんに頼み、とうちゃんとでかける。 「またかえってくるかもしれんけど・・・」と言いながら。 |
8:00 |
診察。 下着を脱いだら、出血していた。 「おしるしかぁ」 実ははじめて見た。 上の2人のときは、陣痛からはじまって、おしるしも見てないし、そういえば、羊水だってみたことない。 助産師さんに破ってもらったんだ。 台にあがったら、またちょろろろ・・・。 「これは、決まりだな」 と思う。 先生も 「破水してるので、入院ですね」 とのこと。 |
8:30 |
とうちゃんは家にかえってもらう。 タクもハッチもたちあってもらうつもりなので、2人にご飯を食べさせてもう一度でなおしてもらうため。 パジャマに着替える。 ペアレンツクラスで、生まれたら臍の緒がついた状態ですぐにおっぱいを飲ませると言っていたので、ブラをしていたらややこしいだろうなと思い、ブラもとっておく。 お腹の張りを見る機械をつける。 ちょくちょくはっているようだ。 でもそれほど痛くはない。 15分くらいして、助産師さんがみえて、記録をみる。 「おおー!」 と驚かれる。5分おきに張りが来てると。 「なるべくおとなしくしててね」 と言われる。 顔見知りの看護婦さんがのぞいてくれる。 「あ〜やっとこれました〜。入院できます〜」 「陣痛騒ぎ」からこのかた、早く出産したくてたまらなかったので、この時点では、出産への不安とかそんなんはほとんどなく、ただうれしかった。 「これで、産めるんだ・・・」って。 |
9:00 |
2階の病室があるところへ移動。 といっても、部屋が空いてないらしく、廊下で座って待っている。 「すずらん」という部屋から赤ちゃんを抱いた小柄のお母さんと、お父さんが出て行って、かわりに看護婦さんが2人ぐらいで掃除を始めた。 そして、「おまたせしました」と言われ、その部屋に入れてもらった。 シンプル。・・・畳、小さい冷蔵庫、ちゃぶ台。ふとん。 これまで経験した二つのホテルみたいな産院とはだいぶ違う。 なんだかわくわくしてくる。 よぅーし!最後のお産だ!楽しむぞー。 |
9:30 |
横になっているほどではないけど、とりあえず布団の上で寝ている。 とうちゃんが、タクとハッチを連れて登場。 サンドイッチを買ってきてくれた。全部食べる。 |
10時台 |
すこしずつ「そうそう、陣痛ってこんな痛みだった!」と思えるくらいの痛みがある。 痛いのと、少ししか痛くないのといろいろランダムにくる。 時間も定まってなくて5分おきだったり、10分あいたり。 「そうやってだんだん定期的になってくるよ」 と助産師さん。 わたしが痛そうなときは、腰をさすってくれる。 |