岩月脳活性化デザイン研究所について
はじめに
 高齢者にとっては身体の健康を維持すると共に、脳の老化を防ぐことが車の両輪のように不可欠と思われますが、脳活性化ゲームを考え始めた20年前には、前者に比べ、後者の脳活性化方法の研究やツール開発の分野は、大変遅れていると感じました。
 そこで、皆で考える必要があるという思いから、大仰な名の研究所を起し、14年前このホームページを立ち上げ、ご批判を仰ぐことに致しました。
 頭を使わないようになれば、誰でもがなる老人性の「ボケ」(老化廃用型認知症、アルツハイマー型認知症)は初期の間は病気とは言えず、「初期ボケの間に見つけ刺激を与え続ければ治る」ということや、あるいは「元気なうちから予防すればボケない」という知見を得て、それならば、誰がボケ予防・脳刺激活動をやっても良いのではないかと考え、一デザイナーが一人で研究所を立ち上げたわけです。
ボケ予防、脳活性化ゲームのデザインを始めるきっかけ
 私の近親者が、ひどい痴呆で亡くなっており、その家族の非常な苦労を見て、ボケたら大変という強い問題意識を以前から持っておりましたが、H7年に、浜松西医療センターの金子副院長(当時)の、「ボケは早期に発見し、脳リハビリをやれば治る」という新聞記事を見て大変驚きました。
 私は、トヨタ自動車のデザイン部門から、浜松職業能力開発短期大学校産業デザイン科の教師に転じた者ですが、当時同じ浜松地域で教鞭をとっていたデザイナーの立場から、デザインを学ぶ学生と一緒に、何か出来ないだろうかと考えたのが、ボケ予防・脳活性化ゲームのデザインを始めたきっかけです。
 当時は「認知症」などという言葉は未だなく、脳活性化という言葉も一般化していませんでしたので、「ボケ」とか「脳活性化」という言葉を今もそのまま使っております。
■脳活性化ゲームのデザイン開発の経緯
 そこで、学生と一緒に、ボケ予防・脳活性化ゲームのデザインに取り組み始めたわけですが、女子学生が多いという点でも、学生にデザインの社会性を身に付けさせるためにも、適当なテーマでありました。
 はじめは、学生と共に出したアイデアが受け入れられるものか否か半信半疑でしたが、使うことができるモデルにして、金子先生と高槻先生(現エイジングライフ研究所)の処へ持って行き、歓迎されたのを契機として、H7〜13年の7年間にわたり、デザイン実習や卒業制作を通して、学生がこの課題に取り組んでくれることになりました。
 学生が作ったゲームのモデルを持って、初期ボケ専門の入所施設や、近隣の保健婦の主催するボケ予防教室へ何度も通い実験し、そこで掴んだヒントを糧にアイデアを出すということを繰り返してくれ、合計30余種の脳活性化ゲームのデザインができました。
 学生が熱心に出してくれたアイデアが使えるものならば、何とか世に広めたいと考え、主なゲームについて、更にエイジングライフ研究所の指導を受け、各地自治体の保健師が主催するボケ予防教室などで試行し、改良を重ねてきました。
 初期には、保健婦さんがボランティアの方と苦労してゲームツールを自作し、試行して頂いていましたが、一般高齢者や幼児などに喜んでもらえるモノであることが判りましたので、ここに、ご紹介するものについては、多くのところで使って頂けるよう、羽立工業(株)、龍共印刷(株)、ゆたか福祉会などの協力を得て量産・商品化しております。
 2003年には、日本リハビリテーション工学協会 福祉機器コンテスト 企業研究所部門の優秀賞を受賞しました。また、同年、中部デザイン団体協議会のデザインアオードの優秀賞を戴きました。
脳活性化ゲームの使用状況
 平成28年末現在、北海道から九州にまで、全国200箇所(平成大合併後の計算)を超える自治体の保健師が主催する高齢者教室などで使用していただいています。その他、多くの福祉施設などで何らかのゲームを使って頂いています。(はたち健康ライフ研究所およびそこからの派生販売分を除く)
 私自身、東北から九州まで80箇所余の、自治体の保健師が主催するボケ予防教室や福祉施設などで200回ほど試行してきましたが、同類のものが少ないためか、どこでも好評でした。
 一般には唱歌カルタ、十二支ビンゴ、じゃんけんペタンコが特ににんきがあります。
 私が高齢者教室などで試行する場合、唱歌カルタ、あいうえおカード、十二支ビンゴ、しりとりブロックくずし、じゃんけんペタンコ、ボール投げ3並べの順で遊んでもらっていますが、この順序でやるのが馴染みやすいようです。(全体では一部省略してやっても2時間ほどかかります)
 また、高齢者の脳活性化と幼児の知育は共通したところがありますので、高齢者と幼児の交流の場やこども園などでも一部使って頂いております。
 こども園では、十二支ビンゴ、じゃんけんペタンコ、あいうえおカードが人気です。
岩月脳活性化デザイン研究所として考えていること
 研究所としましては、今後、これらのボケ予防・脳活性化ゲームのデザイン開発・普及を継続・発展させると共に、脳刺激・活性化のための方法やツールについても調査・研究し、その結果を紹介していくことにより、高齢者の脳の老化防止の一助となりたいと考えております。
 研究所としては以下のようなことを少しずつ進めて行きたいと考えております。
1.脳活性化に効果のあるゲーム・遊びとそのツールの研究、デザイン開発の継続
2.研究開発したゲーム・遊びの普及活動の継続と、ボケ予防教室などのお手伝い
  1)開発した脳活性化ゲームの、構成の合理化など、ローコスト化による普及の促進
   2)脳活性化ゲームの現地試行強化による、実質的な普及および改良
     a.ボケ予防活動などを実施する現場や、デイサービスなどを実施する施設
         b.幼稚園や、高齢者と幼児の交流の

  3)保健師主催のボケ予防教室などで、ボケ予防についてお話しすること
     ・すでに77歳である私自身の立場から、実感として感じることをお話する。
3.脳刺激・活性化のための方法とツールの調査、分類・整備、横展開支援 HPに載せること
    1)自治体の保健婦などが実施する痴呆予防活動などで、取り上げられているもの
  2)脳活性化に効果がある、遊び・ゲーム・方法などの文献、ツール・カタログなど
4.実地に自分の住む自治区でも地域高齢者教室を運営し模索を重ねる
  1)H18年度に、私が住む豊田市中町の自治区において、豊田市の保健師が主催する「脳力アップ健康講座」を導入しました。
  2)H19年度より、自治区、老人クラブ、民生委員が一丸となり「竹中脳げんき会」と言う自主活動に入りました。 11年目を迎えておりいろいろ判ってきました。
   この活動についてもホームページに載せるつもりでおりますが、お問合せがあれば、お答えさせていただきます。
お願い
1.脳活性化ゲームを試行頂ける方は以下をご覧下さい。
   1) 完成品のFAX申込書およびメールによる申し込み
   2)各ゲームの遊び方詳細
   3)ゲーム・ツールの手作りの方法
   4)以下はメールの添付資料でお送りしますので、ご請求下さい。 メールへ
      (1)ゲーム全体の概要とねらいをWord形式でA4用紙2枚にまとめたもの
      (2)各ゲームの概要を、A4のPDF形式で。1ゲーム1葉にまとめたもの
      (3)その他、お判りにくいところは下記へお尋ね下さい
2.脳活性化ゲームの現地試行のご希望がございましたらご連絡ください。
3.以下のアイデア出しに、ご協力頂ける方がおられましたら、宜しくお願い致します
   a.脳を活性化するゲーム・遊び
      ・デザインし(形にし)、ツールにして、普及させていただきます。
   b.脳を刺激・活性化する方法全般
      ・現場の保健師さんなどからの、ご提案を期待します。
      ・現状ある遊び・ゲームについても、応用方法のご提案を頂ければ幸いです。
      ・アイデアは横展開できるよう整備し、ホームページで公開させていただきます
・ただし、私どもは、営利を目的としない研究所で、皆でボケ予防が出来たらと考えておりますので、これをご理解の上での、ご協力をお願いいたします。
連絡先
〒473-0904  愛知県豊田市中街中郷15−2   
         岩月脳活性化デザイン研究所  岩月和人 
         電話&FAX 0565-52-7294  メール kazu-iwa@hm3.aitai.ne.jp

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