ご無沙汰しております。2月中旬から何故か我が家のADSL回線はメールの返信が出来なくなり、止むを得ない件のみ会社から返信していました。今日タイ電話公社へ行って見て貰ったら、PCのセッテイングを変更して返信可能になりました。
私のカンピュータでは重量が変わっても燃費が変わらないのはおかしい、と思いました(トヨタ在職中色々テストしていましたので)が、石松流解説を読むとそんな事も有るのかな、と一瞬納得。私も少しは流体力学を勉強したのですが、記憶は全く無し。後段の説明で納得しました。
MRJはトヨタも応援したようですが、良い機体を作ってうまく商売に乗せて欲しいと願っています。商業的に成功しないと意味が無いので。
@ トヨタ後輩・工・タイに家も買い活躍中・バルト三国に一緒に出かけた方
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いつもお世話になります。
Mitsubishi Regional Jetについては、海外にユーザー(航空会社)を見つける必要があると思いますが、どこの国が有望でしょうか?アラブ諸国、東南アジア、オーストラリア、北欧でしょうか?
注。石松の予測。超大型機はハブ空港間の小頻度大量輸送。中型機は乗り換え不要な二点間の中頻度輸送(既に航続距離2万Km機は開発済み⇒今後の国際線の本命)。RJは短距離二点間の多頻度輸送⇒市電の航空版⇒国内線の本命。小型空港の多い島嶼国家のインドネシア・フィリピン・日本Etc・・・、高速道路や高速鉄道の少ない発展途上国)
燃費に及ぼす要因については、よく理解できました。さらにひとり当たり、何リットル/Km と予測でき、自動車や他の乗り物と比較できるともっと興味が持てたと感じました。
Mitsubishi Regional Jetの燃費の目標値をご提案いただくことを期待致しております。
A トヨタ後輩・工・元仕事仲間・テニス仲間
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ラジコンHelicopterの分解・組立てと、リモコン操縦を日課の5イベントの内の一つにしているのでMRJには多少興味があります。
日本の科学技術の総力を挙げて,世界に冠たる航空機産業基盤を構築していって欲しいものと願っています。
石松先輩の航空工学力やコンサル会社TECのTOTAL TPS(設計開発段階〜製造まで)の技術支援力がMRJのモノ造りに影響を与える事を願って!
B トヨタ後輩・工・今春胃の全摘手術・リハビリ中
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平成23年1月3日受信
初めてメールを差し上げます。私は、長年航空宇宙に関する国立の研究所(現JAXA)に勤務して定年を迎えた者です。たまたま、石松様のホームページの中で航空機の燃費について書かれているのを拝見
して、感じることがありましたのでメールをさせていただきます。
1.日本は技術立国でありながら、現在飛行機を製造していない。
YS-11の製造を止めてから現在まで軍用機を除いて航空機を製造していないのはどうしてなのかいつも疑問に思っています。(戦勝国アメリカの圧力です。我が母校の航空工学科も潰されました。学科としての復活は昭和31年です)。航空機の製造は付加価値が多いのに輸出産業の大きな柱になるチャンスを逃がしていたのではないかと思っています。羽田空港などに行って、AB社(Airbus
社、Boeing社)の外国機が占有している現状を何か寂しい思いがしています。
現在三菱リージョナルジジェットMRJが本格的に始動し、2012年に初飛行、2013年に量産開始と聞いています。ようやく本格的な製造を開始しようとしていて、この成功を祈っているものです。
2.航空機の燃費について。
(1)空力効率について
航空機の燃費は、航空機の抵抗のみだけではなく、空力効率に依存しています。巡航時の空力効率は
空力効率=巡航マッハ数(対気速度)*揚力/抗力
で表わされています。燃費を減らすのには空力効率を上げる必要があり、そのためには(a)巡航マッハ数を増やす、(b)揚力を増やす、(c)抗力を減らすことが重要です。
(a)巡航マッハ数を増やすといっても、巡航マッハ数は、現在の高亜音速機ではマッハ数0.83位で音速に近づけるにしたがって翼面上に衝撃波が発生し、このような状態になると急激に抵抗(衝撃波抵抗)が増え、揚力が急激に落ちるので巡航速度は自ずから限度があります。巡航マッハ数が増え急激に抵抗が増えるときのマッハ数を抵抗発散マッハ数といいますが、抵抗発散マッハ数を上げるために、現在次のような努力が行われています。
巡航マッハ数を上げても翼面上に衝撃波が出来るのを少なくする。音速付近で飛んでも衝撃が発生しない翼型が発見され(Shock free airfoil)有望視されていましたが、これは理論上の話で実際の航空機に応用することはとても出来ないと考えます。この巡航マッハ数を上げる努力は続けられていて、翼型の改良によってBoeing747などよりは新型のBoeing787などの方が巡航マッハ数は確実に増えていると思います。
(b)巡航時の揚力を増やすためには次のような努力が行われています。揚力は、翼面上の負圧(大気の静圧よりも低い圧力)を翼面の広範囲に渡って維持し(実は翼面上の負圧部分で揚力を発生させていて、翼の下面の圧力はほとんど大気の静圧に等しく揚力に寄与していない)、揚力を稼ぐ方法ばどいろいろ考えられています。
(c)抗力を減らす努力は次のようなものが考えられています。空力効率の式の中で揚力/抗力は揚坑比と言われ、巡航マッハ数が増えても抗力が増えない翼型、すなわち翼面上に衝撃波の発生を出来るだけ抑えながら抵抗発散マッハ数を大きくすることに努力が払われています。
翼の周りの流れを詳細に見ると、翼面との摩擦抵抗は翼面上の流れが層流であるか乱流であるかによって大きく変わります。大雑把に言って抵抗値は1:3位あります。翼の前面では層流でこれが翼面上の途中で遷移し乱流になりますが、遷移を遅らせ出来るだけ翼面上の流れを層流に保ち(層流翼型)抵抗を減らす翼形状が考えられています。
しかし層流状態は乱流よりも流れが剥離しやすくなるという問題が発生するだけではなく、衝撃波と境界層の干渉によって剥離を起こす問題もありなかなか複雑です。最近の航空機は翼面上に小さなフェンスが取り付けられているのを見ますが、これは翼端では層流剥離を起こさせないように突起物を立てて層流から乱流に強制遷移させているものです。
また、抵抗の発生は翼端渦の発生によって抵抗が生じます。これは、翼面上に揚力を発生させることによって翼上面と翼下面の圧力差によって、翼下面から上面に流れが発生して生じるものですが、この抵抗 を抑えるために最近の航空機ではウィングレットを取り付けているのを見かけます。これも翼端渦による抵抗の発生を抑える効果の決め手にはなっていないようです(聞きかじりです)。
余談ですが、自然界の鳥の羽の流れはどうなっているのでしょうか。航空機においても抵抗を減らすため鳥の羽を真似て、翼面上に溝を付けて境界層を制御し抵抗を減らす試みがなされています。しかしこれも実用になるのは現在のところ難しいようです。また、鳥の羽は羽の端に切り羽を持っていて、これが翼端渦を抑え抵抗を少なくしてい
ることなど、自然界の飛ぶための仕組みには驚かされます。
以上、ご参考になるものと思い、過去に経験したことをとりとめなく書きました。その他、航空機の燃費については空力的な改良のみだけでなく、エンジンの燃費・効率の改良も大きく寄与していること
も聞きますが、そちらの方は専門外なので割愛させていただきます。
ご参考になれば幸いです。
石松の注。貴重な情報とご意見を賜り感謝。
でも、私は燃費問題以外にも航空機には不満があります。機内騒音と振動です。10時間も連続搭乗するとどのクラスの椅子に座っても疲労困憊します。ディーゼルエンジンが搭載されていたかつての大型客船と同じです。
昨年(平成22年)11月に体験した地中海・エーゲ海クルーズ(ロイヤル・カリビアン・インターナショナル社)のブリリアンス・オブ・ザ・シーズ(15階建て・90,090トン・2002年7月就航)はGE製ガスタービンで発電し、モータでスクリューを回すタイプでした。振動騒音は客室では全く感じられず、海上を走るホテルそのものでした。
今をときめくプリウスは燃費では突出していますが、車内騒音は11年も使っている我が愛車プログレの足元にも及びません。質量則に支配される車外からの透過音を軽量化を優先したため防止できないからです。東レなどが炭素繊維を使えば車は6割も軽量化でき、燃費が向上すると喧伝していますが、価格問題を無視しても透過音は防止できず、私には買う気が起きません。
航空機の燃費は鳥や昆虫などの模倣や不断の改善活動で今後も徐々に向上するとは確信していますが、超難問の騒音・振動問題の解決の見通しはなく、今後の最大の課題だと信じています。
C 全く存じない方・ホームページに載せて3年近く経っているのに、読んでいただいたことに感激!
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明けましておめでとうございます。
ご無沙汰していますが、お元気のようでなによりです。当方も、身体のあちこちにトラブルは抱えていますが、日々なんとか生活しています。 私が思うに身体にとって一番肝心なのは消化器官が健全であること、そのために胃や大腸の検査は定期的に行っています。次回は3月に日赤医療センターで入院検査をやる予定です。
添付のメール文書(上記Cの読後感)を拝読し、久し振りに航空機関連記事を読んで、過去を振り返りました。
航空機の飛行中の抵抗については、PILOT は速度と燃料消費との関連で肌に感じます。最後に乗っていた B747-400 では、国際線機にはウイングレットが付いていますが、国内線機には付いていません。
国内線機の場合、駐機するスポットの関係で、翼幅の制限があったためです。実際に飛んでみると、国際戦機のほうが性能はよかったですね。特に着陸時などの大迎角の場合、沈下速度が違います。ウイングレットが最も効果を発揮する場面です。巡航中は速度は
M.84 で、それほどの違いはありません。(数字的にはわずかな差はありますが)。
今後の日本の航空機産業は、エアバスA380 などの超大型機ではなく、中型機の需要に応えるように進んでゆくでしょう。三菱のMRJ はいい試金石です。成功を祈っています。
エンジンの騒音問題は、材料の高密度化と設計・試作経験で対応していくことになるでしょう。機体への取付位置も大きな判断材料です。機体後部へ直接取り付けるのと、翼下部にぶら下げるのと選択肢は2つですが、エンジンの信頼性が高くなると翼下面方式が主流になると思います。
胴体後部に直接付けるほうが、胴体中心線からのズレが小さいので、離陸時のエンジントラブルによるyawing は小さいのですが、振動による胴体内部への共振は大きくなります。双発の場合、両方のエンジンの回転数にズレがあると、ある周波数での共振振動が生じます。一般の旅客にはわからないでしょうが、専門家には感じるでしょう。
静岡のFDA が採用する機種を選定するとき、カナダのボンバルディアとブラジルのエンブラエル両機に乗り、色々な相違点を指摘し、結果として推奨したエンブラエルをFDAは選択しました。三菱のMRJ
も両者の比較検討は行ったと思います。
話が長くなりました。 このあたりで失礼します。お元気でお過ごしください。
D 高校同期・元ジャンボ機長
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小生は残念ながら「航空機の燃費」は全く理解できないのですが、CとDの読後感を拝読してなるほどと思いました。
昨年11月、日経の私の履歴書「西岡喬(三菱重工業元社長)」のなかで、「MRJ」に強い期待感をもって記述されていた意味を理解できたことです。
いずれも石松大先輩の生き方について行こうとは無理ですので、そのなかからつまみ食いをさせていただき、少しでもエネルギーをいただこうと思っています。ことしもよろしくお願いします。
小生昨年大恩師(佐野至様)の訃報あり、その恩師の教えを踏まえて今年から少し生き方を変えようと思っています。小・中学校の子供たちとの接点が持てるボランティアですが・・・・・。
本日1月10日(月)、日経朝刊「寺子屋で先生の養成を」のテーマで、テルモ和知会長の記事を興味深く読みました。なお、恩師故佐野至先生の新聞記事添付しています。拝読いただければ幸いです。ことしもよろしくお願いします。
E 大学後輩・経・元銀行員
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