台湾は隣国でありながら長い間、公私共に私には縁のない国であった。ところが4年前『アセアンのどこかに、技術支援センターを設立する価値があるかどうか』を調査・検討することになり、その調査帰りに台湾にも立ち寄ることになった。台湾駐在が決まっていた北氏の勉強も兼ねて一緒にタクシーで走り回った。
早朝と夕方、親日家のドライバーの好意に甘えて工場周辺の観光地にも迂回して貰った。終戦時に10歳だったドライバーの、日本語会話能力の高さには感嘆した。外国語の会話教育は、スタート年齢が若ければ若いほど高い成果が得られると聞いてはいたが、生きたサンプルに初めて接してなるほどと、この仮説は嫌でも認めざるを得なかった。タクシー代金が20万円を越えたのも生まれて初めての体験だった。
昨年(1994)ベトナムに出張した時、たまたまキャセイの特別キャンペーン期間に出くわし、台北・名古屋間のエコノミー往復切符を1枚入手した。2人以上で旅行する人への便宜として、同一家族に限り追加分を1枚6万円(激安切符ですら名古屋発着便は 67000円もする。一方成田発着便はその半額で売られている。名古屋空港便が冷遇されている事には心底腹立たしく感じたが、成田経由便を使えば国内線の費用が加算されるため何の価値もない)で売ると言う。妻を誘ったが激安パック旅行の方がもっと安いことが分かりがっかり。
{激安パック}≒{私の場合}={ホテル代シングル+食費+現地タクシー代+バス観光}<{妻を誘った場合}={6万円+ホテル代追加分(ツイン−シングル)+食費+バス観光}
今回是非とも出かけたかった観光地は、前回には行けなかった花蓮だけだったので結局、妻は長女と8月26日出発31日帰国の激安パック旅行(台北・高雄・台南・台中・花蓮=73000円)に参加することになった。飛行機代が只でも個々の現地費用が高く付き、私の場合でも総費用は上の式に書いたようにパック並みになってしまったのであった!
当初は旅費を下げる目的で顔見知りの駐在員宅に泊めて貰うべく、国瑞の社長&副社長にFAXで希望を伝えたら、台北事務所経由の回答から、台湾の住宅事情は大変厳しく2DK並みの小さな借家住まいであることが分かり、紹介して貰った交通至便な『六福ホテル』に泊まることに落ち着いた。
台湾の可住地当たりの人口密度は日本を遥かに超えた結果、収入が急増した台湾人と雖も、土地と住宅の獲得は相対的には日本以上に困難となってしまったようだ。大都市近郊では1戸建ての個人住宅はないも同然だった。ガイドによれば、小さいマンションの購入すら大変らしい。世界各国いずこも収入が増えれば増えるほど、土地は同国人同士の奪い合いとなり、ますます買い難くなるらしい。 |