『日本人の誰もが、気軽に海外に出かけられる時代になった』とは言っても、安上がりなパック旅行の募集は、近場の東南アジアや遠隔の欧米と中東諸国に偏り、中間地帯にどっしりと横たわる南アジア方面の企画は何故か少なかった。
ところがある日、朝日新聞の朝刊で阪急交通社の巨大広告『インド紀行5日間・名古屋空港発着・全日空・相部屋=11万9800円』にふと目が触れた。数年前には業務で『インド・プロジェクト』の一環として、人文地理・歴史・政治経済などに関する分厚い単行本(過去十年以内に発行された本・会社の図書費予算で購入)に20冊以上も目を通していた国である。爾来一度は私費ででも尋ねたい候補国の1つになっていた。
荊妻は相も変らず月火木金は専門学校と公立学校の講師として出勤中。『旅は道連れ』だけではなく、ホテル代の節約( 2万4000円減)をも兼ねて相棒を探し捲った。『気候が悪い』『風土病が怖い』『不潔』など様々な理由を耳にし、前途多難を感じていたら『救世主』が現れた。
香港・マカオにも楽しく同行して頂いた『悠々自適』の天彦さんだ。またもや、助けて頂いた!。『罹病が怖い』と、やんごとなき奥様には反対されたそうだ。2人の都合から、旅程は平成11年5月14日〜18日を選んだ。
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