今回の参加者は広島大学定年後の教授夫妻・元NHKオペラ歌手で現在大阪にある音大の教授(講師?)・老人の独り旅3人・父(引退した高校教諭)と既婚の息子・婚前旅行1組・40代の独身男1人・その他は女性(オバタリアン・OL・母娘)であった。34人中、男は僅かに10人。日本では現役の夫婦が海外旅行をする習慣はまだ少ないようだ。
3人の老人は『妻とは趣味が違う』とかで独り旅をしていたが本当の理由だろうか?。何故か無口で寂しげであった。北欧旅行に参加するような人達には旅慣れている人が多かった。添乗員は楽だったのではないか?。
海外旅行に出掛ける年寄りには同類項が多い。何故か何時までも結婚しない子供への、実質的な縁切り宣言をしている人達である。今回の定年教授の場合には40歳近い娘がいる。親子は別居。『子供のことをあれこれ気に病むのも馬鹿馬鹿しくなって止めた。既に遺言状も書いた。葬式は不要と。残された人生は夫婦でのんびり旅行をしたい』そうだ。
オペラ歌手には32歳の息子がいる。しかし一向に結婚する気がないらしい。『子供の人生に関わり合うのはアホらしくなった』ので止めた。奥さんとは趣味が合わないらしく海外旅行は何時も独り旅。横浜国立大工学部出身。一時民間会社に就職したものの退社して、どうしても行きたかった音楽大学に進み、NHKのオペラ歌手(嘱託?)として貧困に耐えてきた。それで息子には金に縁のある医学へ進ませた。自分の生き方を大切にして来た人である。
昨年の欧州パック旅行(8ヶ国・13日間)で出会った老夫婦にも、40歳近い息子がいた。父親は山之内製薬の元役員。本人が台湾の工場長をしていた時に同伴した薬学者である奥さんは『中国語を勉強していたら中国に請われて、大陸で一時大学教授をしていた』そうだ。この夫婦の場合も『子供の世話はもう止めた。自分達の人生を大切にしたい』とのことでもっぱら海外旅行に出掛けているそうだ。
80歳にもなる父親の話では『20Kgの荷物が持てる間は海外旅行ができるそうだ』。まだ大丈夫らしい。『海外旅行では日頃は高くて飲めないサントリーの“山崎”を寝酒用として免税店で買うのが楽しみ』とかで、私は旅行中にコップ1杯の差し入れを頂いた。海外出張や旅行の際には『山崎』を買う癖が、私にもとうとう伝染ってしまった。
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