春夏秋冬という季節の循環は1太陽年で完了する。しかし、1太陽年の始まりである年初をどこにおいても自由である。
古代ローマでは、現在の3月が年初の月であった。そして、閏日は年末に置いた。2月に閏日を置くのはその名残である。3月が年初であった名残は第7の月を意味するセプテンバーが9月であり、第8の月を意味するオクトーバーが10月であることからもわかる。
ヨーロッパ各国間でも17世紀頃までは年初の月日が違っていた。例えば、イタリアでは18世紀までベネチアは3月1日、ピサは3月25日、フィレンツェは3月26日が年初であった。イギリスでは、12月25日(クリスマス年初)を採用していたが、14世紀に3月25日(受胎告知年初)に変更され、1752年にグレゴリオ暦(太陽暦の新暦、日本の西暦)を受け入れた法令が発布されたとき、現在の1月1日にしている。
中国で発達し日本で受容した太陰太陽暦は、農耕用であったので二十四節気の立春を年初と考えていた。
そして、現在の日本では1月1日から始まり12月31日に終わる一年を暦年と唱えている。したがって、私たちは年初は1月1日であると考えているが、会計年度や学校などは4月1日に始まる。ちなみに、アメリカでは7月1日に始まる。
このように、年初は本来どこにおいてもよい。グレゴレオ歴が1月1日においているだけである。そして、このグレゴリオ暦はもちろん日本で西暦と呼ばれている暦である。
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