WHO調査 携帯電話でガン

日本では、確認できず なのだが…


 下の2つの記事を見比べて欲しい。


携帯で発がん、確認できず WHO機関が大規模調査

2010年5月17日 10時51分

 【ジュネーブ共同】携帯電話が発する電磁波が脳腫瘍などのがんを引き起こす恐れについて、世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)は16日までに「携帯電話の使用が脳腫瘍の発生の危険を増やすとは認められない」とする、過去最大規模の国際調査の結果をまとめた。近く医学専門誌に掲載される。

 調査は日米欧など世界13カ国で脳腫瘍の患者と健康な人、計約1万3千人と面談。携帯電話の使用頻度や使用期間ごとに細かく分類し、患者と健康な人の人数が各層でどう違うか調べた。

 その結果、使用を「日常的」とした人や「10年以上」とした人の割合は、患者よりも健康な人の方がむしろ多く、携帯使用と脳腫瘍の間に関係はみられなかった。


携帯で発がん、確認できず WHO機関が大規模調査

2010/5/17 11:28

 【ジュネーブ=共同】携帯電話が発する電磁波が脳腫瘍(しゅよう)などのがんを引き起こす恐れについて、世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(本部フランス・リヨン)は16日までに「携帯電話の使用が脳腫瘍の発生の危険を増やすとは認められない」とする、過去最大規模の国際調査の結果をまとめた。近く医学専門誌に掲載される。

 調査は日米欧など世界13カ国で脳腫瘍の患者と健康な人、計約1万3千人と面談。携帯電話の使用頻度や使用期間ごとに細かく分類し、患者と健康な人の人数が各層でどう違うか調べた。

 その結果、使用を「日常的」とした人や「10年以上」とした人の割合は、患者よりも健康な人の方がむしろ多く、携帯使用と脳腫瘍の間に関係はみられなかった。

 ただ、細分化したグループのうち、もっとも累積使用時間が長い「1640時間以上」使った人の割合が、神経膠腫(こうしゅ)患者で健常者の1.4倍という極めて高い数字を示すなど、一部の層に携帯使用と腫瘍の因果関係を示唆する結果も出た。しかし、同機関はこうした数字はいずれも「統計の偏りや誤差による限界があり、因果関係があるとは解釈できない」と結論づけた。

 一方、同機関幹部は「携帯電話の使用パターンは時代とともに変化しており、さらに調査を進めるべきだ」としている。


 上は日経新聞の記事で、下は東京新聞の記事である。違うのは「ただ、…」以降である。それもそのはず、これらはどちらにも【ジュネーブ=共同】と有るようにどちらも共同通信のニュースを載せているだけであるから、同じ内容と言うより文言になっていて当然なのである。

 ただ、編集の自由は各社にあるので、内容を変えずにバッサリ切ってしまう場合もある。それがこの場合は「ただ、…」以降である。しかし、日経の記事を読んだだけだと、「その結果、使用を「日常的」とした人や「10年以上」とした人の割合は、患者よりも健康な人の方がむしろ多く、携帯使用と脳腫瘍の間に関係はみられなかった。」で終わっており、「健康な人の方が癌患者より携帯をよく使用している」→「携帯を使用した方が癌になりにくい」と言うような結論まで誘導できてしまう

 しかし、この研究はそもそも「携帯電話が発する電磁波が脳腫瘍などのがんを引き起こす恐れ」を調査しようとするモノであったから、流石にそう言った結論を出すわけにはいかず、「携帯使用と脳腫瘍の間に関係はみられなかった」で結んでいる。

 しかし、「ただ、…」以降を読めば、「一部の層に携帯使用と腫瘍の因果関係を示唆する結果も出た」とある。しかし、「こうした数字はいずれも「統計の偏りや誤差による限界があり、因果関係があるとは解釈できない」とあくまで因果関係を否定している。

 しかし、一方、一応、「携帯電話の使用パターンは時代とともに変化しており、さらに調査を進めるべきだ」としている。この意味は国内の報道を見ているだけでは解らない。


【5月17日 AFP】携帯電話の使用と脳腫瘍(しゅよう)発症リスクとの間に、明確な関連性は見つからなかった――。

 世界保健機関(World Health Organisation、WHO)の国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer、IARC)の出資で行われた研究で、このような結果が出た。18日の医学誌「国際疫学ジャーナル(International Journal of Epidemiology)」に掲載される。

 この研究は、携帯電話使用の安全性に関するものでは過去最大規模。13か国の神経膠腫(こうしゅ、グリオーマ)患者2708人と髄膜腫患者2409人を10年間にわたり調査した。その結果、10年間携帯電話を使い続けることによる脳腫瘍発症リスクの増加は、確認できなかった。

 ただ、ヘビーユーザーにおいて「リスクが高くなるという示唆」はあったという。これらのヘビーユーザーのうち、頭の同じ側に携帯電話をあてて使った患者群では、神経膠腫で40%、髄膜腫で15%発症リスクが高まった。

 もっとも、この点については偏りや誤差のため容易な関連づけはできないという。研究では、「ヘビーユーザー」の定義を1日30分の利用としており、これは今日の基準では決して頻繁な利用とは言えないため、研究チームは更なる研究の必要性を指摘している。

 さらに、急速にヘビーユーザー化する若年層が今回の研究対象に含まれていないことから、今後の研究が必要だとしている。これについては、欧州連合(EU)の出資で、幼少・若年期における携帯電話使用による脳腫瘍リスクの新たな研究が行われるという。

 一方で研究者らは、最近の携帯電話は電磁波の放出量も減り、ハンズフリー機器やメールの人気が高まったことで、頭部が電磁波にさらされる機会は減っていることにも言及している。(c)AFP


 AFPはフランスの通信社だが、この記事では、「ヘビーユーザーにおいて「リスクが高くなるという示唆」はあったという。これらのヘビーユーザーのうち、頭の同じ側に携帯電話をあてて使った患者群では、神経膠腫で40%、髄膜腫で15%発症リスクが高まった。」事を掲載している。

 そして、さらに、以下の2点のこの調査の根本的な瑕疵を指摘している。
 @研究では、”ヘビーユーザー”の定義を1日30分の利用としており、これは今日の基準では決して頻繁な利用とは言えない
 A急速にヘビーユーザー化する若年層が今回の研究対象に含まれていない


 そして、英タイムズは、Heavy mobile users risk cancer”(携帯のヘビーユーザーは癌の危険がある)と言う見出しで、 以下の書き出しで始まる、日本の全ての新聞が載せている共同配信の記事とは論調が根本的に異なる記事を載せている。以下拙訳。

 PEOPLE who use their mobile phones for at least 30 minutes a day for 10 years have a greater risk of developing brain cancer, a landmark study has found.

 1日に少なくとも30分間携帯電話を使う人々は、10年間では、脳腫瘍になるリスクはより大きなる事が、画期的な研究で解った。

 悪性の腫瘍に苦しむ機会は、WHOによる待望のリポートによると長期の使用によって3分の1以上に増大させられる。

 その種の研究としては最大である13の国のInterphone研究の10に及ぶ結果は、その出資に寄付した電話産業と送受器からの放射線の危険性を警告する運動家の両方によって熱心に予期されている。

 今週出版されるであろうその結果によれば「最も重いユーザー」カテゴリーだけでは神経膠腫腫瘍(脳腫瘍のタイプ)ができる危険な状態が増大していることを示す。

 しかし、このカテゴリーは、規則的に、1日に30分以上にわたって携帯電話を使う誰でも含む。

 彼らは、他のユーザーの中には癌の危険増加が全然なかったと断定した。しかし、リポートは、その発見の妥当性の上で議論を引き起こすことを期待されている。

 科学者は、彼らの言う高頻度電話使用者が大雑把な分類であり、さらに30歳未満の電話ユーザーが研究から除外されているため、より多くの研究が必要であろうと認めている。

 インターホン科学者は「規則的な」モバイルのユーザーを6ヶ月の期間の間に1週間に1回の電話をかけていると定義している。研究における平均的な携帯電話使用は1ヶ月間に2時間から2時間30分の間であった。

 「今日携帯電話使用はもっとずっと普及しており、若者は1日に1時間またはそれ以上の間、携帯電話を使うことは珍しくない」と科学者は発表の中で言った。

 インターホン研究によって提起された問題のいくつかは戸惑わせる。

 統計では、使用頻度のより低いレベルでは、研究の作者さえ信じがたく、拒絶したいくらいだが、携帯電話が実際にはガンを保護することを示すようである。

 インターホン研究への批評家達は、この研究は5,000人を超える脳癌患者とのインタビューに基づいたものであるのだが、省略や間違いをこのまま放っておくと、これまでの結果が損なわれると主張する。

 彼らは、癌を起こす携帯電話の放射量は研究が示すよりずっと大きいと信じる。

 EUによって支援された新しい研究は、子供における脳腫瘍と携帯電話使用の間のに関係が有るかどうかを調査するために始められているとしている。


 さらに英テレグラフはLandmark study set to show potential dangers of heavy mobile phone use”(画期的な研究により携帯電話の重度使用は潜在的な危険があると指摘する)と言う見出しで以下の記事を載せている。以下拙訳。
 

携帯電話の重度の使用はある種のガンと関連しうるという画期的な研究は、この種類としては最も大規模な調査の結果が来週提示されるであろう。

画期的な研究には、携帯電話で定期的に長い会話をする人々は、決定的な死を避けられない脳腫瘍ができる潜在的な可能性を増大するという幾つかの証拠を含むであろう。

その発見は、英国で、特に子供の間に携帯電話の使用が増大したにもかかわらず4年間変化がないままである携帯電話の安全上の健康のためのアドバイスを政府に更新させる気にさせるかもしれない。

しかし、10年間、及び、1500万ポンドポンドもこのところは130円台だがこの10年間を見てみれば平均で150円くらいと見ると実に22億5000万円)をかけたインターホン・プロジェクトに寄与していた13か国の科学者は、彼らが仕事に関与した時間と費用にもかかわらず、得られたデータは誤差により、確定的でなく、影響され易いという批判に直面しそうである。

研究は、携帯電話への露出が3タイプの脳腫瘍の発生と結び付くかどうかを調査する1998年に国際がん研究機関(IARC)(国連のWHOのエージェンシー)によって始められた。

携帯電話によって放射される高周波放射線が人体によって吸収される事、特に、送受器が耳に当てられている場合はより多く頭に吸収される事は知られていた。しかし、頻繁な携帯電話使用が健康を損うかどうかについての研究は、主に、テクノロジーが広く使われてからまだ短期間のため確定していないので決定的でないとされていた。

そこで、2000年から2004年の間で、研究者は腫瘍患者と健康状態にある人々-合計12,800人に携帯電話の使用により異なったかどうかを確かめるにインタビューした。

個々に出版されている研究のいくつかでは、10年間1日に約30分間携帯電話で話した人々の間では、最も一般的なタイプの脳腫瘍である神経膠腫発生の危険性を示している。腫瘍ができた多くの人において、彼らが送受器を持っていたのと同じ側の頭に(ガンが)成長するのが示された。

結論の要約としては:
「北方人種の国と英国の一部からのデータの集積では、10年以上の期間の携帯電話の使用と関連した神経膠腫の腫瘍の発達した頭の側にかなり大きな危険性を生み出すと関係づけている」。

「インターホン」は、証拠が決定的でないのと、その信頼性の上の問題のため、携帯電話が癌を起こすと断言することをためらうであろう。

「携帯電話ユーザー」の定義は、ただ、1週間に1回の電話をかけた人々を含み、多くの人々に、彼らが数年前から、彼らが何回携帯電話を使ったか、そしてどちらの耳に押さえたかを正確に思い出すように強いるのだが、それは出来ないであろうと心配している。

短期間使用に基づく結果のいくつかでは、携帯電話が癌を防ぐと示しており、この研究デザインが重大な瑕疵を持っていた事を示唆している。

脳腫瘍ができた人々は、彼らの携帯電話の以前の使用などの何かによって起こされたにちがいないと信じそうである「リコールバイアス」により、ポジティブな結果が説明されうると主張されている。

作者がどのように最終的な結論を示すかを議論する間、4分の1が携帯電話産業によって出資された研究の最終結果紙は4年の間遅延しているけれども、来週学術雑誌の中で発表されるであろう。

世界の40億人の携帯電話オーナーの間のより頻繁な使用、特に若者の間でずっと高いと言うことは、放射能被爆が現在「インターホン」の中で使われたデータより、より多くの研究を要求し、また、警告するであろう。

その限界にもかかわらず、「インターホン」は携帯電話は安全と言う中で実行された最も大規模な研究なので、世界中の健康省と10億ポンド規模の通信業界は、その発見を多いに信頼しそうである。

保健省は4年以上の間その案内を更新せず、ただ、子供が、「必須でない」電話をかけることを「思いとどまらせられる」べきであり、一方おとなは「電話を短くしておく」べきであることを提案しているに過ぎない。

しかしながら、他の国々では、ハンズ・フリーのセットを買うか、電話をかけるよりもテキストを送るか、子供に向けられた電話の広告を禁止することをユーザーに勧めている。


即ち、今となっては瑕疵のある研究から、現在ではよりありそうなヘビーユーザーが脳腫瘍になるリスクを警告している。これが研究論文を「読む」と言うことではなかろうか。

 そして、極めつけは、米国での”米国ニューヨーク州レンセリア、ニューヨーク州立大学オールバニ校健康・環境研究所:10年間のINTERPHONE携帯電話研究で、脳腫瘍の危険性の増大を報告”です。

 Rensselaer, NY, May 18, 2010 - (JCN Newswire) - 10年におよぶ世界保健機構INTERPHONE研究の最終成果が本日発表され、前回の報告で多くの専門家たちが警告していたとおり、成人が携帯電話を日常的に使用している場合、神経膠腫の危険性が大幅に増大することが裏付けられました。1640時間以上の使用で(つまり、10年以上毎日約1.5時間使用すると)、危険性は40%高まります。頭部の、電話をよく使っていた側に、脳腫瘍が発生しやすい傾向があります。

BioInitiative Reportの共同編集者で、米国ニューヨーク州レンセリアのニューヨーク州立大学オールバニ校健康・環境研究所所長のDavid Carpenter (MD MPH)は、次のように述べました。

「この研究は完全なものではありませんが、報告書にまとめられた危険性については、特に子供に対する携帯電話の使用頻度と使用方法の制限や、メーカーに対する携帯電話やPDAの設計見直しの要求を促す警告として、深刻に捉えるべきです。この報告結果は、新しい無線技術の展開が、一般市民へのリスク拡大につながり、意図せずに長期的医療費を増大させる結果となりうることを、各国政府に警告するものでもあります。」

研究報告は、International Journal of Epidemiologyに掲載されています。世界各国の13のチームが、成果をまとめました。

ウィーン医科大学環境保健研究所所長のMichael Kundi氏は、研究について次のように述べました。「著者たちは、全般的にはリスクの増大は見られなかったと述べています。しかしこれは、予想を裏切る結果ではありません。たばこやアスベストなど、脳腫瘍や肺がんなどの固形がんの原因となる発がん物質にさらされている場合でも、このような短い期間では、がんの危険性の有意の増大が見られたことがないからです。脳腫瘍の潜伏期間は15〜30年です。」

INTERPHONEの調査結果は、スウェーデンのエーレブルー大学病院、米国のユタ州立大学およびカリフォルニア大学バークレー校で行われた前回の調査で、脳腫瘍研究の結果と組み合わせた結果、すべてのメタ分析で、神経膠腫の危険性の増大が報告されたことを、さらに裏付けるものです。

スウェーデンのエーレブルー大学のLennart Hardellは、次のように結論付けました。「本校の他、いくつかの調査グループにより、携帯電話の使用により脳腫瘍の危険性が増大することが発見されましたが、INTERPHONEの最終調査結果は、それを裏付けています。日常的に携帯電話を使用している人々以上に、脳腫瘍の危険性が大幅に増大する発がん因子は、それに長期間(10年間以上)さらされているのでない限り、ほとんどないと予測しています。」

「この調査に協力した患者は30〜59歳で、若者と老人は含まれませんでした。コードレス電話の使用は、分析の対象外としました。国によっては、一部のコードレス電話の無線電波の放射量も、携帯電話と同じ程度に高い場合がありますので、このような機器の使用について考慮しないために、危険に対する評価が低くなった可能性はあります。」

全世界での40億人以上の人が携帯電話を利用していますので、脳腫瘍の蔓延の可能性を憂う専門家たちは、携帯電話の設計の見直し、警告、小児による使用の禁止を呼びかけています。携帯電話から出る化学物質と無線電波の両方について、生活の中でさらされる有害物質の悪影響は、成人より子供の方が危険性が高いです。子供の発達中の脳や神経系に、無線電波が放射されることによる悪影響について、専門家たちは憂慮しています。

携帯電話や、他の電磁場(EMF)にさらされることの潜在的危険性について、The BioInitiative Reportでは2007年に市民の健康に対する警告を提起しました。同誌では、健康調査に先立って、無線技術を使ってEMFや無線電波を発する機器の設置をこれ以上進めないように忠告し、新技術により発生する危険に対処するために、生物学に基づいた安全制限を新たに設けるべきであると論じました。INTERPHONEの研究成果は、これらの警告の重要性を強く裏付けるものでした。


「携帯電話の使用が脳腫瘍の発生の危険を増やすとは認められない」と、
「INTERPHONEの研究成果は、これらの警告の重要性を強く裏付けるものでした。」と言う文とでは、
同じ報告書を元にして原稿を書いているはずなのだが、読者感覚的には、前者では携帯は大丈夫、後者では携帯はヤバイで、言うまでもなく前者は日本、後者は海外の報道。

 どうして、こうした時には日本国では大好きな「海外では」とか、「欧米では」が登場しないのか?やはり、都合の悪いニュースは”輸入”しないと言う”情報鎖国”は一部で生きている。もちろん今では知ろうと思えば知ることが出来るのだから、流石に江戸時代とは違うのだが。何れにしてもこのニュースはTVには全然登場していないから、マスコミ的にはそもそもが”大したニュースではない”のかも知れないが。

 そう言えば、思い出したのだが、「携帯電話端末では世界最大のシェア(39.19%・2007年第三四半期)を制して圧倒的な規模を誇っている」ノキアの本国フィンランドでは、路面電車の中で若者の殆どが携帯を弄び、はたまた大声で電話しているのにはビックリでしたが、これも”国策”なのでしょうか。まーそれでも、電車の中でヘッドフォーンから「釈迦、釈迦」音が漏れまくっているよりは遙かに増しですが。

 今回この携帯電磁波のニュースを一読して、ガンとの関係を否定するような国内の新聞報道は、国策の意図を伺ったかどうかは不明だが、結果としては、今後も「科学的証明が明確に行われない限り大丈夫」という日本国においては、「携帯は大丈夫」という主張の論拠となるでしょう。
 しかし、携帯一台一日1時間半10年間で発ガン率が高まるのですから、24時間365日、電磁波を発し続けているはずの「携帯基地局乱立」を憂える方々のお気持ちはいかばかりでしょうか。

 こうした慢性的に或る一定の刺激を人体に与え続ける事は「転石石をも穿つ」とは意味は反対なのだが、文字通り人間の脳や骨を穿ったりボロボロにしてしまう可能性は否定できないとは思うのですが、エコキュートなどの低周波音・振動も当にこれに当てはまるのです。風車の場合はエネルギーがエコキュートや携帯などとは比べようもないほど遙かに膨大なので即座に人体に影響が現れるのでしょう。

 携帯電話で、「10年間1日に約30分間携帯電話で話した人々の間では、最も一般的なタイプの脳腫瘍である神経膠腫発生の危険性を示している。」と有るから、単純に1日1時間使用で5年間、2時間使用で2.5年間で、ガンが発生し易くなるとは素人私でも流石に思わないが、それに長話と、回数だけは多いが短い場合とではこれまた異なるであろう。それにしても全被爆量は間隔による減衰を考慮しても、小学生で携帯の長電話をしている子供はタバコと同じように決して良いものではなかろう。メールなら良いのかも知れない。

 もちろんこうした推論は医師にしろ、理工学者にしろ、"専門家"と名の付くような人は認めないでしょう。
 
 と、実は、まーこれを言うだけのために今回は各紙を長々と引用させていただいたわけですが、折良く、本日の中日春秋に”「あるのかないのか分からない」「あってほしくない」ものでも見つけ出す。それこそが、プロの仕事だ、と。”あった。



携帯の電磁波に発がんリスクの疑い=WHO専門組織 ロイター 2011年6月1日(水)11時3分配信

 5月31日、国際がん研究機関(IARC)は、携帯電話の頻繁な利用によって特定の脳腫瘍が引き起こされるリスクが高まる恐れがあるとの見解を示した。

 [ロンドン 31日 ロイター] 世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC)は31日、携帯電話の頻繁な利用によって特定の脳腫瘍が引き起こされるリスクが高まる恐れがあるとの見解を示し、消費者に対し影響を最小限にとどめるための措置を講じるよう促した。

 14カ国の科学者31人から成るIARCのチームは、携帯電話が健康に与える影響について入手可能な全ての科学的証拠を調査。その結果、携帯電話の使用について、5段階で示される発がんリスクのカテゴリーで、上から3段階目となる「発がん性が疑われる(possibly carcinogenic)」に位置づけた。このカテゴリーには他に鉛、クロロホルム、コーヒーなどが含まれる。

 調査チームは、より明確な答えを得るには長期間にわたる詳細な研究が必要とした上で、今回の判断を受けて、WHOが携帯電話の使用に関するガイドラインを見直す可能性があるとの見方を示した。

 WHOは過去に、携帯電話の使用とがんの関係を示す明確な証拠はないとの見解を示していた。

 IARCのチームを率いたジョナサン・サメット氏は電話会見で、原則的に関連する全ての証拠を調査した結果、携帯電話の電磁波について発がん性が疑われるとの判断を下したと説明。一部の証拠では、携帯電話の使用と神経膠腫(グリオーマ)と呼ばれる脳腫瘍のリスク増加との間に因果関係が示されたと述べた。

 携帯電話の発がん性をめぐる調査では、これまで明確な因果関係が示されていなかったが、今年2月の米国の研究では、携帯電話の使用が脳細胞の活動に影響を与えると指摘している。

 IARCのディレクターを務めるクリストファー・ワイルド氏は、特に長期間にわたる携帯電話の頻繁な利用について、一段の調査が行われることが重要と指摘。「さらなる調査結果が明らかになるまでの間は、携帯電話のハンズフリー機能やメール機能を用いて(脳への電磁波の)影響を軽減するなど、実際的な取り組みを行うことが大事だ」と述べた。

 一方、業界団体はIARCの報告に反発している。

 米移動体通信産業協会のジョン・ウォールズ氏は「発がん性が疑われる」とのカテゴリーには日常摂取する野菜の漬物やコーヒーも含まれているとし、「(IARCの判断は)携帯電話ががんを引き起こすということを意味しない」と述べた。

 ウォールズ氏は、IARCの調査チームは既存の研究結果を調査しただけで新たな研究を行っていないと指摘。米食品医薬品局(FDA)などの他の規制当局は、携帯電話の発がん性を示す十分な科学的証拠はないとしている、と述べた。

 英国の携帯電話事業者協会(MOA)のエグゼクティブディレクター、ジョン・クック氏も声明で、IARCは危険性がある可能性を指摘したに過ぎないとの見方を示し、「一段の科学的な調査が必要」と述べた。


 追 携帯電話と発がんについての国立がん研究センターの見解 2011.6.28

 関係機関が、真っ当そうな見解をなんやかやと否定してきた事を考えると、、ここまで意外と真っ当な見解を出すと言うことは先ず間違いなく、いずれこれが”当然の常識”とななる可能性があり、真実と考えて良いのではないか。

 「…。今回のIARCの調査結果でも通常の携帯電話による通話が悪性脳腫瘍であるグリオーマの発生につながるという十分なエビデンスはないが、携帯電話とグリオーマの発生について、今後も慎重に調査を進めていく必要がある。ただし1640-2000時間にもおよぶ累積通話時間が大きい群では、グリオーマの発生のリスクがあることが報告されており、過度の携帯電話による通話は避けたほうがいいと考える。子供は成人に比べて携帯電話によるエネルギーの脳への影響が2倍以上という報告もあることや、20歳未満の子供が長時間携帯電話で通話した場合の発がんへの影響についてはまだ報告されていないため、小中学生・高校生の携帯電話の使いすぎは注意すべきである。」

 今般の原発による放射能暴露の影響などを考える場合、当然こうした考えが敷衍して採られるべきだ素人は思うのだが。



最後まで読んでくれて有難う

100518,110602,110709


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