続 和歌山県由良町:風力発電低周波健康被害私論 6/7
究極の静けさの中で微かに聞こえる風車音
研究室よりも理想的な低周波音長期暴露"人体実験"
後方:風車群 写真と内容とは直接関係ありません |
12.「A特性音圧レベルで35dB」に業界は猛反発
「風車騒音に於いて低周波音は問題無い」とするには、詰まるところ、「産官学」打ち揃って具体的な適策がない訳で、結局は可聴域の音が”犯人”としてしてしまう。しかし、この音の影響も無いようにするには、技術的には工場騒音等で、「5dB下げる(音感上半分になると言われる)」だけで大変な事という機械の世界で、挙げ句に野ざらし状態で騒音を四方八方に轟轟と発している風車にとっては、それはそれは大変なことであろう。
しかも、以前、エアコンの室外機の騒音でメーカーに聞いた時に、結局、「機械音をいくら下げても、風切り音だけは消せない」と言う話であったのだが、風車に於ける可聴域騒音は将にこの「風切り音」であり、風車騒音問題の犯人をこれだけにしてしまおうと言う訳だから、素人的にも、非常に難しいと思える。
詰まるところ、いつも「科学の論理で騒音は距離が離れれば大丈夫(距離による音の減衰)」と言っているのであるから、とにかく住家との距離を今のように、”科学の理論(音の距離減巣)と人間の可聴域限界(閾値)から、百m単位で離せば大丈夫”という話は、現状の被害発生状況に否定された訳で、少なくともkm単位で離さなくてはダメ(多分それでもダメだとは思うが)と言う、極々当たり前の結論、を「官学」は出し、その具体的な方策は事業者に“丸投げ”した。
挙げ句に一律の具体的な距離を示すことは出来るわけも無く、”音が聞こえない程の距離”というのだから、業界的には”無茶じゃん”てな具合になり、業界が猛反対するのもごもっともである。ほぼ可能なことを言っているわけで、勘ぐれば現実的な実現性が大いに疑問である。
13.最初に"逆戻って"T氏宅の騒音は
それにしても“風車騒音苦情者”宅における風車騒音が如何に問題ないかを報告書は綿々と述べている。
以下引用。
8.総評
しかしながら、それらの音圧レベルは超低周波音に関しては感覚閾値を大きく下回り、可聴域に関しては、一般的な地域における住宅内での測定事例を下回っていた。
ON/OFF調査結果から由良風力発電所の稼働時、停止時ともに観測されたことから、これらの周波数成分は由良風力発電所に起因するものではないものと考えられた。
屋内外の騒音・低周波音について、同程度の風速時におけるブレードの回転時と停止時の比較を行つたが、屋内においては騒音・低周波音ともに由良風力発電所に起因すると考えられるレベルの変化は特段見られなかった。
ON/OFF調査結果から、30Hz、200Hz、500Hz付近の成分は、由良風力発電所に起因するものではないものと考えられたが、屋外においては20Hzから30Hz付近に由良風力発電所のブレード回転によると推測されるような成分が観測された。
しかしながら、それらの音圧レベルは超低周波音に関しては感覚閾値を大きく下回り、可聴域に関しては、一般的な地域における住宅内での測定事例を下回っていた。
T様宅の屋内外において測定された低周波音は、稼働による増加がほとんどないことに加え、屋内外ともに一般的な生活環境におけるレベルにとどまっており、これにより影響が及ぶ可能性は極めて低いものと考えられる。
12.T氏宅は「一般的な生活環境」を遙かに凌駕する環境である
だが、しかし、繰り返しで実に諄いとは思うが、「T様宅」の特に屋内に於ける音環境は、そもそもにおいて、「一般的な生活環境」などとは比ぶべくも無い、「超特級のレベルの音環境」なのである。
当該地域には格別の環境基準が無いと聞く。何故無いかを考えると、当該地においては、その必要が無い程環境が良好or“いなか”であるからでもあろう。
もちろん騒音的に最も大きいであろう交通騒音の影響は住民は格別気にしてもいない。従って、単に「道路が近くにある」と言うことだけで、「A地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域」基準「昼間60dB-夜間55dB」を援用した事はさして問題は無いかも知れない。
もし、そうしないと、通常基準の「昼間A及びB 55dB夜間45dB」(格別の基準が無い場合はこれを援用することが多いようである)では「昼間の測定値52dB」がギリギリのクリアになるので、「極めて低い」として、風車騒音完全無罪を“弁護”するための“説得力”にかけるとでも思ったのでもあろうか。
しかし、T氏宅の屋外でさえ50dB前後である。それを、「風力発電施設周辺の民家等(屋外)35dB」などと言うことは、元々理想論だけで、少なくとも当面無理なことではなかろうか。ただし、「風力発電施設周辺」と言うのがどのくらいの距離なのか、恐らく「直近の民家等」と言うことで無くてはならないが、T氏宅は道路の自動車の騒音が無ければ25db前後なのだから、そもそも道路がなく、道路村の無いところでは、35dbというのもそれなりにウザイはずだ。
141019
13.由良町 こんにちは議会です 風車騒音の健康への影響は誰が診断するのか"? 気象協会の報告書は役場用と住民用と2種類あるのか?