4.2.4 主流派の見解への対案
4241
低周波音の測定値と感覚閾値や参照値との比較ではなく、体感調査によって決めるべきである

 前項の私の見解は、著者に依れば主流派の見解である「@測定値と参照値との比較及びA体感調査」とコンセプトは同じだが、@は個人差も或る一定の範囲で測定値と参照値の値域内に有ると考える。そして、Aだが、現実としては、低周波音とはどう言ったモノかさえ知らない(=低周波音は聞こえないと思っている)第三者の方が多いのだから、少なくとも現場に赴く行政の"専門家"にはそれなりの「講習」がなされるべきであろうが、現実としては現況での測定でさえ時間的に無理という行政が、深夜、早朝に現場に出向くであろうか、はなはだ疑問である。あるいは低周波音被害を訴える住民に対しては特別の計らいでもあるのであろうか、などと考えると著者の主張は余りに非現実的としか言いようがない。

 少なくともそうした最低限の手続無くして、被害者の言うがママに被害を認めれば、有り得ないとは思うが、偽低周波音被害者が出てくる事は明らかである。

4242 汐見説への根本的な疑問
4243
耳鳴り説についての汐見氏の見解
4244
体感調査についての汐見氏の見解


 著者はしつこく汐見説での耳鳴り説への無理解な見解に疑問を呈している。しかし、耳鳴りと低周波音との違いはハッキリしている。@客観的に近隣に於ける騒音源の有無。A主観的には外からの音か頭内の音かと言う発生具合。B音の質の違い。などでこれらを総合すればその違いは明瞭である。

 著者は「汐見氏は、本人が低周波音による被害で有ると主張しているならば、それはすべて低周波音による被害である、としか思えないことである。」としているが、それは明らかに著者の間違いである。それには幾つかの理由があるが、まずは汐見氏ほどの年齢の医師は真っ先に間違いなく何よりも今時の検査データではなく「問診」を重んじることである。これこそ言うまでもなく主流派が採用しているとする「体感調査」である。これなくして低周波音症候群の診察が始まることはない。

 そもそも低周波音症候群発症時の諸症状を提起しているのは汐見氏自身である。それは氏の現場での問診の蓄積であるはずだ。低周波音症候群の症状の数々は今時の諸検査によっても格別の異常としては認めらないのであるから始末が悪く、「問診=体感調査」から医師とて異常症状を把握するしかあるまい。「体感調査=問診」は氏にとっては敢えて言うまでもない事なのである。そして、体調の不良と低周波騒音を関連づけられるのは医師であり、決して単なる低周波音の"専門家"ではない。

 汐見氏がかつて多くの低周波騒音現場に自ら赴き測定するという作業を重ね、そこでの測定の積み重ねにより、「騒音原因の低周波音における一定の周波数のピークの存在を発見する」に至ったはずで、簡単に言えば、汐見氏はむしろ「患者の言いなりではなく、患者の言いにはやはりそれにはそれなりの理由が有ることを確認すべきと考えていたわけで、むしろそうした作業の積み重ねから一連の症状と現場の相関関係=原因結果から一連の症状に「低周波音症候群」と命名されたはずである。

4245 汐見氏のその他の主張について

(1)秘密測定

 著者は「基本的には、このような問題がある秘密測定は行う意味はないと思う。」としている。果たしてそうだろうか。汐見氏の例では「深川市における低周波音被害責任裁定申請事件」をご覧頂きたい。なかなかのサスペンスだ。
 ついでに長くなるが私の場合の市の測定状況を拙文「黙殺の音」の中盤からの一部を読んでいただきたい。そこまでに至る経緯については黙殺の音 第ゼロ章  実録.

9・4  録る撮る 
9・4・1 準備万端


 2003/01/11。ビデオ・カメラを購入。ソニーのDCRTRV50。昨晩も午前2時頃から20分以上もアイドリングをしていたと子どもから連絡があった(このころ私は既に引っ越していた)。月曜日には撮るぞー。
 「相手業者に近々に測定をする旨を伝える」と課長が言っていた事を思い出し、「録画するのでそれまで待ってくれ」と連絡。

 2003/01/12。昨晩も「午前4:00から30分以上もアイドリングを続けている車がいる。ウザくて敵わんので屋上のライトをまともに運転席に向けてやったのに全く無視している。」と子どもから連絡があった。

 夕方からビデオをセット。ズームは充分だが、広角が今一引けない。駐車場の全体が入らない。これ以上は引きようがない。斜め方向から撮ることで何とかぎりぎりクリア。

9・4・2 不可思議 

 2003/01/13。昨夜というより、未明のビデオを見る。

 何となくワクワクする。いやー、家庭用ビデオと言えども暗がりでの撮影能力は結構なモノである。車のライトには充分反応する。音も結構良い。通過交通の音は煩いぐらいに良く録音されている。深夜というのにかなりの交通量である。よくもマー今までこれらに全く気付かず寝られていたモノであると我ながら感心。

 おかしい、おかしい

 不思議。不思議。不思議。不思議。不思議。不思議。不思議だ〜〜〜〜〜〜〜

 23:39:30 入庫   停止 23:42:43
 02:11:40 入庫   停止 02:15:40
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 06:14:12 始動   出庫 06:16:50
 06:37:27 始動   出庫 06:42:50

 何がと言って、アイドリングの時間が短すぎる。あの20分以上にわたるアイドリングはどうしたのだ?

 テレビの画面は白々と明るくなり、最後の車も出て行ってしまった。


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