12:37 | たまこの誕生だ。 うちに姫が来た! いつのまにか、パジャマのボタンがはずされてて、 白いタオルに包まれた赤いたまこが胸にのせられた。 ぬるくて、あったかいんだぁ〜。 なんていとしいんだろう。 「おりこうだったね〜!いいこだったね〜!狭いところでがまんさせてごめんね〜」 バカみたいに何度も泣きながら、私。 後ろにいたとうちゃんは、 ビデオのレンズ越しに出産のすべてをしってしまったタクは、 そしてハッチは、 どんな顔でどんなことを思ってたのかな。 出産って気もちいいものだってなんかの本に書いてあったけど、 気もちいいとはいわないが、どんなできごとより心がとんでっちゃいそうなくらいにはずむ瞬間だ。 胸にのせたままパジャマのボタンをとめてもらった。 本当にカンガルーみたい。 血だらけで、胎脂が白くいっぱいついてて、すごいのかな、とおもっていたんだけど、 まさにこれぞ「あかちゃん」っていうくらいにあかいだけで、意外ときれいに産まれて来た。 ペアレンツクラスで見たビデオ。 生まれたての赤ちゃんが自分で動いておっぱいまでたどりつくっていうの。 そんなふうに自分のあかちゃんもできたらいいな、と思っていたけど、信じてなかった。 でも、ほんとう! たまこは細いあんよで私のおなかをけって、上に移動してくる。 そして、おっぱいまで来て、顔を近づける。 目も開いてないのに! 証拠がデジカメにとってある。 土偶のような生まれたてのたまこと私の乳首がうつってる。 ・・・ので証拠はここにはのせられない。 小さいお口におっぱいが入るように少し手伝ってあげると、 ちうちうやりだした。 ちうちう・・・ちくちく・・・ずーっとずーっと・・・ そうそう、臍の緒は、おっぱいのんでるたまこと私の子宮にある胎盤をつなげたまんまだ。 臍緒をさわってみると、とくとくって血がまだ通ってる。 最後のお仕事を胎盤と臍の緒ががんばってる。 だんだん、ぴんぴんだった臍の緒はしおれていって、役目を終える。 ちょっと躊躇しながらとうちゃんが臍の緒をきってくれた。 たまこの独り立ちです。 胎盤もしばらくすると、にゅるりと出てきた。 たまこを育ててくれた、お腹の中のお母さん=胎盤に「ありがとう」が言いたかったんだ。 だから、バースプランには「胎盤を見たい」としておいた。 銀色のお皿にのっている胎盤をみせてもらった。 助産師さんが説明してくれる。 「こちらが赤ちゃんの側でこちらが子宮についてた側ね。」 あかちゃんの方はのっぺりしてるけど、子宮の方は、「今はがれてきました」って感じにがさがさしていた。 「この中にあかちゃんが入ってたんですよ」 白くて薄い卵膜をひろげて見せてくれる。 「ほーぅ!」 と感心する一同。 そして、先生が来てくれて、チクチクしてくれた。 2箇所ちょこっと切れたそうだ。 ぴぴぴーと糸を引っ張るのが痛かった。 実家の両親やお義母さんも来てくれて、私を含めて8人が産まれたてのたまこを囲んだ。 こんな幸せなお産ができて最高! 「こんなところで・・・、お父さんだったら、絶対反対する」 と実家のお父さんが笑っていった。 昔はみんなお家で産んだんだけど、昔と今の間の人には特にびっくりするんだろうね。 しばらくしゃべってて、日が傾いて、みんなが帰った。 それでもたまこはまだおっぱいにしがみついていた。 やっとおっぱいから離れたので、助産師さんを呼び、体重をはかってもらう。 3256g。 うちで一番大きな子だ。 |