例えば


俺が一言でも、冗談でも            


『会いたい』って言ったら


すぐ新幹線で飛んでくる奴ってのはどうなんだろう?







     

でも、それを素直に喜べない俺もどうなんだろう?










After much fussing








「あ〜、だりぃ〜」

ジャンケンで負けてクラスの奴にごみ捨てを命じられた今日の俺の機嫌は
決してそういいモンでもなかった。あ、いや別に何かあったとかじゃないんだけど
ジャンケンで負けるってのも中々悔しいし。何より俺のクラスからは
焼却炉がありえないほど遠い。だからみんな嫌がるんだろうけどな。
大きいゴミ箱をガコガコと引きずっていく俺の横を、通学カバンを肩ににかけて
今から部活に行く奴とか、帰る奴が通り過ぎていく。多分掃除当番じゃないか、
もう掃除が終わったんだろう。ちぇ、俺も早く部活行きたいっつーの。

そんな事を考えながら、やっと着いた自分の教室に入る。
定位置にゴミ箱を置いて、教室の中を見渡すとさすがにもう人は少なくなっていて
でも、窓際できゃあきゃあ言っているクラスの女子を見つけて、
俺はつい、条件反射のように声をかけてしまった。


「何かあんの?」


「あ、山口君。」


「見て見て、ほら」


「え?」


どうやら彼女達の視線は窓の外にあって、勧められて俺も窓の外を見る。
でも、俺の視界に入ってきたのは、見慣れた校門と、そこを通って帰る奴らだけ。


「何が?別に何も・・・」


「ほら、校門の所に立ってる人!かっこよくない?」


「は?・・・・・校門って・・・・」


言われて、彼女達から校門の方に視線を戻すと、誰か校門のところに立っていた。
自慢じゃないが視力はいい方だ。メガネやコンタクトとは無縁の両目1.5だ。
目を凝らして、その人物の容姿を確認しようとする。





が。





容姿を確認するまでもなく、見覚えのある姿を見つけて俺は思わず叫んでしまった。





「す、スガーーー!?(汗)」





そうそう、ソイツは紛れもなくあの須釜寿樹で。俺のライバルで。
ちょっと人には言えない関係だったりする人物で。あまりの声の大きさに
女の子達も、そして俺も驚いた(何やってんだよ)




「え?山口君知り合いなの?」

「あ、ああ・・・ダチっていうか・・・ダチだけど・・・」

「ええー!いいなー、あんなにカッコいい友達いて。」

「そ、そうか?(汗)」

「じゃあ、あの人山口君待ってるんじゃないの?早く行ってあげたほうが・・・」

「そ、そうだよな。じゃあ・・・」



急いでカバンに教科書や何やらを詰め込んで、教室を飛び出して
階段は一段、いや二段抜かしで。履き慣れたスニーカーはかかとを潰して
日頃鍛えてるから息は別に切らしてないけど、俺は校門の所まで走った。



「スガ!!」


「あ、ケースケく・・・」


「おま、な、何でここにいるんだよ!?(汗)」



この時の俺は相当焦ってたと思う。普通そうだろ?ここは静岡、
スガの住んでる所はお分かりの通り横浜、学校帰りに待ち合わせ☆が出来るような
距離じゃねーんだって!!驚きのあまり言葉が出てこなかったが、
スガはいつもの様に俺ににっこりと笑いかける。



「何でって・・・ケースケ君が会いたいって言ったから来たんですよ」

「お、俺が!?いつ、んな事言ったよ!?」

「昨日、電話で言ってたじゃないですか〜」

「は?」



確かに昨日、スガと電話してたさ。近いうちにU−15の合宿があるから
「楽しみだなー。早く会って勝負の続きしたいよなー」とか、お互いの近況とか・・・





あ。





「スガさーん、それって合宿の事じゃねーの?(汗)」

「僕には『今すぐ会いたい』って聞こえました」

「勝手に解釈すんな!」

「えー、せっかくケースケ君に会いに来たのに」

「新幹線代もバカになんねーじゃん」






「だって、ケースケ君に会いたかったから」




「・・・・・・・っ」





「ケースケ君は僕に会えて嬉しくないんですか?」





「・・・・・・いや、その・・・」





「え?」





「・・・・そりゃ・・・嬉しくない訳じゃない・・・けど・・・さ」





ああ、ダメだ。スガと一緒だと調子狂う・・・・。

俺が俺じゃなくなってく。

ここで、いつもの俺だったら

『嬉しいに決まってんだろー!』とか軽く言えるはずなのに

どうしたんだよ、俺。


俯いて、耳まで赤くなってて、声も普段の数分の一の大きさで


そして何より。



素直になれてない。






なのに、スガはいっつも笑うんだ、余裕綽々って感じでさ。

ほら、今だって。



マジでくやしい。





「あはは、ケースケ君は素直じゃなくてかわいいですねえ」


「なっ!スガ、お前バカにしてんのか!?」


「バカにもしてますけど、かわいいって思ってます」


「男がカワイイとか言われても嬉しくねーんだよ!」


「じゃあ妥協してカッコかわいい?」


「それも却下!!」


「じゃあ、何だといいんですか〜」



困ったように俺に尋ねてくるスガを半眼で見ながら、俺は久しぶりにため息をついた。
嘘付け。実際はこれっぽっちも困ってないくせに。
俺の考えてる事なんて大体わかってるくせに。ムカツク。



「スガ、お前今日泊まる所あんの?」

「え?」

「明日は土曜で休みだし。だから来たんだろ?」

「ケースケ君の顔見たら帰るつもりだったんですけど・・・そうですか」




「へ?(汗)」




「ケースケ君がどうしても!って言うならしょうがないですね〜」




「え、あ?」




「でもいいんですか〜?僕が急にケースケ君家にお邪魔しても」




「だ、誰もそんな事・・・」




「さ、行きましょうか?ケースケ君」






・・・・何か・・・見事に押し切られたような気もするけど・・・・(汗)
そのまま帰らせるほど俺も鬼じゃない。それに、会えて嬉しいのは
俺も同じだし。悔しいから絶対スガには言ってやんないけどな。



スガに引っ張られて、俺はいつもの帰り道を歩き出す。
つーか何でコイツが帰り道知ってんだよ・・・いーや、スガならありうる・・・。
ずるずると引っ張られながらも、不意にスガの恐ろしさを実感してしまった。


そして、次の瞬間。俺はもっとコイツの恐ろしさを実感してしまう事になる。







「あ。」



「何だよ?」





「今日の夜はいろいろと楽しくなりそうですね、ケースケ君」






「・・・・・・はいぃ?(汗)す、須釜さん、それはどーいう・・・」






「やだなあ、ケースケ君。野暮な事言わせないで下さい」






僕も誰かさんと同じで野暮は嫌いなんですよ。





嘘付け!







「たっぷりとかわいがってあげますからねー」



「い、嫌だー!!!(泣)」








俺、明日練習あんだよ!!







俺の悲痛な叫びは、もちろん受け入れられずに、


オレンジ色の空に空しく響いたのだった・・・・・・。













end










あとがきという名の言い訳

どーもこんにちは。柚子崎慶でっす(何)
お待たせいたしました。スガケーです。
って何だこの出来映え!すげえひどいぞ!
いいのか、こんなんでいいのか!?
よかったら受け取って下さいYo!(おい)
素直じゃないケースケが書きたかったんですが・・・(泣)
何とも中途半端な出来になっちまいました。
はふー、普段夢書いてるからなあ、慣れない。
でも中々楽しかったですぞ!
ダメだったら書き直すから気軽に言ってくださいねー。
                                                                           やっぱりあたいに甘いのは無理でした・・・ごめん。

        感謝感激コメント集                                                         

     すんげーマジサンキューですぅーー!!??(ぷりてぃー差を出してみた!←無駄な努力)

     (>▽<ノ”凄い最高だぞ!?このスガケー!!

      もう笑う所はどっかり笑わして貰ってよぉ!?

      女の子が集まってくる辺りやっぱ・・・良い男達だからねぇ〜vV

      んで「ある人」ってのは勿論慶の”心の君”「黒川君☆」だったりすんだろ♪(笑)

      自分は分かったんだよーーー!!??(自慢?)

      是非続編希望!?ってか一般視聴者としてその後が・・・・v

      素直じゃないケースケくん出来てたぞ〜〜♪

      ってかまたまた自分のツボついてますよ!?こーゆー「強引ぐ マイ ウエイ」なスガケーが

      大好きなもんでぇーーー!?かなりラブだすv

      俺この小説で一番羨ましいのはその光景を上から眺めてる女子達だな〜・・・。

      くそぉ!?ずるいぞ!??

      また待ってるぞ!?(うわッ!無理矢理頼みやがったッ!?/汗)

 

            03.1.11    涙を浮かべて由渡(何かおかしい・・・)