低周波公害は日本の”風土公害”か

終わりに

 イギリスからの帰りの飛行機に10時間以上揺られながらつらつら考えてみた。たった5日のイギリス滞在で何が解るであろうか。しかし、少なくとも私が見た範囲内では、とてもではないがイギリスでは生活騒音問題、就中、低周波騒音問題はとても起きそうに思えませんでした。

 ここで、フト、帰ったら直ぐにでも、もう一度じっくりと見直さなくてならない幾つかの文を思い出しました。

その一つは()小林理学研究所 騒音振動第三研究室 土肥哲也氏がオランダで開催された低周波音や低周波振動に関する国際学会に出席された際の状況をLow Frequency 2004」として小林理研ニュースNo.87_2に2004に掲載されたレポートであり、イギリス環境食糧農林省(defra: Department for Environment, Food and Rural Affairs)が発表した市民対象の騒音公害意識調査結果でした。

 さて、今回のイギリスへの旅行と言うより”垣間見”と上記のレポートからあらためて連想した以下の点について考えてみた。


 第1点低周波音や低周波振動に関する国際学会」に於ける参加者数の異常さである。

Low Frequency 2004」に見るごとく、参加者は約50人(文中の表の足し算では53人)で、主催国のオランダ、日本、イギリスからの発表で過半数を占めていた(60%強)」と言う事である。

そもそも、日本人は島国的根性の故か(自分も含めて)、「国際的な」と言う言葉が好きで、そこで認められたとなれば「もー、これは間違いない”権威”(=正しい)」と思ってしまう傾向があるのではなかろうか。しかし、「国際的な」が参加国14、参加人53人となると、「国際」学会などと言えるのであろうか。もちろん、必ずしも数多きが故に尊からずではあるが。この学会自体は”数の上からは”この学会は世界的に超マイナーな”オタク学会”なのかもしれない。何れにしても開催国オランダ(15人)、日本人(15人)、イギリス人(8人)の三カ国で6割を越えている”国際”は異常ではなかろうか。

 と、大上段に構えたところで、近辺の人間に「何カ国なら”国際的”と言えるか」と聞いたところ、@3〜5カ国以上Aアジアだけではダメで西欧が入れば3カ国でOKB極端に言えば2カ国で良い、等という意見を聞いて、「国際学会」等というと、国連レベルのような会議を連想していた私の”幻想”はモノの見事に瓦解した。

 と言う事で、ひとまず”国際”の話しは置いて、もちろん開催国オランダが多いのは当然の事として解る。また、
日本−韓国より近いイギリス−オランダの地理的条件を勘案するとイギリスの多いのも頷ける。しかし、参加のためには少なくともイギリス人の数倍の費用と時間が掛かるであろう日本人の参加者が開催国と同じで、尚かつイギリス人の2倍弱の参加という事態は”異常”ではなかろうか日本人の「専門家」はそんなにも、“低周波音に関心が高い”のであったとは知らなかった。

 
しかしながら、日本に於ける低周波騒音問題に対する「彼らの対応」を考えると、少なくとも
私には、筆者のように素直に世界的に見ても低周波音や低周波振動に関する日本の関心の高さが感じられた。」などと素直には考えられない。むしろ実は日本国は世界的に見ても低周波音問題に対して「専門家」が高い関心を持たざるを得ないような問題が有るのではなかろうか。

もう一つ別の計算をしてみよう。欧州人を合計してみると37人で割合は実に70%弱となる多くの環境問題に関しては欧州が先進的であり、他の環境問題からも「欧州発」が多いことから、「欧州」だけでも環境問題に関しては充分に「国際」なのかもしれない。しかし、不思議な事に、欧州の大国フランスからもイタリアからもスペインからも参加がない。これは今回に限ったモノかもしれないが、土肥氏的に言えば、それらの国は「低周波騒音問題に関して”関心が低い”と言う事になる」


しかしながら、少なくともフランスは「低周波音問題対応のためのガイドライン」検討委員会の副委員長の重責を担う山田伸志氏(委員長の時田氏は既にかなりの高齢のため、…とも聞くので、”実質的”最高権威)は「騒音SOS」の副理事もしてみえると聞くが、彼の著書「超低周波音と低周波音」の著者略歴によれば「昭和53年〜54年 “フランス”国立機械音響研究所にて低周波音の能動的吸音の研究に従事」されており、氏にとって今日の基盤の一端があるはずである。その国が「低周波音に関心が低い」などとは到底考えられないのだが更にアメリカ大陸からの参加もない。マー、USAがエネルギー問題には多いに関心を示すが、環境問題に関心を示さないのは「京都議定書」に於ける彼の国の行動(離脱)を見れば判る事であるが。しかし、少なくともアメリカ合衆国を抜きにしては“グローバル・スタンダード”は容易に構築し得ないことは確かである。或る意味日本はアメリカほどは“野蛮”ではないと言うことかも知れない。

 しかし、このアメリカも電磁波問題に関しては結構シビアーな反応を示しているのであるが、日本は

 国立環境研究所(これにはWHOも絡んでいる)などの「超低周波音が日常環境より高い場合には小児の急性リンパ性白血病や小児脳腫瘍の発症率が高くなる」という疫学調査結果について、文部科学省は「症例数が少なすぎる」として「本研究のみで健康リスク評価を行うのは不適切」などの評価結果を発表しました。
 同省の科学技術・学術審議会の研究評価部会は急性リンパ性白血病、脳腫瘍ともに調査症例数が少ないとした上で、「研究結果が一般化できるとは判断できない」「情報等の整理が不十分な現状では本研究の科学的価値は低い」と指摘。総合評価を3段階で最低の「C」と結論づけた(2003/01/28)。

 のであり、「無視」と言う点からすれば少なくともこの問題に於いては日本の方が「野蛮」と言っては語弊が有るなら、”関心が低い”と言っておきましょう。

 何れにしても広大な国土を持つアメリカと狭い国土の上にそのまた限られた平地に「密住」する日本を同列に置いて環境問題を語る事はできない。
 我ながらしつこいとは思うがそのアメリカでさえも無駄吠えする犬は有料の訓練所行きであると聞く。

どうみても見ても、そして、考えれば、日本からの参加者数の異常さが目立つ。

残念ながら低周波騒音問題はどう見てもグローバル(世界的)な関心を持たれる問題ではなさそうだ。ここで「グローバルな」としたのは、実は「international」と言うのは「2つ以上の国」に関係すれば良いと言う事が解ってしまったからで、低周波音と低周波振動に関する国際学会」は立派な「国際学会」であったのである。


さて、ここで、話しは参加者第三位のイギリスになる。そのイギリスは私が垣間見た限りでは「とてもではないが生活騒音問題、就中、低周波騒音問題はとても起きそうに思えませんでした」のですが、実のところはそうでもなくイギリス環境食糧農林省(defra)が行った騒音公害に関する3つの調査(イギリスの騒音公害の現状・国民の騒音公害に対する見方・これからの対応策について)の結果の発表(02/05/20)によれば、

 屋外の騒音レベルは過去10年変わっていないものの、市民は特に近隣騒音が悪化しているという認識を持っているようだとして、イギリスは引き続き騒音公害対策に取り組んでいく必要性があると述べた。 
 イギリス国民5千人以上を対象とした意識調査の結果概要は次のとおり(カッコ内の数字は回答した人の割合)。
・「ある程度」家庭生活で騒音のダメージを受けている(21%)、「かなり」「完全な」ダメージがある(8%)。
・家から交通騒音が聞こえる(84%)、交通騒音に「ある程度」悩まされている(40%)
・家から聞える交通騒音は5年前より悪化している(28%)。
近隣騒音がある(81%)、「ある程度」被害を受けている(37%)。
近隣騒音による悪影響を受けている(26%)。この数値は10年前の21%から増加しているが、他の環境騒音公害に悩む人の割合はほとんど変化していない。
・地方当局の環境健康部(environmental health department)に近隣騒音を訴える割合は少ない。訴えの数に比べ、市民の不満はもっと高いものと見られる。


 と言う事で、あの状況でこうなのであるから、イギリス人が日本に住んだとしたらどうであろうか。思うに「騒音」に対する評価感覚が違うのではなかろうか。

また、defraは低周波音に関しても2003年5月、低周波騒音の知覚と健康影響についての研究の見直しを発表した。レポートは、「(低周波騒音に対する)敏感さが後天的なものである可能性、および世界中の町や市で報告されているハミング音現象(hum)のような重大な問題を考慮している。特に、人の行動、睡眠時間、仕事の効率、および生活態度に及ぼす低周波騒音の影響についてのデータの再評価を行っている」のである。

 日本と似たようなモノと思うかも知れないが、これは海外の研究者から高い評価を受けると共に早く英語版を出して欲しいとの要望を受けていた。」と言われる"Handbook to Deal with Low Frequency Noise (2004)"のような技術論ではなくデータに対する評価の「態度」の問題、いわば環境に対する「哲学」が違うのである。

次に話しは参加者数一位のオランダであるが、狭い限られた平地に住むという地勢状況は日本と酷似している。そこに於ける低周波騒音問題は、筆者がいみじくも述べているように「オランダ人やデンマーク人が発表した風車から発生する低周波音についての研究がいかにもヨーロッパにおける低周波音らしく印象的であった。とすれば「その国特有の低周波騒音問題」が有る事となる。


第2点もこの参加者「数」から類推するのであるが、
 平成15年3月31日に総務省公害等調整委員会が「横浜市における振動・低周波音被害責任裁定申請事件」の裁定に際して、

公害等調整委員会では、今般「低周波音の健康影響に係る文献評価調査」を実施し、低周波音の健康影響に関する国内外の医学文献等を検索し、その評価を取りまとめた上、これを本件の証拠とするという徹底した証拠調べを行ったものであり、この点に本件手続の特色がある。」(※1)

 と、述べているが、このその最大の“特色”であるべき「国内外の医学文献等を検索」とは、実はこのような“国際”的な「低周波音や低周波振動に関する国際学会」の“実状”に於いてなされた事に注目したい。

それは言葉を逆手にとって、ズバリ言えば、少なくとも“数の上では”「日本の低周波音や低周波振動に関する研究は世界の“トップ”」と言う事になる

しかし、少なくとも、私の不勉強故にか、低周波騒音問題に関わる国内の医学文献等」としては汐見文隆氏のモノしか知らない(実は”昔は”それなりに有ったらしい)。しかし、2004/11/17、環境省で行われた全国保険医団体連合会(保団連)と、大気生活環境室との間で低周波音問題について行われた交渉」において、瀬川大気生活環境室長は「氏の論は学会で発表されたものではない」ので「知見とは為し得ない」との意を言い放ったのである。これはある意味間違いであり、「医師はその国家資格に於いて個人に於いて”知見としうる”」(汐見文隆氏談)のである。ましてや、未定・不定の問題に於いては共通の知見などはあり得ようがないはずである。

しからば、「他の」如何なる「医学文献等」をもってして環境省は「@低周波音によって、直接的な影響が生じる可能性は小さいが、心理的な反応を通して間接的に健康影響が生じるかどうかについては、明確な知見は得られていないことが明らかとなった」と言い得るのであろうか。

私が“低周波音や低周波振動に関する研究は世界のトップ”ではなかろうかと太鼓判を押した、いや“押したい”日本国に於いては汐見氏の文献以外には、低周波音による健康影響については、異論は有ろうが、少なくとも「明確な知見」を述べているモノは見あたらないのである。ましてやこの“国際”状況を見る限り、如何なる「国外の医学文献等」が存在するのであろうか。

 実は「研究が無いから文献が無い」と言うわけではなく、もしかして的はずれ的な「検索、評価」ではなかったのではなかろうか。少なくともMariana ALVES-PEREIRA 、Nuno Castelo BRANCO氏等は低周波音に関しては、素人目にかなり”明確な知見”を述べていると思うのではあるが、「専門家」の目にはそうは見えないのであろうか。因みに彼らはLow Frequency 2004」に於いても継続発表されている。

少なくとも「裁定」結果から見る限り、公害等調整委員会が行ったとする“徹底した証拠調べ”の中には“世界で唯一”とも言えるような、汐見文隆氏の“医学文献”群は、瀬川大気生活環境室長の言を借りるまでもなく「学会で発表されていない。“公的”に発表されていない」と言う理由をもってして黙殺された事は明白である。

因みにこの「これを本件の証拠とするという徹底した証拠調べ」である「低周波音の健康影響に関する国内外の医学文献等を検索」をしたのは、その後「低周波音問題対応のためのガイドライン」検討委員の一人となった佐藤敏彦氏(北里大学医学部助教授)である。氏の専門は公衆衛生学であり、日立金属本社嘱託産業医もしている。低周波騒音問題に関して如何なる知見をお持ちなのであろうか。


第3点。

これまでの海外旅行では「お風呂の給湯状況」などは格別意識したことはなく、どうして「お湯が無くなったら終わり」、というような“不便な事”が延々とまかり通っているのか改めて疑問に思った。今にして思えば現地で詳しく聞けば良かったのだが、それはそれ旅行者には他にしなくてはならない事が他に沢山ある。時差ボケが何とか直ってきたので、そこらの事情を日本の給湯器製造会社(パロマ、リンナイ)に少し聞いてみた。

両社とも製品の海外への輸出率は20%程度という事である。パロマの海外事業部の方の話しでは、その輸出先はオーストラリア、ニュージランド、アメリカ、韓国、パキスタン、トルコ、イランなどと言う事である。リンナイのHPにある海外関連会社はアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、上海、シンガポール、マレーシア、UKである。両社で一致しているのはオーストラリア、ニュージランド、アメリカ、韓国である。

UK(ユナイテッド・キングダム=イギリス)が有るではないかと、言う事で聞いてみたのであるが、「輸出は非常に少数でそのほとんどは公共的な建物、あるいは業務用としてであり個人向けは無い」そうである。西欧への輸出はこれからの課題だそうであるが、現実的には「既に長きにわたり西欧で完成されている給湯システム(コンビボイラー)に対抗するのは大変」なようである。コンビボイラーについては詳細を省くが、イメージ的には日本の電気温水器を想像すれば良いようである。

更にもう一つの課題は欧州における「CEマーキング※」制度があるようだ。これに関しても問題が広がりすぎるので詳細は省くが、経費的な面で、余程の大企業、あるいは、相当の販売数が見込めるモノでない限りその取得は現実的には“関税障壁”的なモノとなっており、日本製品の「CEマーキング対応は過剰か全く不備かの両極端」の様である。更に、更にであるが、製品の欧州への輸出については、200671日より欧州で施行されるRoHS(有害物質使用規制)指令や、2005813日より施行されるWEEE(廃電気電子機器)指令への対応は企業にとって最優先課題となっているとの事で、メーカーのにとっては厳しい状況が進行中のようである。

と言う事で、今後とも現状地域以外に少なくとも日本的なガスボイラーが輸出される可能性は非常に低く、「ガスボイラー騒音」がグローバルに展開される可能性は低いと言わざるを得ない。従って、誠に、誠に残念ではあるが、近隣的、日常的、低周波騒音源であるガスボイラーに対して、低周波騒音問題として「外圧」は有りそうもないと考えられる。

結論を繰り返す事になるが、給湯、暖房のための日本式「ガスボイラー」は欧米と言うより、アジア、オセアニアを除いては世界的に使用されておらず、少なくとも「ガスボイラーによる低周波騒音問題」は実は“日本独特”の給湯方式に基づく、我が国特有の低周波音問題」と言いうるようである。土肥氏的に言えばいかにも「日本」における低周波音らし”い、と言う事になるのではないか。


CEマーキングとEC指令

 EC共同体(欧州連合)として、1993年1月1日世界最大の単一市場が生まれました。(1993年11月EUに呼称変更。EC指令以外はEUと表現します。)EU加盟国の製品は以前は、各国が独自の規格・基準を設け品質や安全性を保証してきました。しかし、この各国の規格・基準が地域内の自由な流通を阻害してきました。
 そこで、こうした規格・基準による非関税障壁をなくし、EU統合によるメリットを最大限に生かすため、EUの誕生と共にEC指令が公布され運用されています。EC指令の実施のため、欧州統一規格としてEN規格が制定されています。この規格は、国際規格であるIEC規格と整合されており、各国規格へも反映されています。またCEマーキングは、EC指令に適合している製品であることを示し、EU圏内での商品の自由な流通を保証するものです

旅行中一つの工場を訪れ(観光客は大抵行く陶器で有名な「ウェッジウッド」)、以前からある程度は想像はしていたのだが、その立地の環境状況は素晴らしく、工場騒音に対する規制状況なども日本とは相当に異なり、厳しいのではないかと想像出来た。


 歴史、風土などから来るであろう国民性の違いが環境等に関する意識の違いなどに及ぼすのではと考えているが、現在のところ準備が伴っていないので、ひとまずはこれをその一端としたい。


単なる旅行記と英国の騒音状況を軽―――く述べるつもりで書き始めたのであるが、結局「終わりに」が異常に長々しいモノとなってしまった。その最大の理由は

 日本からは山田伸志先生(山梨大)をはじめ犬飼幸男氏(産総研)、塩田正純氏(飛島建設)等が昔からこの会議に参加されている。

と言う点にある。「専門家」中の「専門家」であるお三方、並びに環境省関係者は、私が5日の英国滞在で「感じ」て、数日で調べたような事は「昔から」既に十二分にご存じのはずである。また、そうでなくてはどうして「専門家」と言えよう。少なくとも彼らはこれらの状況を“踏まえた”上で日本の低周波騒音問題を考えてみえるはずでなければならない

 

最後に付け加えておくが、現在日本で“大手を振って”一人歩きを始めようとしている「参照値」は「2004/11/17、環境省で行われた全国保険医団体連合会(保団連)と大気生活環境室との間で低周波音問題について行われた交渉」において、保団連側の公害環境対策部部長 野本哲夫氏が、「90パーセンタイル(※)の科学的論理性に妥当性があるか」執拗に食い下がったとされるところであり、「被験者実験結果を統計的にまとめる際の指標90%の妥当性」は当にの会議に於いても

中でも犬飼氏は低周波音による感覚閾値に関連する3件の発表を行い、これに対して被験者実験結果を統計的にまとめる際の指標90%の妥当性について激しい議論が交わされた。

のであり、少なくとも「参照値」は未だ“国際”的認知を受けているのではなく、「激しい議論」の俎上に有るモノなのである。その後、幾つかのサイトで「90パーセンタイル」について調べてみたが、”病気的”なモノの分析統計には95〜99パーセンタイルが適用されているモノが多々見られた。
  しかし、瀬川大気生活環境室長”的”に言えば「(国際)学会で発表されたのであるから、“公的”に発表されている(のでOK)」となるのかも知れない。現況に於ける「参照値」の扱いを見ると、”日本発データの逆輸入”という××的な手段により”国際的”値となってしまうのではなかろうかと多いに危惧するところである。

会議の終わりにLeventhall氏が「日本は低周波音について多くの研究が行われていると共に、活発な議論があり非常に有意義です」と語ると同時に、次回の日本開催についてもその可能性があることを示唆していた。

 国際的な「専門家」にも日本の国土、風土を知ってもらった上で、是非とも今後とも「激しい議論」を続けてもらいたいものである。

パーセンタイル値って何ですか?

 5%タイル値、10%タイル値などと表されます。例えば5%タイル値とは、大小順に並べ替えた100人のデータの小さい方から5人目の値を示し、10%タイル値は10人目の値を示します。5%に相当する人がN人目とN+1人目の間にあるときは、この2人の値を補間して算出する。50%タイル値は中央値と同じ意味です。例えば、9割の人を対象とした製品をつくるために5-95%タイル値を参考にする、という使い方をします。



 私も何も気候、風土、歴史、そしてそれらから来る国民の習慣を無視して「日本もイギリスみたいにしろ」なって言う気は毛頭無い。私にしてもこの蒸し暑い夏の日々毎日風呂に入りたい。
 しかし、単純に言い切る事はできないであろうが、
 
 「日本は欧米先進国と比較すると確かに世界1の自殺率となっている。さらに範囲を広げた国際比較では、図のように、日本は、リトアニア、ロシア、ウクライナ、ハンガリーなどに次ぐ世界第10位の自殺率の高さとなっている。このように国内の混乱が続く体制移行国に次いで高い自殺率ということから日本の自殺率はやはり異常な値であるといわざるを得ない。」

 のであり、少なくとも自殺率において、英国(7.5人/10万人)の3倍強の日本(24.1人/10万人)は多くの意味で暮らしにくいという事は確かであろう。

050807/0810


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