A Problem With Wind Power

Eric Rosenbloom-September 5, 2006

「風力発電問題」

エリック・ローゼンブルーム-2006/9/5


 以下の訳文は“National Wind Watch=NWW”に”Key Documents”として載っている"A problem with wind power,"を拙サイトNational Wind Watch(NWW) "全国風力発電監視団"抄訳したモノの全訳である。内容的にはデータが少し古くなってしまい、現状とのズレが有るかも知れないが、風力発電が持つ本質的問題に変わりがあるとは思えないので、改めて全訳をしてみた。なお、訳文内の写真はNational Wind Watch Adverse effects of industrial wind power から拝借したもので、本文にはなく、基本的には本文の内容とは関係ない。また、(※)の注は訳者の恣意で本文にはない。


 風力発電はクリーンで自由な電力源を約束する。それは輸入化石燃料への私達の依存を減らし、温室効果ガスの排出と他の汚染を減らすであろう。多くの政府は寛大な補助金と規制の緩和によって民間会社の広大な風力発電の建設を促進し、電力会社にそれを買うことを要求し、実際のエネルギーに加えて「緑色のクレジット」の取引のために市場を設立している。米国エネルギー省(DOE)2010年に風力発電による発電の5%を達成することをめざしている。エネルギー会社は取り決めがまったく高収益であるとわかって、風力発電に熱心に投資している。

 しかし、少し調べてみれば、風力発電が実のところ、その支持者(パートI参照)によってされた主張通りでなく、環境と人々の生活への影響が決して穏やかではなく(パートII参照)、そうした乏しい記録と見込みによって、それに費やされたお金がもっとずっと効率的に使われる(パートIII参照)ことができたと明らかにする。

T

 1998年ノルウェーはデンマークでの風力発電の研究を委嘱した。それによれば風力発電は「環境への重大な影響、不十分な生産性、および高い生産費」が問題であると断定した。

 デンマーク(人口530)は、2002年の消費電力量19%と等しい電力を発電する6,000基を超える風力発電施設を有している。しかしながら、依然として従来の発電所で閉鎖されたモノはない。何故なら、風の間欠性と変動性のため、従来の発電所は、電力使用の実需と合うように全力で操業し続けなければならないからである。大部分の風車は、風が止まったり、吹き始める時に、素早くオンとオフに切り替えることができず、風車の迅速な停止、稼働時には、実際の汚染と二酸化炭素(CO2主要な「温室」ガス)の発生量を増大させるであろう。従って、風がまさにタービンに適切に吹いている時には、それらが生成するパワーは通常過剰であり、極めて割引かれた価格で他の国に販売されるか、タービンは停止されなければならない。

 ユーティリティ・ジャーナルの記者(デイビッドJ.ホワイト、「デンマークの風力発電:真実にしてはあまりにも良すぎる?」20047)は、2003年に輸出された西部デンマークの風力発電で発電された電気の84%は輸出された(収入の減少)、すなわち風力発電のデンマークへの供給は国の電力のわずか3.3%を提供したに過ぎないと指摘した。ウォールストリート・ジャーナル・ヨーロッパによるとコペンハーゲンの新聞ポリティカンは、風力発電は実際には1999年にデンマークの総需要のわずか1.7%に充当しているに過ぎないと報告した。輸出された量のほかにこの低い数字はまた実際のネット影響を反映しているのかもしれない。風車自身によって使われた大量の電気は一般的に通常引用される出力数字に参入されていない。Weekendavisen(2005114日号)において、フレード・ベスタガードは、デンマークが全体として2004年にその風生産の70.3%を輸出したと報告した。

デンマークは風が調子よく吹かない時には、電気を”輸入”しなければならない点などまさに風力に十分に依存する。2000年においては、デンマークは輸出したより多くの電力を輸入した。そして、風車を建てている民間会社をサポートする補助金はデンマークの電気料金請求書に追加される。消費者のためのデンマークの電気料金はヨーロッパで最も高い。

米国のXcelエネルギーの長、ウエインBrunettiは、「私達は風力発電の大きなサポーターであるけれども、顧客が最も大きなニーズを持っている時に、それは一般に入手可能でない」と述べている。ヨーロッパ中で、風力発電は、理論的な(または評価される)能力の平均20%以下の発電量であった。しかしながら英国風力エネルギー協会とアメリカ風力エネルギー協会(BWEAAWEA)の両方は30%産出すると計画している。デンマークの産出数値は、2002年の16.8%2003年の19%(20032月にはデンマークの6,000超の風車の出力は0)であった。英国の陸上の風力発電は2003年にそれらの能力の24.1%を産出した。1998年〜2003年のドイツの平均は14.7%であった。米国で、2002年の使用可能な出力(エネルギー情報庁による消費への風力発電の寄与)は、能力(2001年と2002年の終わりの設置容量のAWEAの数値の間で平均を使う)12.7%であった。カリフォルニアでの平均は20%であった。毎年減少し続けているヴァーモントのSearsburgプラントは平均23%となっている。このパーセンテージは負荷率または利用率と呼ばれる。定格出力は100%の理想的な条件下、即ち、一般的には30mph(※)以上の風速が持続される場合に達成される。風が弱くなると、電気生産量は急激的に低下する。

(※mph=マイル時、30mph=時速48km=風速13mくらい。参考:風速15m/Sとはどのくらい? 風に関する解説)

1メガワット時(MW=100万ワット)の出力(があれば)×24時間×365日で、年間8,760メガワット時(MWh)発電があることになるが、風力タービンは実際は風と他の要素の変動性のため1年間の発電量は1,752MW/hの生産に留まるとすると、その利用率は1,752/8,760=0.20即ち20%と言うことになる

強風時には、皮肉にも、風車は簡単に破損するので、発電を停止しなければならない。決定的な故障の修理は発電量の平均的な数値を25%以上低下させ、風力タービンによって生成される最大のパワーを半減するとされている。同様に沖合のタービンの羽根の上の塩の堆積は生成されるパワーを20%30%低下させるとされている。

E・ON Netz(ドイツの約3分の1のグリッドマネジャー)は、2004年の「風力発電リポート」の中で多くの風力タービンを接続する技術的問題を議論している:風力発電は極めて変動的である;

補助的に「従来の」能力の追加準備を必要としている、

冷房と暖房の高需要期間は、風力発電の能力の低い時と一致している;

制限的な予測だけしか風力発電にはできない;

風力発電には高電圧と超高電圧のグリッド基盤への対応する拡張が必要である;

さらに、風力発電の拡張はグリッドをより不安定にする。

それらは風力発電によって遂行されることができるものの立派な例として挙げられるにもかかわらず、デンマーク政府は2008年の間、設計された3つの沖合の風力発電基地についての計画を取りやめ、既存のサイトから補助金の撤退を予定した。そのため、デンマークの陸上での風力発電所の開発は実際上停止した。しかしながら、デンマークの会社が風力産業を支配するので、政府はサポートを続ける様圧力がかかった。スペインは2002年に補助金を撤収しはじめた。ドイツは2004年に風力発電の税制優遇措置を減らしたので、国内の風力発電施設建設は大幅に遅れた。スイスもまた決定的な利点が無いのにあまりにも高価であると言うことで補助金を削減している。オランダは2004年に90のタービンを廃止した。風力発電から生じる不安定さのため、多くの日本の電力会社は厳しく風力発電の買い取り量を制限している。同じ理由のために、200312月アイルランドは、全国電力網とすべての新しい風力発電との接続を停止させた。

2005年初頭において、アイルランドは国としての支援を終えることを考慮していた。2005年アイルランドの電力会社は新しい風力発電接続を拒絶しはじめた。2005年スペインの電力会社は新しい風力発電接続を拒絶しはじめた。2006年スペイン政府は大型風力発電の緊急補助金の終了により価格維持を終了した。2004年オーストラリアは電力会社が購入すべきとされている再生可能エネルギーのレベルを減らしたことは、電力会社に風力発電施設の建設を劇的に遅らせた。2004831日、Bloombergニュースは、「ネットワークの中の風力発電の不安定流動」により、より高価なエネルギーを買うことをドイツ電力会社に強制し、そのため消費者への価格を上げることを電力会社に要求したと報告した。

20052月にドイツ・エネルギー研究機関は、風力発電の量を増大させたことにより消費者の経費は3.7倍に増大し、温室効果ガス排出の理論的な削減は、フィルタを既存の化石の燃料プラントに単に取り付けることによって、もっとずっと安価に達成されることができたと発表した。同様な結論は、20042月にアイルランドのグリッド・マネジャーによって発表された研究でもなされている。即ち「風力エネルギーを大規模に普及させることから生じるCO2削減のコストは他の選択肢より高い関係にある」。

ドイツでは電力会社は、再生可能エネルギーをしばしばフランスの3倍、従来の電力の10倍の値段で買うことを強制される。テレグラフ誌によれば、英国では、電力会社にとって比較的安いエネルギーだが従来の電力が1メガワット時(MW-h)あたり15£に比べて、風力発電は50£かかる。風力産業は、英国においても、風車の支えであり、それが資源の巨大な浪費である「グリーン」エネルギーである風力発電の一定の量を買うことは、単に電力会社への補助金の要件ではないのかと危惧している。BWEAは、より多くのプロジェクトが首尾よく妨げられる場合には、威嚇的な突出した相手に頼りさえした。興味深いことに、英国と米国政府の両方によるエネルギー使用と排出削減についての長期計画は風力に言及していない。フレミング・ニッセン(デンマークの電力会社Elsamの開発部長)2004527日コペンハーゲンの会合で、「風力タービン開発の増大はデンマークのCO2排出を減らさない」と言っている。

風力発電の導入は、エネルギー使用の継続的増加に遅れずに付いていくことが期待できない。風力発電の電力は非常に高価であるばかりでなく、広大な土地の”刈り幅”を必要とする。

デンマークの風力発電の年間生産高は、1990年から1998年に28ペタジュール(PJ 1 PJ < 278000 MW-h)を増大させたが、全エネルギー消費は115PJ増大した。(※PJ(ペタジュール):エネルギーの単位。1ペタは1ジュールの1000兆倍。従って1ペタジュールは1015ジュールになる。)国際エネルギー機関は、1990年から2002年までのデンマークの風力発電による年間生産高は3,689GW-h増えたが、全体の電力生産は12,730GW-h増えたと報告した。デンマーク政府の環境研究所は、2003年の温室効果ガス排出削減は2002レベルで7.3%増大したと報告した。

英国(人口6000)では、貿易産業省によると1,010の風車は2002年の電力の0.1%を発電した。政府が望む、2010年までに10.4%2020年までの20.4%までに再生エネルギーの使用を増大させるには、後数万基以上の風車が必要である。しかし、需要の増加に連れいっそうより多くの風車が必要とされるであろう。国のエネルギー委員会によれば、カリフォルニア(人口3500)で、14,000の風車(1,800MWの能力)2000年に必要電力の0.5%を発電した。全体としての米国でエネルギー需要の増加を計算せずにこの数字を当てはめると、2010年までのDOEの目標である、国の風力発電量のほんの5%を達成するために、1.5MWの風車が優に100,000以上、費用は1,503億ドル(※約13兆円)が必要となろう。

DOEは、米国には風力発電に適した18,000平方マイルのサイトがあり、それにより現在の技術によって国の電気の20%を生産することができると言う。風力発電産業の宣伝用パンフレットに基づいたバラ色の計画では、2002年に実際の使用のたった3/4の電気使用量として、「たった」142,0601.5MWのタワーを必要とするだけである。また、彼らは「もし、風力資源が最大限に力を発揮すれば、風力エネルギーはシステム容量に効果的に寄与する」と説明する。欲しいときに丁度風が吹くと言うのは大きな”仮定”だが、実際にはその要求の20%、あるいは5%でさえ、カバーすると予想するのでさえ、大きな”仮定”である。デンマークとドイツの場合のように、負荷需要を満たすには先に他の場所で見るべきなのが慎重であると直ちに知るであろう。そして、私達は、開発事業者達が、彼らの欠点を償い、否定するために、いっそうより多くを示すと考えているであろう間、米国では風が強い場所すべての覆っているたくさんの一般には役に立たない機器を押し付けられるであろう。

デンマークとドイツでのようにどんなに数が多くとも風力発電から得られる電力は、地域が要求するであろう供給量を提供するには非常に不安定である。それらは、既設の発電、エネルギー使用、または継続する汚染に何ら効果を及ぼさないであろう。クリストファー・ダットンは(グリーン・マウンテン電力の最高経営責任者で、ヴァーモントのシアーズバーグ風力発電所の共同経営者、および代替エネルギー資源の主張者だが)、”モンペリエの橋”誌のインタビューで、「風力だけが、単に基本的供給にたいし、枯渇することのない補足的な資源と言うだけで、これまでの伝統的な資源に替わりうる」と言っている。「まさしくその自然と言うことにより、それは信頼できない」とジェイ・モリソン(農業電力協同組合の上級統制官)は言う。

”カントリー・ガーディアン”は英国の保護団体だが「風力発電は代替ではなく、エネルギーの供給を“増加”させることになる」と言っている。風力発電は、他のエネルギー生産の手段の様に、経済、環境、政治的経費を減少させない。風車が従来のエネルギーの使用を減らすと言うが、実際にはそれらの製造、輸送、建築のために、ただ汚いエネルギーの使用を増大させるだけである。「自由で、緑色の」風力発電の存在は、人々に、より多くのエネルギーを使う許可証を与えさえするかもしれない。

The Netherlands -- 105-meter tower and 80-meter rotor diameter

II.

大きさ

風力発電会社が示す風車の写真は、遠くにもやの漂う景色の中でスッキリとその後ろの柔らかい雲によりぼかされたスリムなタワーとして建っている。しかし、バスのサイズである200から300フィートのタービンハウスを支え、3つの100から150フィートの羽根(ローターブレード)がスタート時に1エーカー以上の空気の中で動き出すには、それに見合う大きなしっかりした基礎が必要である。GE1.5MWのタワーの上の、タービンハウス、即ち、ナセルは56トン以上、ブレードアセンブリは36トン以上で、タワーアセンブリ全体の合計は163トン以上である。

Harrow Wind, Essex, Ontario The AIM Harrow Wind Farm in Essex, Ont., includes 24 turbines, each requiring a massive concrete pedestal base like the one pictured. (Tom Taylor/CBC)

FPL(フロリダ・パワー&ライト)エネルギーは、「典型的なタービンサイトは42フィート四方の砂利を敷き詰めた用地を必要とする」と言っている。タワー(必要とされている送電インフラとして投資し甲斐のあるためのサイトには少なくとも1520個のタワーは必要である)には、それぞれに何トンもの鉄筋コンクリートで満たされた巨大な穴が必要となる。例えば、コロラド州ラマー、コロラドの施設では各基礎の中に1,250トンであった。”カントリー・ガーディアン”誌によると、穴は、2階建てバス3台分に匹敵するという。

Top of Iowa”施設の89のタービンの各々の施設は323フィートで、その基礎は深さ27フィート、直径42フィートの八角形で、5,713ポンドの鉄筋と181立方ヤードのコンクリートで満たされた。

ワシントン州の”ワイルド・ホース”プロジェクトの基礎は30フィートの深さである。テネシー州のバッファロー山で、各基礎は少なくとも30フィートの深さであり、3,500立方ヤードを超えるコンクリートが流し込まれている。その主たる生産物はCO2である。

ウェールズのCefn Croesでは、開発者は、サイトに完全なコンクリートの工場を建設して、新しい道路に岩石を供給するために石切り場を開いたが、どちらもその活動はオリジナルの計画応用の一部であった。こうしたサイトは珍しくはない。

他の場所と同様にそのような多くの山の尾根では、岩盤の中で爆破することが必要で、Enxco・ニューイングランド代表、ジョン・ジマーマンが確認したように、ことによると麓の方の井戸の水源を混乱させているかもしれない。ペンシルベニアのWaymartプラントでは基礎は岩盤の中に3040フィート伸びている。南イングランドのロムニー・マーシュでは、基礎柱は110フィートの深さになるであろう。イリノイ州のCrescent Ridgeの施設では、各6フィートの深さの基礎で、あと24フィート掘られ、砂で満たされた。200310月のアイルランドのSlieve Aughty地域のサイトでの構造物は2.5マイルの長さに渡る沼地スライドを起こした。

(泥炭地に建設することは、重要な炭素の沈殿の崩壊と認められる、として、王立鳥類保護協会はルイスのスコットランド島の風力発電開発に反対する。何故なら風力発電施設の建設により、泥炭から解放されるであろう炭素の量を浄化するためには、理論上は25年かかるであろうからである。(鳥への脅威は言うまでもないが-下記参照)尾根上の風力発電施設のために森林を伐採することは同じ様な状況である。そのように山頂を切り開いてしまう事は、ペンシルベニアのMeyersdaleプラントで文書化されているようにゆゆしい洪水の危険性をもたらす。

Cefn Croes, Wales -- road before Cefn Croes, Wales -- road after
Stetson Mountain, Maine - notice the trucks - from Gary Steinberg

 FPLエネルギーはまた、「建築には一時的[数ヶ月であるけれども]ではあるが、ブルドーザー、グレーダー(地ならし機)、みぞ掘機、ミキサー車、平台型トラック、および大きなクレーンを含む重機を必要とするであろう。

 未開発地域の中に巨大なタワーセクションとローターブレードと同様にすべての機器を搬入するには広いまっすぐな強い道路の建築が必要となる。多くの既存の道路は、特に丘陵地では不適当である。バッファロー山プロジェクトのために、曲線は拡張され、折り返しは取り除かれて、部分的には再舗装された。資材の重量は既存の道路を損なった。多くのイギリスの昔からの低木帯は、計画されたサイトへのアクセス通りに犠牲にされている。

例えば、そのような建築が自然のままの山の頂上に建つ破壊的なインパクトは明らかである。浸食、水流の分裂、および野生の生息地と植生の破壊は、連絡道路、送電線、変圧器、およびタワーサイト自身が存在する限り無くならないであろう。よりよい風効率のために風車の廻りの木々は切り倒されなくてはならない。除草剤によって植物は抑圧され、さらに土と水を害するだろう。各タワーの最適な性能のためには、隣接するタワーと木から、ローター直径の少なくとも510倍は離されなくてはならない。35メートルのローターを持つタワーにとって、それは1マイルの4分の1から半分である1,200-2,400フィート(360m720m)になる。一般的には、尾根に設置された一つのサイトが最適に稼働するためには50100エーカーが”整備”されることが必要であろう。1つのタワーあたりにすればわずか4.6エーカーの”整備”だが、タワーは5001,000フィートごとの間隔をおいて配置されるのでそうなる。しかし、風が完全な横風ではない時にはそれらはほとんど無駄である。

 デンマークのグリッド・オペレータの
Eltraは、タービンは別のタービンとの間の距離が5キロメートル(3.1マイル)離れていないと性能が落ちると指摘している。ルイスのスコットランド島で計画されている45平方マイルの施設では、定格出力の各メガワットのために50エーカーが必要であるとされている。FPLエネルギー(フロリダ電力)は、導入される風車はメガワットあたり40エーカーを必要としていると言い、米国環境保護局(EPA)60エーカー必要ではないかと言っている。電力会社は世界的に一般に1メガワットあたり3070エーカーを使用する。すなわち一般的な平均的な出力(利用率25%とすれば)メガワット当たり約120280エーカーを使う事になる。

A 747 jumbo jet is smaller than the blade area of a 410-feet-high wind turbine -- from Friends of Stallashaw Moss (Scotland)
Size comparison of turbines proposed for the Vermont town of Sheffield (but mostly overlooking Sutton) with those erected in Searsburg and the Statue of Liberty

 GEは、自社のローターブレードの長さがボーイング747ジャンボジェット機の翼幅より大きいことを自慢する。典型的な1.5MWのアセンブリは、ベースと台座を含めた自由の女神より2階分高い。"Windpower Monthly" の編集者は、19989月に次のように書いている。「あまりにもしばしば、一般大衆は、おとぎ話に出てくるような田舎の‘公園’を想像するように騙されている。しかし、現実は突然に目覚める。風発電所は全然公園何かではない」風力発電所は産業用で商業用の設備である。それらは原生環境保全地域などには属していない。英国自然保護局は、一つの環境問題に取り組む事により、新たな別の環境問題を引き起こすことは意味を成さないと述べている。

ヴァーモントでは、広告板はハイウェー沿いでは禁止されている。そして、特に2,500フィートより高所では厳しい環境法により規制さている。しかし、自身を環境保護活動家と名乗る多くの連中は、愚かにも、パートIで説明したような風力発電の惨憺たる記録を無視して、好ましい取引として私達の山稜線上に風力発電地帯の導入を支持する。

多くの人々は、人類の産業の成果を連想させるモノを避けるために野生の場所に引き付けられるのに、人があたかも、巨大な有刺鉄線の柵が、さも美しいモノであるかのように、ジャンボ機大の風車群が人の視界にみえるすべての稜線を支配する。多くの共同体をそのような旅行者に頼るでしょう。そして、そうした旅行者は、まだ害されていない静かな場所を探すでしょう。


鳥、コウモリ、および他の野生生物

回転する風車の羽根は鳥とコウモリを殺したり不具にする。デンマーク風力発電企業団は、例えば送電線と自動車によっても同様にそうなることを指摘している。(審美眼の有る者は、景色はすでに多くの点でダメにされているのだから、今更さらにダメにされたところで問題は無かろう?と、議論を続ける)企業は、鳥が、泊まったり、巣をつくる場所となる格子細工のタワーから、よりゆっくり廻る羽根だけでなく、固定のタワーへの移動が問題を解決し、研究では風車のまわりではほとんど死んだ鳥は見つからないと主張する。彼らは、より大きな羽根は実のところ思ったより速く(それらの先端では時速160km以上)空気を切っている事実、研究者が彼らの定期検査のために到着する前に、ほとんどの負傷した鳥や死んだ鳥は清掃人が取り除いているであろうという事実、そして死んだり傷ついた鳥(コウモリについては下記参照)が落下するであろう多くの場所は近づき難い場所であるという事実を無視する。

Injured golden eagle at Altamont Wind Resource Area, California
East Bay Regional Park District biologist Doug Bell holding a golden eagle with a compound fracture of its right wing, likely struck by a nearby turbine. Photo by Shawn Smallwood, courtesy East Bay Regional Park District.

開発者が風車を建設することが好きなのと同じ種類の場所を飛ぶのが好きな大型猛禽は特に無防備である。一般的な状況として、山の尾根では「霧」は全ての鳥にとっての問題を悪化する。米国野生動物庁(FWS)のガイドラインは、沼沢地または他の既存の鳥またはコウモリの集中エリア、あるいは、特に春や秋の渡り鳥の時期に、霧や低く目の雲が発生し易い地域の近くには、風車は存在すべきではないとしている。渡り鳥を殺すことは米国では違法である。FWSは、新しいソリッド・タワーが問題を和らげるであろうという主張を拒否して、カリフォルニアのいくつかのアルタモント・パス風力発電所のいかなる拡張も中止させた。

スペインでの2002年のある研究では、11,200の猛禽(それらの多くは既に危険にさらされているが)350,000のコウモリ、および3,000,000羽の小鳥が風車とそれらの送電線によって毎年殺されていると算定している。別の分析によれば、平均して1つの風車が毎年2040羽の鳥を殺すことが、公式に認められている。(そして、一般的に、年間の数字とすることにより月間の数字は曖昧にされているが) 米国FWSは、ヨーロッパの風車は毎年1つの風車あたり37羽の鳥を殺すと概算している。それに反して、風力発電業界は、福音書として単独のサイトでの1つの全く一貫性のない研究で、ばかばかしいほどに低い結果を挙げる。

月刊雑誌風力発電は、200310月に、英国の風車によって衝撃的な数のコウモリが殺されており、それは開発者にとってトラブルを起こしていると報告している。コウモリ国際協議会の会長マーリン・タトルは、「私達は大草原のど真ん中の完全に孤立した風車でさえ殺していることを知っている。そこで、コウモリはエサを獲るわけではないのだが。」ウェストバージニアのバックボーン山では、少なくとも2,000匹のコウモリが2003年の秋のほんの2ヶ月間の渡りの間に殺された。継続研究により、植林された尾根上の風車による死は、通年で典型的であるがそれ以下であることが解った。

地上の野生生物はその上移動する。大草原の鳥は生息地の混乱によって特に影響され、尾根上の構築物は開発された地域を遙かに越えて重要な森林内部をも減少させる。バックボーン山風力発電施設への訪問者は「私がまわりを見てみると、数ヶ月前には、鹿、ワイルドターキー、そして、アメリカクロクマにとって主要生息地であった場所に、どの動物の棲息跡も全く無かった」と書いている。これは私を驚かしたので、私はその日の午後、森を偵察した。「午後中、私はまわりにどのような動物の痕跡、姿、のぞき見も全然見つけられなかった」。


Locust Ridge, PA

Locust Ridge Wind Farm, near Mahanoy City, Schuylkill County, and in Conyngham Township, Columbia County, Pennsylvania - Gamesa 2-MW turbines (total height 399 ft., blade area 1.47 acres)

騒音

同じウェストバージニアの作家は風車からの騒音を「信じられない」とバックボーン山の上で知った。風車の騒音に私は驚いた。それは飛行機かヘリコプターのように聞こえていた。それから時は過ぎた。「時として、風車の真下ではその音は聞こえないかも知れないが、丘の3,000ヤード下でそれは聞こえる。」しかし、企業は、そのような騒音は過去のモノであると強く主張する。

 確かに、新しいタービンはより静かなベアリングとギアを装備しているかも知れないが、巨大な磁化した発電機は、低周波のブーンという音を出すことを避けることはできない。さらに100フィートの風車の羽根が100mph以上で空気を切り裂く問題は克服できていない。15rpmで回転している35メートル[115フィートの]ブレードの先端は123mph,20rpm,164mphで回転している。各ローターがタワーを通過するたびに、空気の圧縮による反響で強烈なゴツンという音を引き起こす。
 風車の真下では耳障りな「シュッシュッ」だけが聞こえるかも知れないが、より遠くの方ではいくつかのタワーの共鳴として生じている音は、頭上を継続的に通過する航空機の様とか、「タオルに包まれたレンガを回転式乾燥機で回している」とか、「誰かが空でセメントを混ぜている」とか、「決して、到着しない列車のようだ」とかの音が、オートバイと同じくらい騒々しいと説明されている。それは接近してくる嵐からの絶え間のない雷のような無情な騒音である。何人かの人々はまた、ブレードとナセルのアセンブリが風を捕まえる為に回転するときには不気味な金切り声をたてると説明している。Enxcoのジョン・ツィンマーマンはヴァーモント州ローウェルの会議で、「風力タービンはよき隣人とはならない」と認めている。

騒音における低周波音の侵入は、ズシンズシンとした振動であり、近くのディスコの高鳴っているバスのような騒音は、通常測定される「可聴の」騒音よりずっと遠くまで届く。それは、周りの交通も大きな建築作業も全く静かな時、馬が風車に近づくと非常に取り乱す理由なのかもしれない。多くの人々がそれは不安と吐き気を引き起こすと不満を言う。それを減らす方法は電力生産の効率を減らす、すなわち収益性と言う幻想を減らすことである。しかし、そうしたことはなされない。

風力発電支持者は、騒音を徹底的に否定しない場合は、タービンアセンブリが立てるどのような音でも風自身がマスキングすると示唆する。しかし、サラサラいう葉音と風車のドシンドシンという音とは似てもにつかない。そして、開発者の発電計画においては、風向きがずっと一定であり、タワーのトップでより強くタービンが回っている時には、地面でのサラサラいう音がいつもしているわけではないと指摘する。これは多くは夜の場合でしかも大抵は冬の場合である。オレゴン州では、風力発電開発者は、農村や野生の地域で騒音の増加を制限している規則に従うことができないと不満を言った。20045月に、州は騒音規制を弱めたので風力発電施設の導入は先に進むことができた。

欧州連合(E.U.)は風力発電に関する5年間の調査の結果、騒音苦情は正当であり、風力発電施設が出来て見ないことには騒音レベルは予測することができないことが解ったと公表した。AWEAは、風車は800フィート(240m)離れていても聞こえると認めた。米国全国風力調整委員会(NWCC)は、「風車は、しばしば、目立った状況に設定されるので非常に目立つ、さらに近くの住民を心配させるような騒音を発生させる」と述べた。NWCCは、風車はいかなる住居からでも半マイル(約800m)以内には設置されないよう勧告している。ドイツのRetexo-RISP-marketingは、風車はいかなる住居からも2キロメートル(1.24マイル)以内にも設置しないと明示している。

ドイツ、ウェールズ、そしてアイルランドの自治体は3,000フィート(900m)離れていても騒音は重要な意味を持つと主張している。オーストラリアから英国まで風車が稼働している時はそれぞれ窓を閉じエアコンをつけなければならないと言う。アイルランドの風力発電所の騒音は、2002年に1km(3,280フィート)先の風上で60デシベルを測定された。不可聴域の低周波騒音は、70dB(対数のデシベル・スケールでは10倍大きい)以上であった。2003年のドイツ研究に依れば、出来て2年目の1マイル離れた1.8MW17の風車からの、特に夜の騒音レベルが問題である事が判った。

山岳地域では音は思ったより遠くにまで反響する。南西ペンシルベニアの20の風車のあるMeyersdaleサイトの近くの住人は、彼の家から約0.5マイル離れているのだが、そこからの騒音はEPAが睡眠を妨げるとする48時間単位で平均75dB(A)以上になると解った。ヴァーモントで、エネルギー効率公務部門のディレクター、ロブ・イデは、11個の550キロワットのSearsburgの風車からの騒音は1マイル離れていても影響があると言った。比較的静かな農村地域の風車の風下1.5マイルと3マイルの住人は相当な騒音公害を被っている。アイルランドでは、刑事訴訟法が、風力発電所のオーナーとオペレータに対し環境法の騒音違反に優先する。また、アイルランドでは、開発者は、資産価値の損失に対して持ち家所有者に補償することを強制されていて、多くの人々の税金評価は減額されている。イギリス北西の湖水地方のあるグループは、Askam風力発電所により人生がメチャメチャになったと主張してオーナーとオペレータを訴えた。

20041月に、あるカップルは、彼らに、Askam風力発電所が、1,800フィートの向こうに建設され始めていたと言わなかった前のオーナーから、彼らの家の価値の20%を補償された。それは、風車による景観の損失、騒音公害、動く翼の後ろに沈んでいく太陽が起こす明滅によるいらいらが生じるからである。このプラントのタワーはわずか40メートル(130フィート)の高さで、さらに24メートル(75フィート)ローターが延びるだけである。ウェスト・コースト・エネルギーのスティーブ・モロイは、財産の価値の損失は、不運であるけれども、物質的な計画考慮ではなく、持続可能なエネルギーの利点が反対にまさったという産業の主張は覆すことはないと答えた。

ドン・ピーターソンは、ウィスコンシン州Kewauneeにおいて31個の風車を運営するマディソンガス&Electricのシニアディレクターだが、全てではないが、ほとんどの人々が機械の音に慣れるであろうとして同様に不満を退けた。慰めるように、ベロイト・デイリー・ニュースに、「どのような騒音でも、あなたがそれが好きでないならば、あなたの脳は、それに集中しようとする」と彼は言った。特に、比較的未開発の地域では風力発電施設からの不自然な騒音は卓越するであろうということには疑問の余地はない。暗騒音のレベル(そのようなプロジェクトのための典型的な限界)をたった10dB増えても、主観的知覚的には、騒音レベルは二倍になった様に思う。

風車のために土地を貸そうとする農夫の1人が、問題(騒音だけでなく、夜間のちらつきと照明)のため隣人の地所を買う必要があったと報告されている。ウィスコンシン州公共サービス(Kewaunee郡の別の14個の風車を運営)は、2001年に、6つの近隣の地所を買うことを申し出て、2人のオーナーは受け入れたが、他の2人は20041月に訴訟を起こした。200416日に、デボンの西モーニング・ニュースは風車からの騒音問題、特に低周波騒音の健康に及ぼす影響について3つの記事を掲載した。ナチが拷問のために低周波騒音を使ったことに言及する別の興味深いリポートは125日のTelegraphに掲載された。


仕事、税金、および資産価値

エネルギー産業は雇用を創出すると主張するが、因みにEnxcoは「奮闘している農村を活性化する」と言うが、事実は建築の数ヶ月間で、しかもその殆どは風車会社から差し向けられた労働者によってなされ、典型的な大きな風力発電施設が必要とするのはほんの1人の保安要員だけである。89の風車施設、トップ・オブ・アイオワの建設に関係していた200人の労働者のうち、創出された7つの常設的な仕事に付いた地元民はほんの20人であった。全国的平均で見ると20MWあたり1.2人の雇用が生み出されている。

エネルギー会社はまた、風力発電施設は地方税の基盤を増大させると主張する。しかしそれは、ずっと広い地域に渡る、開放的な土地の喪失、観光旅行の損失、土地流通の停滞、即ち減価、そして、そのような開発により一般的に享受する税額控除があってもそれ以上に相殺することになる。そして、税金、電力料金として消費者は企業に補助金という形で支払わなければならないことになる。風力プロモーターによる調査でさえ、風力発電施設ができると、旅行者の4分の1から3分の1はもう来なくなるであろうとしている。観光旅行に依存する地域ではそれは莫大な損失である。風力発電開発者は、風車自体が魅力であると言うが、英国の風力発電地帯の観光案内所は仕事がないので既に閉鎖された。数人の人々は、風車が彼らの土地をリースすることでより多くのお金を手にするが、それは開発者がささやかな理由により節税を開始し、節税効果が薄れてくるまでの間に過ぎない。カリフォルニアのAltamont・パスには無くなって久しい会社により所有されていた風車が壊れて散乱しているが、それは一般的に善とされることの反対である。

風力発電支持者は、あなたの資産価値が近くの産業風車に影響されるようなことはないと強く主張する。なぜならそれは好みの問題で、いつでも買手はいるであろうとしているからである。それは、すでに風力発電所が近くに建つ可能性の有る人々で、その好みが、窓ががたつき、壁がうなり、明滅ライトがちらつき、頭上で100フィートの羽根が回転し、昔は木々と大鹿の跡があった場所に、巨大な金属の塔と道路が提供されることを好む人々にとってはささやかな慰めである。


Spiddal turbines at night

These wind turbines overlook Galway in the west of Ireland - photo by John Smyth (http://johnsmyth.ie/blog/?p=3)

他の問題

企業は、一面の反射光と他面の影のちらつきのせいで人々と動物は気が変になりそうであると認めている。そして、夜、タワーは点灯されなければならないが、それは農村地域の多くの人々が大事にしている暗い空を破壊しておりAWEAはそれが重大な生活妨害と述べており、ヴァーモント州では特に規制の直前である。赤いライトは、夜間に移動する鳥を引き付けると考えられる。

氷はもう一つ問題である。氷は羽根が止まっているときに出来るが、回転を始めるときには1,500フィートまで投げ飛ばす。また、ナセルとタワーの上にたまった氷は落ちる。ジョン・ツィンマーマン(ヴァーモントのSearsburg発電所の開発者)2000年にAWEAの討議一覧に以下の様に書いた。「ブレードや機械の上に、重い霜氷構造があるときは、あなたは本能的に遠くに逃げたくなるであろう」。…風車は吠えて、恐ろしい音をあげる。私達は風車の基礎の近くで、一度断片を見つけたが、かなり印象的であった。その上で3人の大人が飛び跳ねたがそれは壊れることはなかった。それは、厚さ56インチ、幅3フィート、長さ約5フィートくらいであった。恐らく数百ポンドの重さがあったであろう。私達はそれを持ち上げることができなかった。近くに23個の他の断片があったけれども、私達は、断片の残りがどこに行ったかわからない。凍りそうな時はSearsburgへの通路は制限される。よい天候においてさえ、見物があるときには風車は停止される。

スペインのバレンシアの巨大な風力発電施設の計画者達は、モーターオイル(1.5MWのタービン一つでほぼ200ガロンあるのだが)と冷却液と洗浄液のしたたりと飛散に言及する。各風車の基礎にある変圧器には最高で500ガロンの油が入っている。タービンのグループがグリッドと接続する変電所の変圧器にはそれぞれ10,000ガロン以上のオイルが入っている。

Vestas wind turbine on fire

エンジニアリング保険業者の国際協会は火事を警告する:「タービンが速度を落としていく時に、風車内の火による損害は通常、過熱したベアリング、稲妻の衝突、火花の放火によって起こされる。…それは、発見される前や、消火を始められる前の、極めて小さな発火でさえ大きな火事に容易に発展しうる」

1995年のドイツの研究は、風車損害に対して支払われた保険金請求の80%が稲妻によって起こされたことを概算した。稲妻は羽根のコーティングを剥離させ、無効にして、多くのタワーを破壊する。羽根が回転し続けると、不均衡でタワー全体が倒れることになる。タワーは金属疲労に左右されて、合成樹脂ブレードは風によってでさえ容易に損傷を受ける。ウェールズ、スペイン、ドイツ、フランス(20041222)、デンマーク(2005120)、日本(2005224)、ニュージーランド(2005310)、およびスコットランド(200547)で、誤動作と火災により、羽根の部分と全体が引きはがされ、8キロメートル先まで飛び、あるケースでは、羽根が家の窓から飛び込んだ。タワー全体ではドイツ(つい最近では2002)と米国(例えばオクラホマでは200556)に倒壊している。


結論

数十万個のタワーについての企業の計画のほんの一部でも実現すると、これらの否定的な面のすべてはより悪くなるしかないであろう。しかし、すべてのレベルで、否定的な影響はもちろん利点との上で熟考されなければならない。パートIで説明したように、これらは無視されてはならない。


III.

私達のエネルギー資源を多様化することは賢明である。しかし、大規模に風力発電に投資されたお金と立法上の努力は、私達が化石燃料や核燃料の使用を減らす目標を達成するためにもっとずっと効果的に使うことができた。

例えば、カントリー・ガーディアンは、1つの風車の建設のために注ぎ込まれた英国政府の補助金で、風車がその生涯で発電するであろうエネルギー量を2年で省けるほぼ500棟の家の屋根を断熱することができたであろうと試算する。

カントリー・ガーディアンはまた、英国のすべての電球をより効率的なモノに交換すれば、英国の電気の風力発電施設全部を閉鎖することができ、ひょっとすれば、デンマークでその電力の20%を賄っている風力発電施設も、出来ないことだが、閉鎖することも出来る。太陽エネルギーコンサルタントで小売業者のReal Goodsによると、米国のすべての家族が1つの白熱電球をコンパクトな螢光灯と取り替えれば、1つの原子力発電所を閉鎖できると言うことである。ジョン・Etheringtonは、英国のすべての家で最もよく使われている電球を切り換えることで、英国の自国内に現存する風力発電所と計画されている風力発電所の総発電量と同じくらい節約できるであろうと主張する。

BWEA自身によると、風力発電の電気の保存には、発電の半分程度かかると言う。カリフォルニア電力公社によると(風力発電で発電された電気の市場価格を下げる補助金を無視しても) 風力発電による電力の保存には発電とまったく同じ電力を必要とすると言う。ジョン・ツィンマーマンは20032月のヴァーモント州のカービーでの会議で、私達が、「ちょっと私達のベルトを締めれば、私達のエネルギーバランスのためにずっともっとできることができるであろう」と認めている。

1章で説明したように、風力発電は従来の発電所の使用を全く減少させない。エネルギー会社が、実のところ、汚染を減らし、輸入燃料の供給のために何もしない間に、より効率的で、よりクリーンな発電所の性能を上げれば、グリーンパワーのイメージをサポートするという利益をもたらすであろう。20004月のE.U.リポートは、既存のテクノロジーを使って効率を高めることにより、2020年までに18%以上のエネルギー消費を減少させることができると述べている。気候変動における国連後援の政府間パネルは、建物内で単に自発的なエネルギー効率を改良するだけで、2020年までに世界エネルギー使用量を10%15%を減らすであろうと述べている。彼らは、すでに使用されている技術により、建物、製造、および輸送の効率改良により、2020年までに50%よりもっと世界の炭素排出量を減らすことができると述べている。

米国で消費されたエネルギーの61.5%が「失われて」いる。すなわち消費されたエネルギーの38.5%だけが実際に取り出されたと言うことである。送電だけで発電された電気の7.34%が失われる。私達がすでに持っていて、しかも、それでかなり長い間活用できそうな技術で改良できそうなモノが明らかに沢山ある。電気は米国におけるエネルギー使用のわずか39%に過ぎない。ヴァーモントでは20%、そして、ヴァーモントの温室効果ガス排出の1%だけが発電からによるものである。化石燃料による汚染は、また交通(車、トラック、航空機、および船)と暖房に起因する。英国の風力発電施設の狂気のような導入にもかかわらず、CO2排出量は2002年と2003年には増えた。2004527日、コペンハーゲンの会議で、デンマーク・エネルギー会社出身の開発の長Elsamは「風力タービンの開発の増大によってデンマークCO2排出は減らない」と述べた。小型トラックおよびSUVを含む車の燃費効率を厳しくし、貨物輸送と旅行の両方に対し鉄道輸送を促進し、バイオディーゼル(例えば麻からの)の使用を支援することは、汚染と外国からの石油依存に対し莫大な影響を与えるであろう。風力発電にはそうした効果はない。いくつかのハイブリッド・ガソリン電気自動車(ただ単に「グリーン」な加速機を追加しただけで、電気モーターを追加した訳ではない)はすでに、米国の従来の新車の平均より60%少ないガソリンを使う。

風力発電支持者はしばしば、風力発電は燃料電池のための水素を製造することが可能であると提唱する。これは見事な計画(月刊雑誌"風力発電"20035月の記事の中でいくつかの理由でそれを退けるが)であるかもしれないけれども、それはかなり先の未来のことで、現在の建設には正当な理由が全然ないという事実を強調するためだけのことである。

そして、風力発電が相当量の発電することができないのであるから、同様に、相当量の水素を生成することができないであろうということを明記して置かなくてはならない。それに加えて、ライフ・サイクル環境アセスメント研究所による2004年の研究で、エネルギーの回収率は、揚水で75%、リチウム・イオン電池では最高85%回収しているのに、水素はエネルギーのわずか47%を回収するにすぎない。

小規模風力発電は、直接ユーザーに電気を供給することができ、変動生産が蓄えられる場合には、家庭、学校、工場、オフィスビル、または小さな村などに供給できる。しかし、これはグリッドに供給するほど大規模には取り組まない。それらの推進者によって主張されるささやかな利点さえ、莫大な否定的なインパクトによって大きく凌駕される。

私達が技術的に高度な産業界の中で生きていくためには妥協が必要であり、化石燃料が尽きるであろうし、地球温暖化が遅れなければならず、化石燃料と核燃料の調達と輸送が環境、政治的、社会的に壊滅をもたらすことを想起しなくてはならない。遅かれ早かれ、現代の生活の現実は、私達自身の家庭内のこととなるであろうし、常識は私達の経済的生き残りのために開発されなければならず、私達がよりよく値していると信じることは極端にエリート的な考えであろう。(The commons must be developed for our economic survival, and it would be elitist in the extreme to believe we deserve better.)従って、原生環境保全地域は犠牲にされ、農村は買収されて風力発電施設が住み込み(役に立たないが)、私達の政府は風力発電は化石燃料の先を見越していると自慢し、実際それらの使用を減らすために何もしないのだが、そして、私達の電気料金請求書は”より緑色の未来の投資”を支え続ける。こうした妥協の一方で、多国籍エネルギー企業はより大きな利益を挙げ、化石燃料と核燃料の使用は増え続ける。

現在使用している資源の画期的な改良だけでなく、多くの代替エネルギー源が開発されねばならない。しかし、風力発電施設は現に存在しているので、それらの“解決策”はそれらのメーカーとマネジャーによって提示される。すべての努力は、少しの簡単な問題が簡単ではないと明らかにすると、それらが実のところは解決策であるという錯覚を維持するためにされる。


 割愛
 

この書類は、写真、いくつかの関係書類、およびさらに多くのインターネットリンクwww.aweo.orgでラインの上で入手可能である。
Eric Rosenbloomはバーモントに在住の作家で科学編集者である。



2-km Wind Turbine Setbacks for Health and Safety

 なお、筆者は、大型風車は、

・近くに住んでいる人々に、昼夜にわたり、睡眠不足、頭痛、耳鳴り、怒りっぽさ、めまい、吐き気、および他の徴候を引き起こす、広範な周波数の騒音と振動を発生する。

・一般に置かれる田舎や野生の環境とは相容れない程度に騒音レベルを上げる。

・太陽が回転する羽根の後ろにある時には遠くまで侵入する影のちらつきを造る。

・遠くまで大きな氷の塊を放ち、投げることができる。

・しばしば、壊滅的なブレード故障、崩壊、および火を起こすのではないかというストレス与えやすい。

と言うことで、健康と安全のために風車のセットバックは2kmは取るべきと言う請願文を用意している。



 まー、もちろん、風車産業をここまでボコボコに言っている筆者に対して、それなりに反論は有るモノで、ロングアイランド沖の風車支援組織は(LI Offshore Wind Initiative)「エリック・ローゼンブルームの曲解(Eric Rosenbloom Distortions)」として以下のような文を載せている。

In his very strange paper, a Mr. Rosenbloom argues that power produced by large wind plants is useless and that "large wind turbines use as much electricity as they produce".

Amazingly, Rosenbloom states that "It is clear that industrial wind generation is not able to contribute anything against the problems of global warming, pollution, nuclear waste, or dependence on imports."

Read on to find out the truth about some of Mr. Rosenbloom's imaginative distortions.


 彼の非常に奇妙な論文の中で、Rosenbloom氏は、大きな風力発電所によって発電された電力は無駄で、「大きな風力発電は、それらが発電するのと同じくらい多くの電気を使う」と主張する。
驚くことに、Rosenbloomは、「風力発電事業は、地球温暖化、汚染、核廃棄物、または輸入依存度の問題に対して何も寄与することができないことは明白である」と述べる。

Rosenbloom氏の想像力豊かな曲解のいくつかについて真実がどうであるかを知るためには以下を読みなさい。

http://lioffshorewindenergy.org/index.php?module=pagemaster&PAGE_user_op=view_page&PAGE_id=13


The Problem with ‘A Problem with Wind Power’ The Distortion
"No power plants have been shutdown in other countries with wind turbines because wind is an intermittent resource.

The Truth
Both Germany and Sweden have shut down nuclear reactors with the intent of supplying the loss of capacity with wind power

(http://msnbc.msn.com/id/8058171/)&(http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/4536203.stm)


The Distortion
If you build wind turbines you need backup generation

The Truth
Electric grid systems can handle a certain percent of wind power without needing additional generation. The 140MW able to be produced by the wind park is within these parameters. The grid is already designed to compensate for loss-of-load contingencies when large power plant units suddenly become unavailable


The Distortion
Because other electric generators need to be running at lower efficiencies in ‘spinning reserve’ they will actually pollute more than the avoided emissions from the wind turbines

The Truth
The fact is: electrical generating units are constantly varying their outputs, starting and stopping, as the demand for electricity rises and falls throughout the day. When not running or burning less fuel, they pollute less!


The Distortion
Other countries are reducing their subsides for wind power

The Truth
This is what is supposed to happen with any industry as it reaches a sustainable point in any market. E.g. Spain began to reduce subsides in 2002 and their wind generating capacity still grew 33% in the last two years. (in the USA fossil fuels still receive very large subsides despite overwhelming market penetration)


The Distortion
The German Energy Agency report issued in February 2005 said increasing wind generation would raise costs by 3.7 times

The Truth
Completely false. We encourage you to visit the agencies website and read their report to see for yourself that Mr.Rosenbloom’s claim was uniformed (
http://www.deutsche-energie-agentur.de). The true additional cost per household is 12 euro a year


The Distortion
The US Fish and Wildlife Service rejected the use of monopole towers as a means to mitigate bird deaths

The Truth
Completely False, the document Mr.Rosenbloom cites, actually promotes the use of monopoles to mitigate bird deaths. It appears he didn’t read his own citation.(
http://www.fws.gov/habitatconservation/wind.pdf , pg.6 statement # 1)


(※翻訳ソフトによる)

‘風力発電についての問題’の曲解についての問題


曲解

「風力が間欠的な資源であるので、どの発電所も風力タービンによって他の国でシャットダウンしていない」。

真実

ドイツとスウェーデンの両方は、風力発電を能力の損失に供給する意図を持って原子炉を閉鎖した。

(http://msnbc.msn.com/id/8058171/)&(http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/4536203.stm)


曲解

あなたが風力タービンを築くならば、あなたはバックアップ世代が必要である。

真実

送電線網システムは、追加の世代を必要とせずに風力発電の一定のパーセントを処理することができる。風力発電地帯によって示されることができる140MWはこれらのパラメータの中にある。グリッドは、すでに、大きな発電所ユニットが突然利用できないようになる時にロードの損失不測事態のために補償するようにデザインされている。


曲解

他の発電機が、‘スピンニングリザーブ’における低効率で動いている必要があるので、それらは実際風力タービンから避けられた排出より多くを汚染するであろう。

真実

事実は以下の通りである:電気への需要が一日じゅう高まり、低下するにつれて、電気の生成装置は、始まり、停止して、常にそれらのアウトプットを変えている。運転または少ない燃焼が燃料を補給しない時に、彼らはより少しを汚染する!


曲解

他の国はそれらを減らしている 風パワーのために沈下する。

真実

それがどのような市場ででも持続可能なポイントに到着する時に、これは、どのような産業にでも起こると思われていることである。例えばスペインでは減りはじめて 2002年に沈下する 、それらの風生成キャパシティは最近の2年においてまだ33%増大していた。(非常に大きい米国化石燃料まだ受領において、圧倒的な市場浸透にもかかわらず沈下する)


曲解

20052月に出されたドイツ・エネルギー機関リポートは、増大する風世代がコストを3.7倍上げるであろうと伝えていた。

真実

完全に間違いである。私達は、エージェンシーウェブサイトを訪問するようにあなたに勧めていて、Rosenbloomさんの主張が均一化されたと自身のためにわかるように、それらのリポートを読んだ。(http://www.deutsche-energie-agentur.de)

家族あたり真実の追加のコストは、年12ユーロである


曲解

鳥の死を和らげる方法として、アメリカ魚類野生生物局は磁気単極タワーの使用を拒絶した。

真実

完全に間違いで、Rosenbloomさんが引用する文書は実際、鳥の死を和らげるために磁気単極の使用を促進する。彼は彼自身の引用を読まなかったようである。


 Q&A形式の部分は以上で氏の多くの”曲解or誤解”に十分に答えているとは思えないが…。



 そんな中、日本では「落雷で次々故障する風力発電…赤字膨らむ」と言う風力発電施設は少なくないはずだが、世界の風力発電業界は「風力発電、2030年には世界の電力の20%を供給可能に」と鼻息が荒い。

 特に、この記事で注目すべきは、「風力エネルギーは主な温室効果ガスの排出を減少すると同時に、世界で日に日に増え続けるエネルギーニーズを満たすことができると指摘」という言い回しである。
 即ち、これまで、風力発電懐疑派が「依然として従来の発電所で閉鎖されたモノはない」という点をクリアすべく、風力は「代替エネルギー」と言う立場を完全に捨てて、「追加・補完エネルギー資源」と堂々と主張し始めた事である。
 確かにこう考えれば、原子力発電所や火力発電所が減らなくても全く問題無いわけで、即ち、電力は多いに使ってちょうだい、そして、不足分は風力発電で行こうね、という事だ。現在風力発電の大得意で、電力使用量が今後も益々増すであろう中国で大風呂敷を広げたくなるのもごもっともなことだ。

 さらに、この発表は「世界風力エネルギー協会(GWEC)とグリーンピース・インターナショナル」がタッグを組んでいる。当然と言えば当然だが、今やそもそも風力発電業界自体が怪しいとなれば、環境保護という同じ釜の飯を喰う様々な環境保護団体が正面だって金儲けに邁進するスポンサーが有ったとしても全然不思議ではない。

 ついでながら、風力発電賛成派が良く例に出すデンマークの例だが、北欧自体が1国で電力の需給を賄っているわけではないという事情の上に、その北欧に於いても極めて特殊な発電事情の国であるかなんぞはもちろん電力の"専門家"は先刻御承知はずなのだが、それを知ってか知らんでか風力発電”提灯”は平気で、日本でそれを例に出す。何とも埒外の認識としか言いようがない。ま、しかし、このデータの出所が、原子力データセンター(NEDAC)を起源とした「高度情報科学技術研究機構」であるから若干は原子力への身贔屓は否めないが。


101017

最後まで読んでくれてありがとう。

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