風車騒音の”犯人”は極超低周波空気振動か?

Ultra Low Freqency Air Vibration; ULFAV

当サイトでは、風車音測定のデータに基づき、「新しい低周波音被害エコキュートと風力発電 悪魔の値=二枚舌の参照値」に於いて言及したように、低周波騒音被害の犯人は単に聞こえる音(騒音)だけではなく、”聞こえる音と聞こえない音(低周波音)”の総体である空気振動の総エネルギー量と考えるという、アバウトな犯人像を提示した。

 しかし、その後、汐見先生は風車音測定のデータを再検討され、新たに、「風力発電の被害原因は、数ヘルツの超低周波空気振動」ではないかと言う考察を提示された。

 以下は新たなデータに基づき、あくまで私個人が試論的私見として考察したモノであることを最初に述べておく。そして、何よりも、「良きようにお使い下さい」と、データを提供してくださった先生に、そして、もちろん、測定に協力された方々に感謝したい。


 新たなるデータの経緯は、汐見先生からの話を私的にかいつまむと、既に先生から頂いていたデータでは、先生もこれまでの経験と予測に基づいて、通例クリックで拡大に従い、測定に際し、10Hz未満をカットして(通例10Hz未満の”音”は音と見なさいらしい)周波数分析されたそうである(図0)(その他のデータも混載してあるので見にくいが、)。

 しかし、あまりの、被害状況との不一致(音圧の大きい部分が無さ過ぎる)から不審をぬぐいきれず、試しに、1Hzまでのレベルで周波数分析してみたところ、何と、2Hz、3.15Hzに60dB(G)を超え、時として70dB(G)を超えるピーク値が観察されたと言うことである。もちろんこの数値はG特性補正されているので、因みに60dB(G)の場合を逆補正してみると、3.15Hz以下の周波数に於いては80dB以上と言うことになる。

もちろん低周波音の測定を知るものなら、などと大仰な事を私などが言うのは誠におこがましいが、一応、私もお借りして測定してみたことがあるのだが、特に10Hz未満の数値は、通例、室外の測定ではチョットした風、物音で60dBくらいには簡単に跳ね上がってしまう。ただし、周波数が全然違う。もっと高いところである。

 そう、話しが少しずれるが、特に吠える犬が居る場合は測定にならないそうだ。それは犬の吠え声は近くなら簡単に80dBを超えてしまうからである。この音圧は工場内の大騒音に匹敵する。これは日頃吠えまくって近辺のバカ犬への私怨もあるが、実に科学的に犬の吠え声は大騒音なのである。たかが犬の吠え声と思っている飼い主達よ、とにかく、犬を吠えさせるな!!!! 

 一般に、暗騒音or定在波と言われる音がある。これは簡単に言えば、格別何も音がしていないような状態でも、何となく全体が「ゴー」とか「ドー」としているような”感じの音”がしているような状態の場合があるが、測定的には、詰まるところ「対象の音が出ていないときの音状況」と考えて良いのだが、それらは大抵10Hz未満に存在するとされており、通常の測定では10Hz未満の数値は切り捨ててしまうらしい。特に、「低周波音の測定では微妙なので10Hz未満はバッサリ切り捨ててしまう」と何度も低周波音の現場に赴いて測定している方は言う。それはまた、同時に、仮にそれなりの数値が出ていたとしても「10Hz未満は暗騒音or定在波です」と言われて、無視されることが通常だからでもある。

 長年の経験を持つ先生でさえそうであったのであろう。が、しかし、それだけであれば、今回の発見は無かったことになる。だが、そうでなかった点に、常に「因果関係」を重視される先生の慧眼の成せる技がある。

 今回の測定では見事に稼働時と非稼働時(暗騒音or定在波)の状況が拾われており、問題の周波数帯に於いてその差はおよそ10dB以上ある。この差を仮に10dBとしても、その差は、音の計算ではこの周波数帯では、何と10倍の騒音という事になる
 ただし、今回の場合は音として聞こえない周波数帯の事であるから、通常の耳に聞こえる「音」とは言えないから、それに替わるモノとすれば純粋な空気の振動エネルギーそのものと言うことになる。それが図の「ねずみ色の部分」に当たる音圧の差さの部分と言うことになる。そして、これこそが風車騒音の主犯ではないかと私は考える。

 今回測定された音圧は、可聴域の音であれば、人が長時間聞けば、「(身体的には)回復困難な難聴等の聴覚障害をもたらす」とか、「(心理的には)人の性格を攻撃的にしてしまう」とか言うレベルの音で、振動で言えば、「建物に影響をもたらすレベル」いうことであり、いわば、人間の健康に被害を与えるという点に於いては”完全凶悪犯”の資質を持つレベルの”音”なのである。しかしながら、この”超低周波音と言う完全凶悪音”は単に人間には聞こえない事を良いことに、人間が最も休らうべき夜中中も、日々延々と響き続け、凶悪犯罪を犯し続けているのである。


クリックで拡大 さて、今回明らかになった10Hz未満の”音”だが、図1に示すように、(おさらいをかねて)、一般に80Hz〜20Hzは「低周波音」と言われ聞き取りにくく、さらに、20Hz以下の音は「超低周波音」と言われ、人間には殆ど聞こえないとされている。

 では「音としてはどういった感じなのか」と聞かれれば、私的には、「ドーッと辺りを覆い尽くす様な雰囲気的圧力として感じ、頭、特に首筋上部への圧迫感と、頭蓋骨内部への強力な圧迫感を感じる」とでも表現するしかない。低周波騒音被害者ならこの感じは比較的容易に解ることと思う。

 しかし、行政の中の”専門家”の中には、「低周波音とされる80Hz以下は聞こえない」などと低周波音を根本的に理解していない輩が多々居るのである。まして、超低周波音である20Hz 以下など聞こえるはずもなく、騒音問題には全く関係ないと思いこんでいる、と言うよりそんなことは考えたこともない輩が殆どである。まして、今回問題とするような数ヘルツ等と言う、最早「音ではない音」が”聞こえて”苦しむなどと言うことは想像もできないのである

 この雰囲気的圧力は私の経験範囲では、「自衛隊の大型ヘリが近づいてくる直前の感じ」が一番近い。この時は、何かが襲ってくるような異常な空気圧を感じる。もちろん、ヘリの場合は「近づいてきて、音となり、去っていく」。その間は数分だからまだ耐えられる。この大型ヘリの騒音は25Hz近辺で音圧は90〜80dB(G)である

 しかし、「風車の空気圧」は稼働中、常に大型ヘリが近づいてくるような様な状態のはずだから堪ったモノではない。その間「ズーッと頭が周り全体から押さえ込まれる」ような感じになるはずではなかろうか。これに近い、もう少し音らしい解りやすい例では、周波数がもう少し上の、「爆音マフラーのアイドリング”音”」や「静音設計の最近のバックフォーの音(50Hz-68dB)」と言うことになる。

 と言うことで、”風車圧”の実体は何であるかと言えば、人間には音として聞こえない音部分の、純粋なる空気振動のエネルギーと考えたい。もちろんこれは日常騒音が静まり、マスキング効果の全くい夜間の方が、さらに明瞭になるはずだ。そして、籠もってしまう室内の方が強く感じるはずだ。

 現在の聴覚閾値(聞こえる、聞こえない)を基とする普通騒音の測定では、聞こえないはずの(80Hz以下の)”音”は「(カットされてしまい)無いもの」とし、測定数値的にはゼロになってしまう。そこで、80Hz以下の音を測定する低周波音専門の測定器の登場となるのだが、これこそ、低周波音苦情者が行政に”直訴”した場合に、多くの自治体が「測定器を持っていない」だとか、「測定の技術が無い」とか言って逃げてしまう代物なのだ。

 しかし、これまでも何度も述べているように、その昔と言っても、平成12年(2000)、環境省が「低周波音の測定方法に関するマニュアル」策定時に、各自治体に「無料で長期貸し出しします」と言っていた物なのだ。国が長期無料貸し出しと言うことは「タダでくれてしまう」と同じはずだ。従って、現在、「持っていない」と言う自治体は、当時「低周波音問題など当自治体には関係ない」とか、「こんなのをもらうと後が面倒」と考えた自治体と言うことになる。

 その測定器は、カタログを見れば判るが本体だけで75万円する。一体、当時何体が自治体に長期貸与されたのであろうか。少なくとも県レベルには全て配られたはずだ。その後、仕方なく買った自治体もある。もちろん、自治体関係の測定をする測量会社も買ったはずだ。民間の測定業者に測定を頼めば1回数十万円はする。本来ならこれは低周波音と疑わしき苦情が有れば、行政が無料ですべき作業である。ただしかし、行政が測定する場合は、必ず相手側(騒音源側)に「いついつ測定します」と連絡するから、余程のバカでない限り、騒音源側は機械を止めるなど騒音源の音圧を”落とす場合が普通である。従って、その前に秘密測定が必要となるのではあるが。


 話しを戻すと、この機器では1Hzまで測れるが、現実的には、10Hz未満の”音”は絶対に聞こえないから、騒音ではない、とばかりに、図1を見ても解るように基本的にデータが無い。かの「参照値」でさえ10Hz未満は(問題にしていないのか)ない。辛うじて、「物的参照値」が5Hz 迄ある。そう、聞こえる、聞こえないを理論的基盤とする”専門家”は10Hz未満は完全に「人間には関係ない」としているのである。即ち、人間に関係あるのは、あくまで「聞こえる音」だけであると言う観点に基づいているからである

 しかし、図を1を見ていて、「物的参照値」(桃色グラフ)がもう少し左の方に延びてきたとしたらどうであろうか?と思わないであろうか。思わない人は、無理矢理そう思って、左の方に延ばしてほしい。グラフの「流れ」から間違いなく、5Hz未満では70dB以下になっていくのでは?と思わないだろうか。

 もちろん”専門家”というのは何を考えるか解らないから何とも言えないが、ヒョッとして「5Hz が底でそこからは上に行く」とか、そもそも、この「物的参照値」は建具のがたつきとか、窓硝子がビリビリするとかと言う「物的苦情」に対応する数値なのだから、あくまで人間には関係ないとでも言うかも知れない。

 だが、「5Hz が底」と言う話しは置いても、建具ががたつくような音圧が人間に何の影響も及ぼさないはずはない、と私は思うのだが、"専門家"の先生方は”幾らモノががたついても人間には影響は無い”と考えているようだ。
 この点については拙稿日本の「参照値」は世界一高いハードル7.頭蓋骨は「物」を参照してほしい。

 そして、現実に、「被害」は有るのであるのであるから、それは、事業者や専門家が言うように格別問題になる音が無いなら、@被害者が全くのウソを言って事業者のイチャモンを付けようとしているか、A可聴域内の小さな音圧に異常に反応しすぎる個人の特性か、Bはたまた、普通の測定では引っ掛からない「音として絶対に聞こえない周波数帯(10Hz未満)に問題があるのではと言うことになる。
そして、このBこそ純粋な空気の振動=極超低周波空気振動(Ultra-Infrasonic Frequency Air Vibration; UIFAV)(※)」と言うことである


 しかし、この「振動」と言う言葉も結構曲者で、一般に「振動」等と言うと、どうしても、何かが「揺れる」と言うような、どうしても、「眼に見える物の揺れ」を日本語的には想像してしまいがちだ。だが、例えば、超高層ビルは常時揺れているが、余りに大きく、ゆっくりなので目に捉えにくい。従って、通常想像しにくい。


 結論として、風車被害は、「”風車の回転が創り出す空気の圧”と、それに共鳴するタワー長周期の振動が近辺に常時もたらす超長期の極超低周波空気振動」によりもたらされると考えたい。

 幸いなことに、人間自体はかなりフレキシブルな”免震構造”になっているはずで、一般の作業現場でもたらされる程度の振動の短期暴露の実験では影響は明確にならないであろうが、超巨大な音圧と振動の長期暴露実験は行われていないはずだ。

 これが行われていないのは、低周波音の権威である時田氏言うところの、

「(低周波音の)短時間のばく露実験では(生理的影響は)明確でないという結論になっているが、長期間のばく露でどのようになるかということは実験もないし、結論づけることは難しいということが現状である。これを影響がはっきり現れるまで実験しようと思うと、まさに人間の人体実験になってしまうので、影響があった場合の回復が明確でない実験はできない。」

 により明らかである


 超長期振動
の暴露実験は、「超高層ビルでも5分以上続ければれヤバイ」というのだから、人間だったら、間違いなく想像できないような被害をもたらすはずである。

 しかし、現実にはその人体実験は、"被験者"に無断で風力発電施設の近辺で行われており、その影響があった場合の「人体実験」の結果が「風車病」である

 それでも、あくまで「人間には何らの影響が無い」と言い張るなら"専門家"達には、最早、科学も理論も有ったモノではない。

 ※UltraLow Frequency Air Vibration; ULFAV(極超低周波空気振動)と言う言葉は現在のところ無いようだが、10Hz未満の一桁周波数の空気振動をこう定義する。


さて、今回はエコキュート騒音の話しは無いが、図1を良く見ていただきたい。10Hz以上(右側)に於いては風車とエコキュートは似たようなグラフである。そして、被害状況の酷似性からエコキュート騒音にも10Hz 以下(左側)に何かあるのではなかろうか? だが、被害規模から言って風車の場合よりかなり低い音圧になるはずであり、そのための、風車病のように急性的で何とも我慢ならない様な状態にはならないのであろう。


 そして、さらに万が一に上記のような私の説が仮に、本当に本当であっても、被害者にすれば、「で、私たちはどうなのよ。今の苦しみから直ぐに解放されるの!? え! どうなのよ!」と言う気持ちは良ーーーく解る。しかし、特に国策系の事業に関しては、仮に失敗が解っても、現状を一気に変えるような状況には絶対にならず、「科学的知見がない。今後の調査を待ちたい」などと永久に言い続けることであろう。

 こうした被害者達の切実な声は黙殺され、今しばらくは、丸紅、四国電力、伊方町による第三セクターの「三崎ウインド・パワー」が言う様に、「低周波音のことは考えていなかった。風車から低周波音が出ているのか出ていないのか調査したい(←低周波音が出ていることを知らない訳はないので単なる時間稼ぎ)」、あるいは、「個別に対策を講じるので納得してほしい。(←個別対応で丸め込む方針)地区を軽視していない。騒音が気になる住民は連絡してほしい」。そして、その個別の対応は、「寝室の防音サッシとエアコン、居間にエアコンをそれぞれ無償で設置する(←要は、部屋を閉めきって我慢しろ!と言うことなのだが、これで改善されないことは既に証明済み)」と言う、決して根本的解決にならない対応が延々と続けられる事になろう。

 漏れ聞くところに依れば、伊方の方の住民説明会では事業者が大枚を叩いて(?)呼んだ超低周波音の”権威”が、、相も変わらず、「超低周波音は聞こえるはずはないから気にしないように(←それは通常の小さな音圧の場合)気にするから気になる(←「気」と言うのは自分でコントロールできるモノなのか?)気にしなければ気にならない(←非常に短時間ならできないことはなかろうが、24時間、しかも寝ている間もそれができる訳がない)」と言うような科学的はおよそ遠い、”精神一到何事か成らざらん風の”精神論”を関係住民に披露したそうである。

 こういった解説は何も彼に限ったことではなく、現在の日本の低周波音”専門家”のお決まりの”精神論”解説である。
 (と、思っていたのだが、何と、これは世界の低周波音学会(?業界)でも定説であるようだ。)

 この説で行けば、耳鳴り、頭痛、睡眠障害、集中力の低下、痺れ、肩こり、イライラ、…、風車病の症状の全てが、単なる気のせいか、詐病と言うことだ。いうまでもないが、これらの症状は全て低周波騒音被害者が訴える症状と同じである。


 今回のデータと共に、先生から送られた東日新聞(愛知県東部の中心市である豊橋市を中心とする東三河地方の地方紙)の、07/8/31の記事によれば、”7/31、既に建設されている風力発電施設と今後豊橋市などの表浜沿岸中部電力が建設を予定している建設計画に反対する住民グループ「細谷風力発電の環境を考える会」の代表が「妻を頼む」と息子に遺書を残して、所有する畑の内、最も風車に近い(250m)畑の、最も風車に近い場所で、風車の方向を向いたまま、首の周りにガソリンを浸したタオルを巻き付けて焼身自殺をしていた”(概略)と言うことだ。

 低周波音そのものが凶器となり直接人を殺すことはない。しかし、それがもたらす影響の苦しみやそれに付随する諸々により人は自らの命を絶つ。そう言った例は既に幾つかある。だが、「低周波音で自殺」と言う事には決してならず、直接原因として報道された試しはない。しかし、その時の本人の状態は間違いなく低周波音被害により体調不良と極度の鬱状態になっていたことは間違いなく、特に今回の場合は家族から「それ以外に原因は考えられない」と言うことである。さぞかし無念であったことであろう。

 本来なら、この後の8/31の中部電力の説明会には多くのマスコミが取材に訪れても当然なはずだが、ただ一社のみ取材に訪れた東日新聞9/2の記事に依れば、説明会では、中電側は、”「説明用の映像に著作権がある」として、会場内の写真撮影は一切禁止、地元民向けの説明会として、地元以外の住民、マスコミの質疑は禁止された”と言うことだ。その後の、関係者からの取材からだろうが、中電側は「…住宅から250M以上離せば、騒音問題、人体への影響はない」と言う「(風車は)大丈夫だという話しばかり」だったそうだ。

 この事件は、TV、全国紙はもちろん、ブロック紙にも一切報道されることはなかった。もし、本当に風力発電が「地球環境にやさしい新エネルギー」で、「騒音問題、人体への影響はない」とするなら、そして、恥じることのない国策として進めていけるモノなら、今後のために、中電側は、むしろ、マスコミを呼んでまでしてでも、その安全性や健全性を大きくアピールできる絶好の機会であったはずだ。しかるに、著作権を楯にしたり、マスコミへの質疑制限等と言う姑息な手を使い、”雑音”を排除した訳である。痛くない腹どころか、間違いなく”痛い腹を探られたくない”のでは、と思わざるを得ない。

 この経緯を見ると、下手をすれば、どころか、”上手をしても”、間違いなく、風車音は「黙殺の音」となるはずだ。

 低周波音に対する根本的対策でさえ今もって何もない状況で、もっと「制御」の難しい(恐らく方法が無いと思うが)、(極)超低周波空気振動に対する対応策など現況では有ろうはずがない。有るとすれば、唯一、沖縄の基地騒音のように、近隣住民の「ご理解をいただく」と言う策だけである。
 
 元々、風力発電の適地が少ない日本では殆ど無意味で無理な国策なのだ。しかしどうしてもと言うなら「海外では…」が大好きな日本国は、「欧州基準である住居地から2km以上は離す」べきを実行すべきである。もちろん、それでも問題は出るかも知れない。が、少なくとも、新たに造られる風車においてはハードルは高くすべきであると同時に、現行の風車についても再検討がなされるべきである。


 風車がある日突然「あなた」の近辺に造られることは決してないであろう。だが、「風車病」と酷似した低周波音被害をもたらすエコキュートが「あなた」のお隣に突然設置される可能性は常にある。もちろん「あなた」がこういった被害を感じない低周波音不可聴域タイプの人間なら幸いである。これまで、低周波音被害に遭うのは”低周波音に敏感な特異体質の持ち主だけ”と考えられていたからだ。

 しかし、「風車病」の発生により、条件が整えば、かなりの確率で低周波音症候群的症状が発症する事が明らかになった。この症状は静かな地区に設置された低周波音発生機器ほど”被害効果”を発揮する。仮にあなたが”低周波音に敏感な特異体質の持ち主”でないとしても、あなたの家族の一人がそうであった場合、あなたは、多くの低周波騒音被害者が現在放置されているように、無神経に「家族の恥」と言うような無理解な状況でいられるだろうか。
 
 これまでの幾つかの被害報告例では低周波音被害者に理解を示さない同居人は「心臓をやられる」という。因果関係が無いとは言えまい。
 
 低周波騒音被害の犯人を葬り去り得るのは、現況では、そして、今しばらくは法でも科学でもない。低周波騒音被害に対する理解者の数の力のみである

090120,080429,080425


最後まで読んでくれてありがとう。


HOME