寄稿:ガスヒートポンプエアコン室外機(GHP)騒音被害
「参照値」越え騒音下で10年間
一般の人間が環境法の知識を持ち、企業側が環境法を厳守していれば被害は避けられた
以下のようなガスヒートポンプエアコン(GHP)室外機の騒音被害に関する投稿が寄せられました。筆者の「プロパン会社が、あらたな被害者を生み出さないこと、他の人々が被害に遭わないように、この被害を伝えていく事が、たくさんの知識を与えてくれ、被害の解決に導いてくださった識者の方々への恩返しになると思っています。」と言う思いを酌んで、ご覧になればお解りのように、非常に隔靴掻痒的な内容ですが、被害の重要性と解決の希的運の良さなどの経過に鑑み、掲載させていただきます。太字、下線、番号、段落、()内文等は管理人による。
私は、あの様な苦しみが存在するとは考えた事も無く、加害音により近い家で機器設置後程なく被害に遭われた裏の家の奥様、加害音に向かい合った家で、被害に遭ってしまった少年の訴えを、自分が同じ様な被害を感じるまで理解しようともしなかったのです。
ア裏の家の奥様の十年間の苦しみ、更にはその方亡き後、同じように被害に遭われて、働けなくなり、家を手放していったご主人・・・。@店舗側は建設前に、A裏の住宅への説明会で、「業務用エアコン室外機は民家横、民家に向けては設置しない」と唯一約束しながら、B敷地境界線上にタクシーとおなじ様な構造で20馬力のガスヒートポンプエアコン室外機を設置してしまったのです。
今日までに知り得た知識が、その当時にあったなら・・・。「室外機だから仕方がない。」と、子供の訴えをスルーしてしまったのは、痛恨の極みでした。
私が今日、自分の家で暮らせるのは、当時、苦しみ悩む私に、様々な知識を与えてくださった識者の方々のお陰と、心から感謝しております。CA様にも、当時、突然お電話させて頂き、メールやお手紙でご意見を頂き心から感謝致しております。
私達の加害音が移設されたと、お世話になりました皆様にご連絡した時に、このGHPの機械についての知識、低周波音被害についての知識をさずけてくれました防振・防音の技術者の方に、私達の被害を全国に伝えてとの要望を受けました。建築ジャーナル5月号に「室外機の騒音・低周波音被害が解決に至るまで」として掲載して頂いたお陰で、その一つを叶えられたような気がしています(全文ではありません)。
長い年月が過ぎ去ってしまい、イ裏のご主人は当地を離れて行きました。@フランチャイズ側に、せめて謝罪の言葉を求めていますが、先方の人間性を思うと、無理との思いでいます。私達は自分達の被害を伝える事によって、@この企業のような非人道的設置をする輩の抑制、被害に遭われている方の参考になってくれればと願っています。
この企業からの謝罪を得る事は出来ませんが、「六畳一間でも、良い。ここから出たい。」と、ご主人に訴え続けて、ア亡くなられた奥様の供養になれば・・・と、思っています。
私達一般庶民は、自分が騒音・低周波音被害に遭わなければ、殆どの人間が、騒音規正法、環境基本法等がどのような法律であるか知らないまま一生を終えると云えます。その様な状況を逆手に取り、企業倫理・企業責任を無視した企業によって私の住む住宅の人間達は被害を受け苦しむ事になったのです。
その企業は、設立当初、@グッズ販売の店舗と云う説明で、業務用室外機は民家横・民家に向けては設置しないと隣接している住宅のD住民達に唯一約束したと言いますが、程なくして、定格出力15kw、20馬力、高さ2.16m、幅1.8m、奥行き1m、重さ1tで、OHV(レシプロエンジン)を搭載し、コンプレッサーで駆動するガスヒートポンプエアコン(GHP)室外機をクレーン車でB民家境界線近くに引き下ろし設置してしまったのです。
すぐ真横の住民が、店舗の約束違反を抗議しても「ここは準工業地域で、65dBの音は許されている。」と、突っぱねられ、更に抗議を続けた結果、この室外機の前面・側面3面をブロックで囲むという姑息な手段で住民を黙らせてしまったのです。
冬場はエンジンの廃熱を暖房に利用するため出力は抑えられますが、夏場の高温・多湿の時には三倍の出力で稼動し、夜間においても昼間と同じ様な音を響かせていました。
年中無休の店舗なので、GHPも稼動し続け、民家に向けて設置されたGHPは、通常でも夜中過ぎまで、時には24時間稼動することもありました。
この機械の住民被害については、以前、他のブログにも載せて頂き、更には、全国に販売網を持つ雑誌・建築ジャーナル2015年5月号にも取り上げて頂きましたので、被害に遭われた方々の参考になってくれれば・・・と、思っています。
今回、投稿させて頂くのは、私達住民が無知であった為にこのような被害を受けてしまった事を、騒音等の規制に関する知識を持つことによって、事前に被害を防げる事実を、同じ様な被害に遭っている方々、環境法を知らない方々も知って欲しいと思ったからです。
この企業は建設時の周囲への説明は店舗でしたが、開店後、程なく、車検を始めました。次いでは塗装ブースが作られ、自動車の板金塗装も始まりました。作業にあたって、7.5kwのコンプレッサーが設置されましたが、依然として店舗としての届出のままだったのです。
この時点で、環境についての法知識がある人間であれば、この企業が店舗である事に疑問を抱いた筈なのですが、私達には分かる筈がありませんでした。国の騒音規正法では、7.5kwのコンプレッサーを保有する企業は特定施設の届出を作業を行う30日前までに行い、作業を行う地域の行政は届出を受けた後、地域住民や環境に与える影響等々について協議し、許可を出すと定めているのです。違反すれば罰金が科せられます。
特定施設の許可が受理されると、企業はその特定施設のすべての境界線上において、騒音規正法の防振・防音規制値に定められた数値を守らねばなりません。行政によっては、加害音がどのような機械か調べようともしないで、測定値云々と逃げる場合もありますので、F機械を熟知し測定出来る業者等に秘密裏に測定して貰うことをお勧めします。
当地における規制値は、昼間65dB、夜7時から10時までは60dB、夜10時から翌朝6時までは50dB、6時から8時までは60dB ですので、工場出荷時の無音室で62dBのGHPなどは敷地境界線上に設置出来る筈もなかったのです。(「都民の健康と安全を守る条例」や、住民の安全重視の地方行政によっては、準工業地域の昼間の規制値を60dBに設定していますので、無音室での測定値が62dBの機械を民家横・民家に向けては設置させないと聞き及んでいます。)
更には、住民に抗議された店舗側がブロックでGHPの前・横三面を囲ってしまい、2階床部分がGHPの屋根状態になり、店舗裏壁で囲まれているので、その5面の反響音を加算すると、当時、どれ位の騒音を住民に押し付けていたのか…、メーカーはGHPの上は空ける(タクシーと同じ様な構造で排気ガスを噴出、音も反響してしまう為)、周囲は囲わない、3m以内で1面を囲む事で3dB、2面で6dB反響音が加算される場合があるからと、設置指導書の中で注意を促しています。
G当時、行政に測定を拒否された低周波音測定を、研究者の方にして貰った所、国が定めた参照値をはるかに過ぎていた事も、後に測定結果を入手した時に分かりました。測定日はやや外気温が下がった8月21日でした。私が機械からの騒音・低周波音の被害に遭ったHその年の7月、8月前半は、凄まじい暑さが続き、このGHPからの騒音・低周波音がどれ程の数値であったのか・・・、非人道的設置をした関連会社に怒りを覚えて仕方がありません。この機械が稼動していた十年間は、外気温が40度近くになる時もあって、記録的な猛暑が続いていたのです。
私達の場合はI公害審査会に訴えた出た途端に室外機は移設されました。
当地に来た本社担当の人間の、「この室外機は法律にゆるされても、人道的にゆるされない。移設します。」の言葉には本当に感謝したのですが、その後に得た事実により、このGHPは、店舗側が板金塗装の作業を開始し、7.5kwのコンプレッサーを店舗正面西側に設置した時点から、国の法律を破り続けていた事実が分かったのです。仮にコンプレッサーを保有しない純然たる店舗であったとしても、このようなGHPの設置は環境基本法の見地から訴える事が出来た事案だったのです。
私達が被害を訴えた企業、行政、製作会社、建設会社、プロパン会社は、当然、このような設置が住民に被害をもたらす事実は承知の上であったと確信しています。本社担当の人間にその認識があったかどうかは定かではありませんが、あのまま設置されていたならば、公害審査会への訴えのみならず、民事でも訴えることになったと思います。
この被害は、皆が知識を持っていたならば事前に防げた事案でしたが、私達に向けられた参照値を超えた低周波音よりも低い数値で被害に遭っている被害者の方々の苦しみを思うと、人道的配慮の解決が早く成されて欲しいと思っています。
低周波音は大きい・小さい、との線引きでなく、あの何とも形容しがたい嫌な音を知覚し、連続的に聞かされ続ける事で、脳が耐えられなくなるのだと、被害を受けた私は思っています。人間の神経を乱すような騒音・低周波音は、設置者以外の人間に押し付けないような判断こそ必要なのです。
私は10年経って、それまでうるさい騒音として捉えていた音が圧迫感を伴う苦しい音(?)に変化してしまいました。騒音・低周波音被害が個人によって異なると認識出来たのは、アよりGHPに近い家に住んでいた女性が、設置されて程なく低周波音を感知して苦しくなったと知り、中学生の男子(どこの家の子であろうか?)も同じ頃から、騒音とは違う音として捉えて不眠に陥るようになっていたからです。
室外機を囲むように建っている他の家では、窓を開けられない程うるさい騒音との認識だけでした。低周波音として感知していなかった私は、子供(どこの家の子であろうか?)の訴えに対して「室外機だから仕方がない。」と、その苦しみを深刻に捉えないで聞き流してしまったのです。J裏の住宅の庭を塞ぐように立っている我が家は、店舗裏とは向かい合う形になり、GHPは真向かいの設置でした。
店舗説明会への参加を、店舗隣接の住宅の自治会班長に拒否されていても、店舗側に早い時期に抗議すべきでした。被害者の十年間の苦しみを思うと後悔ばかりです。
低周波音は一度感知してしまうと、脳が嫌な音として記憶してしまうのか、今日、私は、GHPとは違う機械からの低周波音も感知してしまう身体になってしまいました。
現在は、GHPからの連続音を聞かされ続けた環境下とは異なり、一過性の低周波音を避ける事で音過敏症までには陥らずに済んでいますが、参照値以下の事例と切り捨てられ、被害から逃れる為に、大事な持ち家を離れなければならない方々の苦しみ、ア店舗が出来るのを知らずに中古住宅を購入して被害に遭われた女性の、「六畳一間でも良いから、ここから出たい。」と、訴え続けて病死してしまった苦しみを思うと、心が痛んで仕方がありません。
私達の事例は、一般の人間が環境法の知識を持ち、企業側が環境法を厳守していれば被害は避けられた筈でした。設置に関係したすべての企業の責任は甚大です。
企業倫理・企業責任について追求する私達に、建設会社は「配慮が欠けていた」とのお詫び状を寄越しましたが、企業主は「すべての責任は本社にある」と、今も尚、責任を認めず謝罪の言葉一つありません。
また、どの企業よりも設置に対しての責任があると識者に指摘されているプロパン会社は、「本件におきましては責任があるとは考えておりません」と、私達の質問状に対して書面で回答して来ただけです。
私達の質問を最初に受けたこの会社の社員は、「騒音については区域ごとの決まりはありますが定格出力については15kwを民家の横に設置出来ないといった決まりは無かったかと思います。」と、メールで返答して来ました。
このプロパン会社が、あらたな被害者を生み出さないことを祈るばかりです。
私達は今、他の人々が被害に遭わないように、この被害を伝えていく事が、たくさんの知識を与えてくれ、被害の解決に導いてくださった識者の方々への恩返しになると思っています。
AYA
AYAさんから寄せられた事例と言うより文からは、事業者への怒りと、法律を知らなかった自分への無念さが迫ってきます。しかし、こうした被害の普通の当事者なら普通当然あるはずの加害者に対する怒りが実名を伏せるなど、到底考えられない状態にあります。さらには、こうした被害事例の”記述”に当然あってしかるべきはずの、いくつかの点、即ち、何もしてくれない自治体、何もしない事業者・設置者等への張り裂けんばかりの怒りがうかがえません。実は、これ以前の記述はもっと曖昧なモノで、事例そのもの具体性が見えていませんでした。『建築ジャーナル5月号に「室外機の騒音・低周波音被害が解決に至るまで」として』よくも掲載されたものである、と思って居ます。
当サイトとしては、現在さらに詳細で、明瞭な記述にしてくださるよう要請してあります。
そうまでしなくても、だったらやめておけよと言う声も聞こえそうですが、本当にこうした被害に遭っている人にとっては、こうした事例の一つ一つが、非常に参考になるのですが、このままの記述では、残念ながら、筆者の「この被害を伝え、新たな被害者を生み出さない」という祈りは到底遂げられないと思うからです。何故かという「代表」は、被害の具体的な実像、現場、交渉、経過、がほとんど浮かんでこないこうです。その理由の一つは具体的実名が出てこない事かも知れません。そして、それが現実としてはどのように解決されたのかと言う最後の「落ち」である被害の核心があまりにも唐突である事です。
これからの被害者防止に役立つために、この「手記」にかけている点、疑問点など現在書き込みをお願いしてある点などを、文中の下線、丸番号(管理人による)に従い、列記してみます。
@店舗側 | 「 十年間の苦しみ」を与えた加害者である。実名を出しても何ら不思議は無いはず。 |
A裏の住宅への説明会 | 何軒有り、何名参加したのか? |
B敷地境界線上に…室外機を設置 | 境界線内では無いか? |
CA様 | 文中で唯一個人としての実名なのですが、他とのバランスを考え、敢えて匿名としました。 |
D住民達に唯一約束したと言います | あなたは「説明会」に参加しなかったのか? |
E「ここは準工業地域で、65dBの音は許されている」 | この時点で、「騒音に係わる環境基準」を調べれば、この発言が嘘である事が解るはずだが、それを複数の被害者が10年間に渡り放置した。 |
F機械を熟知し測定出来る業者等に秘密裏に測定して貰う | それ以前に、この程度の事は相手が個人で無く、事業者で、騒音であれば、行政でも十分やってくれるはずです。そして、同時に機器設置の法律違反が判明したはず。 |
G当時、行政に測定を拒否された低周波音測定を、研究者の方にして貰った所 | 当地の騒音は低周波音でなく、紛う事なき普通の騒音ですので、行政に申し出れば良いのです。それを行政が拒否したとは非常に不思議です。 |
Hその年 | これを含め、そもそもこの事案はいつごろのことなのか、10年前がいつから10年前なのか、とんと時系列が解らない。少なくとも「参照値」が出てからの話だろうが。 |
I公害審査会に訴えた出た途端に室外機は移設 | 突然ここで、「公害審査会」が出現する。そこに至るまでの経緯が全く述べられていない。被害者はそこらを一番知りたいはずなのだが。 |
J裏の住宅の庭を塞ぐように立っている我が家は、 店舗裏とは向かい合う形になり、GHPは真向かいの設置 |
この説明で騒音源と被害者宅の位置関係が解るであろうか? |
K店舗説明会への参加を、店舗隣接の住宅の自治会班長に拒否されていても | 「自治会班長」は店舗とグルか? |
Lたくさんの知識を与えてくれ、被害の解決に導いてくださった識者の方々 | この「識者の方々」こそ、どう言った方々なのか被害者は最も知りたいはずだが、だれひとり具体名が上げられていない。しかし、こうした方々は、どうしてもっと行政を利用すべきであるとか、当初の測定で、遙かに環境基準を超えていると言うことを教えてくれなかったのであろうか。 |
もし、この内容が事実であるなら最も糾弾されるべきは、こうした問題に関わること無く、放置し続けた当該地の行政であるし、それを教えてくれなかった「識者」を逆恨みしてしまうところだが、投稿者には行政への働きかけや恨み言は全く語られていない。被害者は設置者の責任の甚大性を述べているが、筆者が奇しくも述べているように、本来なら、法律の知識一つで、当初から解決されていた問題なのである。それを何もしてくれなかった行政とするなら、事業者並みの責任はあるでしょう。
いずれにしても、被害状況、交渉の経緯、解決に至った経緯が非常に不明瞭な上に、、当人の希望で、当該事業者、何もしてくれなかった当該自治体、解決に労を砕かれた専門家等の固有名詞を一切出さない奇妙な被害報告ですが、現時でも、今後も、こうした事例に遭われている方、そして、法律を知らないがために騒音被害に苦しんでいるかも知れない方々のために、敢えてアップしました。
この方の場合は被害に遭ったのは誠に不幸ですが、解決に至ったのは、誠に運が良かったとしか言えない点が大で、普通はこんな運良く偶然にも解決されることはまずありません。その偶然さの裏に何かあったのかも知れませんが、そこのところは述べられていません。何とも隔靴掻痒の文章でありますが、事業者の環境基準違反・設置届け違反、なし崩し的業務拡大と言う明らかな法律違反を放置してしてしまった被害としての長期化という重要性においては替わり有りません。
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被害者が自身の被害をすぐに認識出来るような情報が求められれば・・・と、思います。
その後以上のようなお返事(一部省略)が参りましたので、事案は今後の参考のため掲載を継続させていただきます。
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