”(エコキュートの)低周波音は人間の健康に被害を与えまぁす”
消費者安全法第23条第1項に基づく事故等原因調査報告書
家庭用ヒートポンプ給湯機から生じる運転音・振動により不眠等の健康症状が発生

低周波音問題解決への可能性の始まり


写真と内容とは
直接関係ありません

1.消費者事故調はよくやった以上の画期的

 身の回りで起きる製品事故や食品被害などの原因を究明するため、2012年10月に発足した消費者安全調査委員会(消費者事故調)は、群馬県高崎市の夫婦からの「隣家のエコキュートから出る低周波音で不眠や頭痛の症状が出た」との訴えの申し出を受け、2012年11月から調査を開始した。

 その後、ほんの半年で、消費者事故調 着手まだ5件 発足半年「スピード遅い」の声 (2013/04/05 02:07 日経)などと言われながら、5件中の一つであるエコキュート問題に、2年ほどの調査で、2014/12/19、低周波音の健康への影響について「消費者安全法第23条第1項に基づく事故等原因調査報告書 家庭用ヒートポンプ給湯機から生じる運転音・振動により不眠等の健康症状が発生したとの申出事案」(以降報告書)として、公表した。

 既に被害者となっている人々には全くもって自明で当然の報告であるが、「家庭用ヒートポンプ給湯機(エコキュート)から生じる運転音・振動により不眠等の健康症状が発生する」と言う結論を出した。低周波音問題に関し、これまで10年一日のごとき動きしかしてこなかった行政というモノに諦めきって、格別の期待はしていなかった私の素直な気持ちとしては、ほとんど驚異に等しい。行政にも、当然を当然とするまともさはあるモノだとの思いに救われた感じであると同時に、未だに低周波振動被害の後遺症に苦しむ私としては、余りに遅きに失した思いは避けようも無いが、ただただ、うれしいの一言に尽きる。ここに至らせた関係者方々の尽力に感謝するのみである。

 これまで、多くの騒音源機器に対し、口先ばかりで実質的には無為無策を貫き通してきた経産省は全く黙殺、厚生労働省は実際的被害があるわけではないとするのか無為、せめてもの環境省は、「低周波音と不眠等の被害関係は、因果関係不明、科学的知見は無い、調査中」と何十年も言い続けてきた訳で、マスコミも「遅い!」等と言うべきは、彼らにこそである。「遅い」等との言説は、この事案の本質歴史を全く知らないマスコミ的無知故にとしか考えられない。

 と言うことで、事故調は、環境省や日本騒音制御工学会等が長きにわたり、そして今なお、「因果関係不明、科学的知見が無い、調査中、今後も調査」と言い続けてきた事案に対し、必ずしも大きな声では無いが、”(エコキュートの)低周波音は人間の健康に被害を与えまぁす”と発した訳で、この意義は大きい。

 ただ今ひとつ残念なのは、今般の「報告書」では、低周波振動被害者にとっては銘々白日の事実である、”エコキュートが出す低周波音・振動と不眠等の健康症状の発生についての因果関係までは「断定」しなかった”事であるが、少なくとも「(不眠などの)健康症状の発生に関与している可能性がある」とした点は大いに評価すべきである。

 そして何よりも、評価すべきは、これまで長年にわたり、低周波振動被害者に対し門前払いを食らわせてきた担当諸行政に、「リスク低減のための対策」「健康症状の発生時の対応」について、経済産業省、環境省、消費者庁及び公害等調整委員会に以下の取組を行うべきである」、と具体的な提言をしたことである。

 これまでの、”因果関係を承知の上での”専門家”と行政による因果関係不明、科学的知見が無い”の言に比ずれば、ひとまずはエコキュートに限るモノの、公的機関が「低周波音と人間の健康被害の因果関係の可能性」を認知したと言うことは、この背後にある無数であろう、その他の多くの「低周波音被害」(=エネファームを始めとする種々のエコ機器、ひいては風車騒音問題、そして、低周波音問題として最も古典と言える環境基準内であっても「騒音の長期暴露」と言う工場騒音にまで敷衍されなければならない。


2.問題は関係省庁の今後の取組如何

 ただ、言うまでもないが、今回の提言は到達点では決して無く、低周波音問題解決への単なる一歩に過ぎないということである。すなわち、「経済産業省、環境省、消費者庁及び公害等調整委員会は以下の取組を行うべきである」との提言が、担当各部署が実際にどこまで「取り組む」か、に事の進展の全てがかかって居るわけで、縦割り行政と言われる政府の緒機関が、単なる一機関の提言など単なる”戯言”と受け取る関係省庁も少なくないはずで、さらには、中央から地方の末端にどれだけの”上意下達”が可能かと言うことであり、今後行政窓口が今後手のひらを返したように「低周波音問題でようこそいらっしゃいました。お困りでしょう。はい、測定ですねいつでもしますよ」なんてなってくれるわけではない。

 因に、敢えてしつこく繰り言を言えば、これまでも、環境省も、一応地方行政に対し、「参照値を低周波振動被害の足切りに使うな」とか「参照値を風車の騒音には使うな」などとしてきたが、強制力が本当に無いのか、両者ともに承知の上での茶番なのか、地方行政窓口担当者は、”「参照値」を低周波振動被害者門前払いの宝刀”として使いまくってきている”前科”があり、さらには「低周波音の測定機器が無い(→上位機関(県など)で借りれば良い)」「夜間は測定しない(→税金や水道料の取り立てには夜間でも来るという)」「民民問題なので介入できない(そもそもが相手が公共の施設でもない限り世の中の出来事は基本的には民民問題である)」等と逃げまくり、詰まるところ「当地には低周波振動被害は無い」とまでしてきていた訳で、これまでのこうした状況が改善されるかどうかは一に、低周波振動被害者に対する担当窓口での取り扱い方をどこまで「下意(=低周波振動被害者)上達(行政)」できるかにかかっている。ただしかし、上位官庁も「上意下達の時代では無い」などと嘯くこと無くそれなりの対応策を提示すべきである事は言うまでも無かろう。

 また、エコキュートに関し、業界は”一応言っておきます”とばかりに、既に2011年にエコキュート直接では「据付けガイドブック」なるものを出してはいるものの、それがその通りに実施されているかとなれば、そもそものその存在の認知率たるや、「電器店及び電気工事業者(回答238社)では約2割、工務店及びハウスメーカー(回答93社)では約3割、電器店等では20%以下」(事故調報告書p.60)と言う、テストで言えば、完全赤点不合格の低認知率であれば、その設置工事に於いて、据付けガイドブックの主旨である、「ヒートポンプ給湯機における騒音発生の実態について、100 Hz以下の低周波音を含めた騒音の分析等の調査を行ってきました。その結果、据付け環境によっては、20 Hz以上の可聴域で騒音レベルが上昇する場合があることがわかってきました。また、実際の騒音苦情の事例を分析すると、ヒートポンプ給湯機の据付け位置や据付け方法を工夫することで改善されるケースがあることも確認できました。このような研究成果を踏まえ、お客さまにヒートポンプ給湯機を安心してお使いいただけるよう、騒音等防止を考えたヒートポンプ給湯機の据付け要領をガイドブックとしてまとめました。ヒートポンプ給湯機の販売、据付けに携わる皆さまが、お客様にご提案いただくときの参考にしていただくことにより、騒音等の苦情の減少に繋がると考えています。」(家庭用ヒートポンプ給湯機の据付けガイドブックp.1)などという能書きは、具体的に近隣住民に配慮すべき文言は一言も無く、あくまで「売らんかなの営業第一主義」であった事は明白であると言うこれまた、”前科”が有る。

 すなわち、「言っておいて、事が済むわけでは無い」と言うことは消費者庁だけでなく経産省も環境省などの関係省庁はよくご存じのはずで、そもそもにおいて、罰則という法律的担保の無い”物言い”は、実際においては、無い(無視して良い)に等しいと言われている訳で、それを一番よく知っているはずの関係省庁の「取組」がいかようになされるのか注視しなくてはならない。直接の被害者から各省庁への働きかけがもっとも重要であるが、あくまで個人の力は弱いと言うより無いに等しく、消費者事故調に、末端行政の窓口の現実的対応が集約される様な窓口が設けられる様切にお願いしたい。くどい杞憂であって欲しいのだが、消費者事故調の提言が各省庁に全く「黙殺」されては、現実はこれまでと何ら変わることは無い。

 そして、何よりも、これまで多くの低周波音問題を門前払いはしないものの解決に至らしめた事例が無い、昨今では”低周波音問題は門前払い”と言う噂まで聞く公害等調整委員会を始め、司法関係者も、最早、低周波音被害は、国が、”因果関係不明、調査中で「物差しが無い」”などと言う回避のためだけの理由だけで無く、被害者の苦しみと訴訟にまで持ち込むまでの時間的労力と、低周波音環境での苦痛と、何よりも経済的負担を浪費させない"成果"を与えて欲しいモノである。特に、司法関係者がこうした問題に無知とは言え、忙しさの余り資料をレビューすることさえ無く、この問題をスルーし続けてきた罪は軽くはなかろう。


3.調査書要旨

 さて、今般の「報告書」を新聞よりは少し丁寧に見てみよう。と言ってもそれは要旨までで、それ以上の詳細については本文を参照してほしい。

要 旨

<事案の概要>
 群馬県に在住するA氏(50歳代男性)は、平成21年2月頃、不眠、頭痛、め まい、吐き気等を発症した。その後、同年5月頃、A氏の配偶者B氏(50歳代 女性)も同じような症状を訴えた。 「これらの症状は、隣家の敷地内(自宅から約2m離れた場所)に設置さ れているヒートポンプ給湯機から生じる低周波音と思われる運転音・振動によ るものである」として、平成24年10月、A氏及びB氏は調査委員会に事故等原 因調査等の申出を行った。

<原因>
 本件事案については、以下の点から、ヒートポンプ給湯機の運転音が申出者 の健康症状の発生に関与していると考えられる。なお、運転音に含まれる低周 波音については、申出者の健康症状の発生に関与している可能性があると考え られる。

@ヒートポンプ給湯機設置当初から健康症状が現れ、また、ヒートポンプ給湯機が電気温水器に交換されてからは健康症状が治まったことから、設置と健康症状の発生との間に時間的な関連が認められたこと(4.1.1参照)。

A申出者が訴える、場所(部屋)による症状の程度の違いと、現地での音測定 で得られた各場所でのヒートポンプ給湯機の運転音に含まれる低周波音の 違いに対応関係が認められたこと。また、低周波音領域以外の音では、場 所による症状の程度の違いと整合する特徴は、みられなかったこと(4. 2.1参照)。 また、健康症状の発生に影響する可能性がある因子としては、ヒートポンプ 給湯機から生じる運転音のほか、設置状況、住宅固有の音の伝搬特性、個人因 2 本件事案の申出者が訴える症状と同じような症状のことをいい、具体的には、不眠、頭痛、めまい、吐き気等の症状をいう。 2 子があり、これらが健康症状の発生に複合的に関与している可能性が考えられ る。

<意見>
低周波音固有の人体への影響の有無及びそのメカニズムには不明な点もある ため、現時点においては、ヒートポンプ給湯機の運転音による不眠等の健康症 状の発生を根本的に防ぐ対策を示すことは困難であるが、健康症状発生のリス クをできるだけ低減するとともに、より根本的な再発防止策の検討と発症時の 対応の改善を進めるため、経済産業省、環境省、消費者庁及び公害等調整委員 会は以下の取組を行うべきである。

(1)リスク低減のための対策

@経済産業省は、住宅の設計・施工時における「騒音等防止を考えた 家庭用ヒートポンプ給湯機の据付けガイドブック」(以下「据付けガ イドブック」という。)の活用を促すため、住宅事業者や設置事業者 へ据付けガイドブックの説明及び普及を促進し、適切な時期にその 効果の確認を行うよう、一般社団法人日本冷凍空調工業会(以下 「日本冷凍空調工業会」という。)を指導すること

A経済産業省は、設置状況によってはヒートポンプ給湯機の運転音に 起因した健康症状を訴える者が生じる可能性があることを、製品カ タログに記載する等により、消費者に伝わるよう、製造事業者を指 導すること

B経済産業省は、低周波音が健康症状を発生させる可能性があること に鑑み、ヒートポンプ給湯機の運転音に含まれる低周波音の更なる 低減等に向けて、製品開発を行う際に配慮するとともに、低周波音 の表示の在り方について検討を行うよう、製造事業者を促すこと

C環境省は、低周波音の人体への影響について、一層の解明に向けた 研究を促進すること

(2)健康症状の発生時の対応

D経済産業省は製造事業者に対して、ヒートポンプ給湯機から生じる 運転音・振動によって健康症状が生じたとする個々の事案に対応し て、製造事業者が健康症状の軽減に向けたヒートポンプ給湯機に関 する具体的な対策を検討し提案するとともに、その履行がなされる ように取り計らうなど丁寧な対応に努めるよう、指導すること

E消費者庁は、ヒートポンプ給湯機から生じる運転音・振動によって 健康症状が生じたとの苦情相談への対応方法を地方公共団体に周知 すること

F環境省は、現場での音の測定値が参照値以下であっても慎重な判断 を要する場合があることを、一層明確に周知すること

G公害等調整委員会は、紛争となった場合の地方公共団体における適切な公害苦情対応について検討を行い、地方公共団体に対して指導、 助言を行うこと


4.被害の因果関係は簡単明瞭

 言うまでも無く、これまでに以上のことがそれなりになされていれば、現在のエコ機器低周波振動被害者の多くは被害を免れていたであろう。しかし、被害者には申し訳ない言いであるが、これだけの数の被害者と行動力があって初めて行政は動いたと言うことであろう。しかも動いたのは消費者庁というこれまでこの問題(低周波音問題)に関係してこなかった部署である。

 彼らは「エコキュートと健康症状」との因果関係の「可能性」はただ一つ、「原因」の@に尽きると言っている。すなわち、「エコキュート設置の前後と被害の有無が一致」しているわけで、どうしてこうした簡単かつ明快な答えを、振動・騒音の”専門家”は、エコ機器の騒音振動被害のみならず、風車を始めとする低周波音発生装置に関して導き出し得ないのか。

 それは簡単なことである。低周波振動被害の存在を認めることは工業・経済学的に非常に都合の悪い事業者とそれを養護すべき政治が”結託”し、それに将に御用学者として応えた理工学者達=”彼ら”の低周波振動被害存在否定論理の理論的基盤、「聞こえるか、聞こえないか」と言う聴覚閾値理論(これまではまちがってはいないであろう)に尽き、そこから何らの医学的知見はもちろん、それこそ”彼ら”の大好きな科学的知見など一切ない大飛躍仮説=「低周波音のような聞こえない音では健康被害は生じない」と言う低周波振動被害者の存在を全く無視した仮説に全て基づいているからである。

 彼らがそこに拘泥する理由はただ一つ、それらは数値的計測による数値化が可能で有り、彼らの出番があるからだ。「なんだか解らないが体の調子が悪い」というのは人間の領域で有り、医師の領域だからだ。


5.”専門家”以外による結論

 因に、今般の報告書に携わった諸委員の経歴をザッと見た限りでは、こうした騒音問題に必ず登場するはずの日本騒音制御工学会の会員たる”専門家”はみえないようである。すなわち、ここには日本に於ける低周波音騒音・振動の”専門家”はいないのである。被害者はとうの昔にこうした結論に至っており、”専門家”以外の、まともなと言うまでもない普通の常識ある人々が低周波音と健康被害の因果関係を考えれば今回の結論は当然の帰結なのである。

 とすれば、これまで低周波音問題の解決を延々と伸ばし続けてきた、と言うより解決しない事態を現出し続けてきている日本騒音制御工学会、いや、そこに”作文”を依頼するために設立(騒音制御工学会は環境省の肝いりで出来ている)さその後も研究費として多大の経費を提供し続けてきた環境省、延いてはの国の責任は当然問われることになるはずであり、現在最高裁へ上告中の低周波音規制国家賠償訴訟にもそれなりの影響を与えることになろう。

 だがしかし、であれば、今般の結論は、現実の低周波振動被害者の存在を低周波音”専門家”によるドグマ的仮説たる「低周波音のような聞こえない音では健康被害は生じない」とする、何らの科学的知見に基づかない非科学的仮説を基盤とし、長年にわたり低周波振動被害を否定し続け、低周波振動被害者に長年にわたり多大な苦しみを与え続けてきた日本騒音制御工学会会員、少なくとも、当該会の歴代の低周波音分科会に名を連ねてきた”専門家”達が、”低周波音問題の素人達”によるたかだか2年の検討でその”聖域たる牙城”を否定されて、「はい、そうですか」などと唯々諾々と容易に受け入れるとは、私には到底考えられない。必ずや何らかの強力な反論をしてくるはずである。今般の提言を放置するような、”彼ら”の黙認状態は、これまでの非道の数々は非科学的な嘘でしたと「認める」ことになってしまうからである。


 しかし、こうした結論を、”彼ら”(=低周波振動被害否定集団)は全く予想しなかったのだろうか。それともどんな結論が出ても関係諸官庁は当初から相手にするつもりが無いのであろうか。今後の経緯は一に消費者事故調の”権威”にかかって居ることを被害者は忘れてはならない。因に違反したところで何らの罰則も無いのであるから、これからもいくつかの「低周波音有罪」の判決を勝ち取り、道を切り開かなくてはならないかも知れない。


6.専門家の嘯き

 ”低周波振動被害を避ける方法は「気にしない」事だ”と低周波音被害者にアドバイスし、一方、末端行政や事業者に誤った使われ方をして低周波振動被害の否定に免罪符をあたえてしまった形になっている”低周波振動被害否定勢力”の既に残滓とも言える、山田伸志・山梨大学名誉教授(騒音制御)が、今般の「調査書」に係わる朝日新聞の報道に、以下のようなコメントを寄せている。因にこのコメントの部分が載った記事は現在ネットで検索してもヒットしない。

 「〈低周波音に詳しい山田伸志・山梨大学名誉教授(騒音制御)の話〉 
 一般的にエコキュートがある北側は隣家の南側にあたり、その生活空間に近い。夜間に動き、自分で止められないため騒音問題が起きやすい。ただ、問題の背景に隣人とのトラブルがあるケースもある。近所づきあいが希薄な都会では隣人関係が悪くなりやすく、解決には行政などに第三者的な立場で間に入ってもらう必要がある。」

 山田氏、少なくとも「波音問題対応の手引書(平成16年6月)」を作り、「参照値」を提唱し、その手引書内では諄いほど登場する文言「専門家」を各自治体に養成すべく全国行脚で講習会を開いたはずだ。その”成果”はどうなったのであろうか。「低周波音問題の解決のためにあなたたち行政などが第三者的な立場で入りなさい」と講義しなかったのであろうか。

 「問題の背景に隣人とのトラブルがある」のはこうした機器設置後「隣人とのトラブルが生じる」のだ。「夜間に動き、自分で止められないため騒音問題が起きやすい」→昼間でも他人のモノは止められまい。自分の家のモノでは無く、始まりも停止も知り得ず、稼働はいつか、停止いつかと思ううイライラ感が低周波振動被害の心因性の部分を増大する。
 あなたも一生をお国のための低周波音問題に尽くしたのであれば、”「参照値」の使われ方の過ち”とか、”聞こえない音でも被害がある”とでも、何らかの懺悔を公的にできる絶好の機会だったのかも知れないのに残念なことである。朝日も「環境省は、現場での音の測定値が参照値以下であっても慎重な判断を要する場合があることを、一層明確に周知すること。」とした報告書に対する弁解の一つでも「参照値」の作成者の口から直に欲しかったとすればなかなかにおしゃれな人選であると言えよう。


 追記的だが、この報告書においては、「本報告書の本文中における記述に用いる用語の使い方は、次のとおりとする。」とあり、本文中においての語句の出現回数は下記のようであり、この報告書は「高くはあるモノの可能性だけ」で綴られたモノで「断定」や「間違いない」などとは全然言っていない。私の作文ももちろんそうであるが、イブと言うことでひとまずここでアップ。

@ 断定できる場合 ・・・「認められる」 
A  断定できないが、ほぼ間違いない場合 ・・・「推定される」
B  可能性が高い場合 ・・・「考えられる」 50
C   可能性がある場合 ・・・「可能性が考えられる」
D   可能性がある場合 ・・・・「可能性があると考えられる」








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最後まで読んでくれてありがとう。
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