続 和歌山県由良町:風力発電低周波健康被害私論 4/6

究極の静けさの中で微かに聞こえる風車音

研究室よりも理想的な低周波音長期暴露"人体実験"


8.「二重サッシ・インプラス」は自然音には効果大だが

 因に、このところ、周辺の犬の鳴き声、吠え声(周辺に数匹。聞こえるのは10匹以上)に悩まされ、直接の原因は、隣のチビ犬の「キュイン、キュイン、…」「キャン、キャン…」という「音」なのだが、これが神経を逆立て、正直×××殺したいところだが、何せ相手は動物保護法で守られており、音的にこうした相手から守られていない当方としては、せめて「内側に二重サッシ」を付けて「防音」してみた。
 しかし、これが低周波振動被害者にとっては格別問題にない自然音、例えば、雨、風音などにはかなり有効で、台風でさえほとんど感じないくらいだが、これが「犬の吠え声、子供の嬌声、車の騒音」などに関しては、「以前に比べれば何となく小さくなったかな」と感じる程度で、実際には音は聞こえるのでそれほどの効果は無いと言うことが解った。これらの騒音の苦情は”大人の人間”に知らせるしか無い。

 結論として、既に「音アレルギー」に冒されている我が身としては、今回のチビ犬の鳴き声が、またいつ聞こえるかと思い続けるだけで、完全に胃腸を壊し、1ヶ月で6kg以上痩せてしまった。こうした理由からであろうが、“専門家”は低周波振動被害は心因性で、騒音源による外因性では無いと言うのであろうが、その「(原)因」は、そもそもにおいては「外」にある事を忘れてはいけない。好き好んでこんな体質になったわけでは無い。させられたのである。

9.測定値的に騒音の主犯は

 さて、20数dBの音環境を現実に得ようと思えば、壁から、サッシから、いや家の構造体から鉄筋に改造しなくてはならない。ひとまず最も確実なのは住む場所から、そして、その周りに広大な空間敷地から確保しなくてはならない。そんな場所は山奥ででも無くては無理だが、そんな場所でも風車でもできれば一発で終わりだ。と言うことで、一般人の住宅ではとうてい望み得るモノでは無い。T家は少なくとも室内においては昼夜に於いて、その意図と関係なく、自然に「街中では到底望み得ないような最高に贅沢な音環境」を長きにわたり享受してきたのである。

 そう、ここで改めてここで、繰り返すことになるが、T家への測定者の以下のコメントである。「屋外での騒音レベルの時間区分平均値は、昼間が52dB、夜間が49dB」「屋内での騒音レベルの時間区分平均値は、昼間が26dB、夜間が24dBであり、両時間区分ともに屋内における指針値を大きく下回っていた。主要な騒音源は昼間、夜間ともに自動車音であった。」

時間区分平均値

屋外

屋内

昼間

52dB

25dB

27dB

夜間

49dB

24dB

25dB

3dB

1dB

2dB

 そして、「稼働による増加がほとんどないことに加え、屋内外ともに一般的な生活環境におけるレベルにとどまっており、これにより影響が及ぶ可能性は極めて低いものと考えられる。」とある。

 しかし、当該地の従来からの音環境は昼夜の測定値から見れば「自動車音」を除けば、実は屋内外において、昼夜通して20数dBである事が想像される。是非とも「自動車音」を音源として「除外」した測定データを見てみてみたいモノである。
そう考えないと、一般の騒音レベルの防音に於いては5dB下げるのが極めて大変であると言われている訳だが、「住宅用サッシの防音性能は20デシベル〜25デシベル程度、JISの遮音性能を示す規格(=T値)では最も低い「T1」のものが一般的です。」と言われているにも係わらず、昼夜ともに屋内外における音圧差が2〜3dbと言うことはT氏宅は、屋外の音がほぼモロに聞こえている様な状態である事が測定値からは想像され、むしろ防音性はゼロに近い家屋と言えよう。

 しかし、実際のT氏宅は道路に面してはいるが、歩道が有り、それなりに広い敷地で、居室は道路から少なくとも20〜30m以上は奥まり、その間には生け垣、倉庫、倉、立派な土塀などが有り、近辺には普通に何軒も家が有り、ごく普通の農村なのだが、広川明神山風力発電所の風力発電設備16基が有り、直近の風車は地図上では800m程の距離に有る。

10.常時聞こえるはずの「微かな風車音」

 夜間になると自動車音を入れても「騒音値が半分」になると言うことは、夜間は自動車はほとんど全く通らないと想像できる。すなわち、昼間も自動車音を除外すれば屋外の騒音値も20数dBと言う夜間と同じような数値になることが予想できる。
 故に昼間、測定者に「自動車が通らない時には微かに聞こえた風車音」と言わしめている環境な訳で、自動車がほとんど通らないはずの夜間においては「微かな風車音」は常時聞こえるはずである。

 すなわち、T家の室内音環境は、スタジオ並みの静けさが意図することなく、極当たり前に形成されているのである。こうした住環境に延々と住み慣れてきた人たちにとっては、如何に「微か」であろうと日々の騒音の中から、特に自動車も、鉄道も、飛行機も通らず、ネコも犬も鳴かないであろう夜間に“延々と続く『異音』”を、敢えて低周波音とは言わないが、これまた敢えて「聞き取る」とは言わないが、「異様さを感知する」ことは極々自然なことである。

 それは当該地の住人で無くても「微かに聞こえた」のであるからすれば、それは“聞き取りにくい”はずの低周波音でなく、むしろ可聴域の音と言うことではないか。“聞こえない音で被害は生じ得ない”として低周波音被害を否定し続けている“専門家”はこれをどう説明するのか。その回答とも言えるのが以下である。


11.「官学」は「A特性音圧レベルで35dB」を提案

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