続 和歌山県由良町:風力発電低周波健康被害私論 3/6
究極の静けさの中で微かに聞こえる風車音

研究室よりも理想的な低周波音長期暴露"人体実験"


5.心肺停止から死亡

 最近の御嶽山噴火で「動かなくなっている」被害者に対しマスコミはしきりに心肺停止を連発していたが、たまたま昨年、諸般の事情により、義父の最期に一番に駆けつける事により、その人間には「まだ死亡と言う診断はしていない」と言う状態であると言うことを知った。人間の生死を「診断」できるのは「診断した医師もしくは歯科医師のみである、と言うことである。
 と言うのは、駆けつけた時、医師は「40分前から心肺停止の状態です」と言う言葉だけ聞いた時、あたかも今は「停止」しているが、電気ショックでも与えれば動き出すのかと思ったが、それまでに医師が行った医療行為の説明を聞けば、とてもじゃないが、生き返るはずは無いと言うことが解り、ただ「ありがとうございました」と言うだけだった。それからしばらくして親族が駆けつけ、医師は同じような説明をして、時計を見て死亡時刻を宣言した。このとき義父は「死亡した」のだ。

 すなわち、医師の診断というのは、そのくらい意味のあるモノで、単なる測定会社の社員が“病気である”とも言えないように、ましてや“病気であるはずが無い”などと“診断”を下す様なのは、触法行為ではないのか。現実にはこの判定を元に、行政は“風車騒音は問題ない”としているのであるから、それなりの”権威付け”がなされてしまっているであるが。


6.実験室でも望めない“超特級=無音感”の静けさの騒音現場での低周波音人体実験

 話は4に戻るが、「昼間屋内25dB,夜間屋内24dB」と言う音圧が測定される「T家の室内の音環境」を想像してみよう。よくある「騒音の言葉の説明」では、

30dBとは「郊外の深夜、ささやき声」、
20dBとは「ささやき、木の葉のふれあう音」とされている。

さらに、以下の資料で詳しく見てみると、(旭硝子のGlass Plaza)。

「T家の室内音環境25dB(A)」とは、格別の防音が無いとすれば、自然のままで、「ラジオスタジオ、劇場、特別病室」並と言う事になる。
上表が示す、日本建築学会「室内騒音に関する適用等級」の居室で1級の騒音レベル35dB(A))、2級が40dB、3級が45dBと言う、5dB刻みで静音性の等級が定められているとすると、30dBは特級、25dBと言うのは「無音感」とも言われる、将に超特級の静音が保たれた室内音環境なのである。
一度「音アレルギー」になってしまうと、スタジオや聴力検査室などの静かすぎる環境では、エアコンの空気の吹き出る音や室外機のファンの音などが耳についてしまい、決して無音とは思えない。
自然のままで無音状態に等しい音環境では、恐らく初めて現地を訪れたであろう測定者にも「自動車が通らない時には微かに聞こえた風車音」とまで言わしめている。

7.「微かな風車音」により奪われた“究極の静けさ”


 この「微かに聞こえた風車音」というのは、要するに自動車が通らなければ、除外した音源と自動車以外にはそもそも「何も物音がしない」と言うのが、この地域でのそれまでの「一般的な生活環境」のはずである。

除外した音源

屋外

鉄軌道音、航空機音、拡声器の音、測定員の音、ネコの鳴き声、時報の音楽、雨音、マフラー改造車、クラクション

屋内

鉄軌道音、航空機音、電話の音、風で戸が鳴る音

 



 と言うことは、自動車音さえなければ、“一見さんの測定者”にも聞こえてしまった「風車音」は、当該地の住人にとって、新たに侵入した、常時聞こえる“微かな風車音”が加わり、それを“新たな”「一般的な生活環境」としなくてはならないわけだ。
そして、その音は「直接的に健康影響を及ぼす可能性は極めて低い」ので、“気にするなor納得しろor我慢言うなor不調なら保健所に相談しろ”と言うことだ。要は政府お得意の「ご理解いただきたい」と言うことだ。

由良では不調はしばしば「保健所に相談しろ」と言うが、一体全体当該地の保健所には風車騒音“苦情者”をどういった手段で救うのかor単に宥めるだけなのか是非ともその手法を聞きたいモノだ。

ともあれ、風車の建設により、当該地の住民はそれまで何をするでも無く当たり前に享受していた室内における「スタジオ並みの静けさ=無音」と言うそんじょそこらでは「得ようとしても容易に得られない宝」を失ってしまったことだけは確かである。

住宅事情の悪い日本の、都会にまで行かなくともそれなりの人が居る街中においては「静けさ」を確保することは非常に贅沢なのである。少なくともT家氏宅のような音環境(=放送用のスタジオレベル)を「防音」により確保しようとすれば、50万円/坪以上の経費がかかるようだ。


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