「ガイナ」は「直ちに効果はある」のか

塗装前 90×45の銀色のトタン張りの屋根
塗装後 1枚1枚の区切りが写真では殆ど見えない

 日曜の夕方は大抵、夕食の支度をしながら「笑点」「世界遺産」と見ながら夕食を作り、食べているのだが、12/6/17世界遺産の後もボーッとTVを見ていたら「塗るだけで消費電力50%減!? 厚さわずか1ミリ 『塗る断熱材』〜JAXAも認めた技術!省エネ効率上げて快適な生活を〜」、なんて、何か最近聞いたような話しをしている。

 と言うのは、つい先日築30数年の我が旧家(と言っても唯依然済んでいたというだけの家で、現在は息子夫婦が住んでいるのだが)の屋根の大がかりな塗り替え(”拾い塗り”はこのところ殆ど毎年していたのだが、昨今は1年でサビが浮いてくるようになってしまった。)としては3回目(一応10年に1回位はやっているのでもう築30年以上)をするときに営業マンから聞いた話しと酷似して居るではないか。思わず電話したのだが、「そうです、そうです。これです」と言う。実は塗料の名前も聞かず、能書きだけで「フーン。まーいいや」くらいの気持ちでOKしたのがガイナであったらしい。


 我が家は狭い敷地なので何とか空間面積を大きくしたいと、屋根の下の空間、所謂「屋根裏天井」なるモノがない、。と言ってもトタンの下が直ぐ部屋というわけではなく、一応、骨組みの鉄骨の上に屋根、鉄骨分の厚さの断熱材、その下に「斜めの」天井と言う、倉庫の屋根に似た形の2階建てである。まー、2階はログハウス的な屋根に内張があるとでも思ってもらえばいい。従って、天井は高く、天井の低さで圧迫を感じるようなマンション生活者にとってはこの天井高は”吹き抜け”の感じのようで、結構”リッチ”に思えるらしい。

 しかし、そのため外気の温度をモロに反映しやすく、”夏は上部は暖房なんてモノではなく明らかに暑く、冬は下の方は明らかに寒く、断熱という面から見ると最悪に近い構造である。

 特に冬場は暖房は天井が高い分室内容積が大きい訳で、暖房能力が部屋の畳数の2倍くらいのを使っているのだが、当然の如く暖気は上に上がり、底の部分に居る人間には中々暖かさが感じられない。で、結局はコタツに籠もることとなり、冬場は冬眠状態となるのが私の常である。

 暖房と言えば、多分30年くらい前に備え付けた当時流行の外気強制排気の三菱のガス・ファンヒーターは同じ構造の12畳の部屋を汗を掻くくらいに暖めてくれるという実に優れ物だが、10年くらい前に修理したときに既に10年くらい経っていたのだが、部品が残っていて修理してくれたが、これに関しては「今度壊れたときには終わり」だと言うことであったが、既にそれから10年くらい経っている昨年の冬も立派に役目を果たした。しかし、扇風機の発熱事故などを聞くと、こうした機器もヤバイのかなと思わないでもない。この部屋には息子が昨年エアコンを付けたが、暖まり方はどうであろうか。


 と、まー、倉庫のような造りの我が家ではこの塗料は「非常に効果的で有る」可能性があるわけで、ひとまずは改めて、この塗料(=ガイナ)の「科学的知見」を調べてみた。ガイナの能書きについてはこちら

 因みに、ひとまず、 「メーカーシェア」を見てみると、右のようになって居るようだが、おもしろいことに、「平成23年4月1日、建設業界が大きな転換期を迎えつつある今、建設業団体としての機能を一層強化・拡充し、建設業の発展に向けた活動をより強力に展開するため、日本建設業団体連合会(旧日建連)、日本土木工業協会(土工協)、建築業協会(建築協)の3団体が合併し、日本建設業連合会(新日建連)として新たな活動を開始しました」と言う”建設業界の大政翼賛会的組織であろう「社団法人 日本建設業連合会」の出している「遮熱・断熱塗料比較表」には2位以下は有るのだが、どうしたことかシェア1位の「日進産業」は無い。”ハバ”かなのかもしれないが、こうしたところが「1番」という事は実に痛快だ。やはり蓮舫氏の言う、「2番じゃだめなんでしょうか」に対してはやはり「1番でクリックで拡大なくちゃダメ」なんでしょう。

 因みに2位以下の能書きは次に。

Aプルーフロンエコ - 日本特殊塗料株式会社 塗料事業本部

B建築塗料・建築仕上材の総合メーカー エスケー化研株式会社

D遮熱塗料・断熱塗料「ミラクール」販売 株式会社ミラクール 。……

 ということで、それぞれに特性が違うようだ。しかし、上記放送後の反響は大きく、ガイナに業者による資料請求が間に合わないらしい。


 一般に外壁修繕に占める塗装の料金はどのくらいなのだろうか。一般的には側壁も塗るので足場が欠かせないのだが、これまで数度修繕した経験では、この足場代というのがかなりの部分を占める。人件費はそれぞれの作業に込められているので明確には判らないようになっているが、ガイナはTVでやっていたように、普通のペンキのように”ツルツル”とは塗れず、どちらかと言えば、”ベチャベチャ”とか”ゴテゴテ”と言った感じで塗ることになるようだ。
 
 実際仕上がりを見てみてみると結構”ぼてぼて”して”塗りつけた”と言った感じである。基本的にはこの塗料は”小さいセラミックのビーズを塗料で繋げて有る”ことになるので、普通のペンキのように”ビニール幕”の様な”ツルー”とした感じ(ペンキを塗ったことのある人なら解るだろうが、)ではなく、塗料を”置いていく”様な感じなので、表面は”ブツブツ”とか”ボコボコ”とかした感じで、人間のお化粧なら”厚塗りのボテボテ”と言うことになろう。まー、もちろん”でこぼこ”仕上げではないが。

 何れにしても、我が家では屋根だけで良いとしたので(因みに私は側壁から雨漏りがする可能性は低いと考えているので、足場まで組んで側壁だけ塗装し、屋根を塗装しない人がたまにいるようだが、見た目の美観よりも雨漏りの方が問題だろうとは思うが、足場まで組めば、屋根の費用はそれ程の割合では無いとは思うのだが、人それぞれで解らない。)、我が家の場合、無理矢理足場を無しでやってもらったのだが、実に割合的には、”塗装代”が修繕費の90%を占めることとなった。

 まー、通販の塗料代の2倍くらいの値段で、これには人件費などの作業代も含まれているのだが、これが「メーカーの推奨の作業」(ある程度厚く塗る)をするには相当手間が掛かるらしいので仕方ないとするしかない。因みに上記の「遮熱・断熱塗料比較表」での「設計単価(材工=材料代と工賃が一緒になった価格)」は3,000〜5,000円で、「下地調整除く」とあり、この「下地調整」とか言うのが高圧洗浄とか、素地調整(それまでの塗料のはがしとか)と言うことになるのだろうが、これをどの程度にするか段階があるり少々難しいところだが、まー、状況により職人に任せるしかないのだが、調整別(錆止め含む)で4,000円/M2であった。


 これが安いか高いか、他に、見積もりも取らず、結構イージーに決めてしまったが、その営業マンは結構長いつき合いの建築士の紹介で、これまで2回ほど小さい仕事をしてもらっており、それなりに一生懸命やってくれており、面倒見も良かったからである。早い話が「彼が言うことなら大丈夫だろう」と言う人間に対する「漠然たる信用」からである。

 こうした「紹介」という「間に人が入る」と言うことは昨今は一般的な商取引では流通コストの削減の面からすると当今は流行らないが、実は、万が一の時の責任の所在が必ずしも明確にはならないが、逆に、マズくなったときに、業者間であの人には「迷惑は掛けられない」と言うような、「産直」とは違う、”何重かの保険的な意識”が業者的には常に間にあり、多くの人に迷惑が行くような雰囲気で、それぞれがそれなりの「その人」の責任を暗黙的に重くしている、と私は考えている。恐らく京都の「一見さんお断り」は考え方としては、これと同じで、形としては逆だが。

 話は飛ぶがこのマルッとこの逆が、風車、原発のように「当該地域の人にのみ」交渉、即ち、隣の人はまるっきりツンボ桟敷に置いて、当該関係者だけに説明などの”お話をさせていただく”という”産直方式”を採る。まー、もちろん懇切丁寧に幾ら説明したところで、素人では事前には解ることなどは凡そ知れている。かといって、放って置いて良いという物ではないので一応説明するのだろうが、そのリスクは出来てみないことには解らないから始末に悪い。

 こうした場合言うまでもなく、”産地”即ち、メーカーが潰れたらそれでマルットお終いになってしまうが仲介業者がいれば、もちろん単に利ざや取りだけの仲介業者が少なくないが、それにしても、素人に一応それなりに”信頼”を与えるのは新聞(この場合は「日進産業(板橋区坂下)塗るだけで断熱」)、TV等のマスコミの伝達が資するところが大きいのだが、昨今の新聞の論調などを見ると余り客観視できていない様な記事が少なくない。特に日経。産業界の提灯持ちだから当然だが。こうした場合、自分が想像出来る内容については、まるっきり、その逆の場合を常に考えるようにしている。

 さて、ひとまずは、この夏の電気料がどうなるかなかなかに楽しみである。

120620


最後まで読んでくれて有難う


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